2006年10月18日(水) 9:00〜9:54pm第2話「スウィートホーム」

 薫(寺脇康文)が古い洋館を破格値で購入した。その洋館は悪魔崇拝の研究家で、暴漢に殺害された天城(星野晃)がかつて住んでいたもの。まさに天城はこの洋館で殺されていた。以来、幽霊屋敷との噂も流れたが、幽霊など信じないと笑い飛ばす薫。しかし、深夜美和子(鈴木砂羽)とともに不気味な幽霊を目撃してしまった! 
 が、翌朝、洋館を調べた右京(水谷豊)は幽霊がニセモノだとあっさり断定、だとすると、何者かが侵入したことになる。いったい何の目的で?
 右京らは洋館で起きた天城殺人事件を調べ直す。犯人の富田(久保田芳之)は天城と刺し違えて死亡。武器が天城家にあった斧だったことから、富田の目的は天城殺害ではないことがわかる。

 かつて富田が務めていたカフェを訪ねるが、店主の久美子(夏生ゆうな)は履歴書に書かれていること以外はわからないという。右京らはカフェの前に富田が勤務していた工務店で富田が糸川(山田百貫)というすでに死んだ老人と仲が良かったことを知る。老人の死を看取ったのも富田だったとか。糸川を調べた右京は、糸川が倒産した糸川興産の社長で天城の前の豪邸の持ち主だったことをつかむ。糸川興産の元社員によると、倒産で一家は離散。2人の娘もどこかへ引き取られたらしい。が、糸川は豪邸のどこかに財産を隠していると豪語していたとか。

 死神の扮装をした2人組が薫の家に押し入ってきた。薫をサウナに閉じこめると、美和子を縛り、シガールームの天使の絵が描かれている床を堀り始めた。脱水症状を起こし、意識が遠のく薫。床に転がされた美和子も脱力感に襲われるが、そこへ不動産屋の町子(国分佐智子)が現れた。が、町子は美和子を無視すると穴を掘る死神=久美子とタカシ(松嶋亮太)のもとへ。久美子をあからさまに非難する町子だが、タカシは久美子を庇うと町子も薫夫妻も殺して財産を奪うと言う。さすがに臆する久美子。町子は隙を見て逃げ出すが、そこへ薫と美和子を助けた右京が現れた。苦しみながらも怒りを露にする薫にタカシはおとなしく降参してしまう。

 実は町子と久美子は死んだ糸川の娘。右京の推理どおり、財産の隠し場所を知った富田が町子に接近、続いて久美子に近づき、見返りに1000万円を要求したという。久美子は富田に隠し場所を確認するよう頼んだが、逆に天城に殺されてしまった。事件を知った町子は不動産屋に就職、豪邸の担当になり財産を守っていたという。富田によると財産の隠し場所は「天使の下」。しかし、シガールームの「天使」は薫が作ったもので糸川は知らない。

 右京はローマ人が「天使の木」と呼んでいた月桂樹の木があったところではないか、と推理する。そういえば町子と久美子は幼い頃月桂樹の木に登って遊んでいた。さっそく掘り返してみると、箱が出てきた。が、中からは金ではなく幼い町子らが描いた父の似顔絵やぬいぐるみ…娘たちの思い出の品々だった。
「どうやら金に目がくらんでいたのは、あなた方だったようですね」。
 父の思いを噛みしめた町子と久美子は幼い頃の思い出を胸に、新たにやり直すことを誓ったのだった。

ゲスト:国分佐智子 夏生ゆうな

脚本:古沢良太
監督:森本浩史