夕方、花の里。右京、薫、そして女性がカウンターに座っている。女性の名は“杉下花”(原沙知絵)。ニューヨーク在住のフォトグラファーで、実は右京の姪。東京の下町を撮って話題になった写真集の第二弾を制作するため、数年ぶりに来日したのだという。ただのタクシー代を早とちりした薫の一人ドタバタ劇も、これにて一件落着。
だが後日、この花がとんでもない推理を携えて特命係にやってくる。先日、海岸で発見された腐乱死体の身元と犯人が分かったというのだ。
花は、取材で柳橋界隈を訪れた際、見事に手入れされているのに、ここ何日間か水があげられていない様子の花壇を目撃。訳を家主である二ノ宮純平(櫻庭博道)に尋ねると、妻・小夜子(奈良﨑まどか)が一週間前から実家に帰っているからとの答えが返ってくる。しかし、玄関の状差しには、小夜子の実家から小夜子宛に届いた数日前のはがきが。純平は花に嘘をついたのだ。右京並の観察力を誇る花は、続いて、前回の写真集で世話になった町内会長の金田昭一郎(不破万作)に、二ノ宮夫妻の情報を聞き込みに行く。すると、毎晩、近所中に聞こえるほど派手に行われていた二ノ宮家の夫婦げんかが、特にひどかった一週間前を最後にパッタリ聞かれなくなり、小夜子の姿も見かけなくなったと判明する。腐乱死体の死後経過は、ちょうど一週間。「明日にでも家宅捜索をするべきです」。断言する花。しかし右京は、花の推理など幼稚な妄想に過ぎないと切り捨てる。憤慨する花と譲歩しない右京…。 |