2006年2月22日(水)
第18話 「節約殺人」
 カリスマ的人気を誇る“節約主婦”としてテレビや雑誌で人気の松原宣子(伊藤かずえ)宅で、殺人事件が起こる。夫・真澄(平良政幸)が殺され、その犯人・浅田裕久(光宣)を宣子が正当防衛の末、殺害したのだ。真澄は刃物による刺殺。浅田は花瓶で頭部を一撃されていた。浅田は真澄にゆすられていたと言ったらしい。浅田の携帯には、確かに真澄からの着信履歴が残っていた。そして真澄のポケットからは、浅田と若い女性のツーショットが待ち受け画面になった、女性が持っていたらしい携帯電話が見つかる。
 同日、ツーショットの女性・馬場香織(後川佳織)も、松原家近隣の雑木林で刺殺体となって発見される。死後の経過は二日ほど。遺留品に携帯電話は無かった。やはり彼女の物か。それをなぜ真澄が…。
 特命係・亀山薫(寺脇康文)の推理はこうだ。浅田は不倫関係にあった香織から別れ話を切り出され逆上。雑木林で殺害して逃げ去るが、その現場を偶然に目撃した真澄が、香織の携帯電話を奪って浅田を脅迫。ところが逆に浅田に殺されてしまった…。
 その間、同意も否定もせず、宣子の雑誌をめくりながらの話を聞いていた杉下右京(水谷豊)は、まったく別のことを考えていた。掲載されている宣子の自宅写真と、現場検証時のインテリアが、家具の配置や置物の位置まで変わっていないにも関わらず、浅田を殴った花瓶だけが写っていなかったからだ。代わりに置かれていたのは古伊万里の高級品。対して、犯行に使われた花瓶はどう見ても安物だ。花瓶以外にも右京は、宣子の証言に関して疑いを抱いていた。ナイフを向けられれば、人は抵抗するというもの。しかし、宣子の夫にその跡は見られなかった。室内にも争った形跡は無い。また、誰かをゆすろうとした時、自分の番号を相手に知らせるような真似をするだろうか。着信履歴を残そうという作為を感じ取った右京は、すべての証言を行った宣子を強く疑うのだった。
 事件翌日、右京たちはすでに仕事を再開しているという宣子の“節約術DVD”の収録現場に赴く。急ぎの仕事でもあるし、真澄も雑誌に出ることを喜んでいたからと、涙を隠して収録に臨む宣子。しかし、出版社に問い合わせると、急ぐ仕事ではないので収録の中止を申し出ていたという。また、香織が殺害された夜も、宣子は同じように収録を行っており、終了時間から換算して、事件を目撃する可能性があったことも分かった。だが、問い詰められた宣子は、同時刻、スーパーで買い物をしていたとレシートを提出し、アリバイを証明する。
 右京は、たまきから重要な情報を得てアリバイ崩しにかかる!