2005年12月14日(水) 夜9時
第10話 「殺人生中継」
 朝の天気予報。新人キャスターの八木沼リカ(宮地真緒)が、テレビ局のテラスから中継している。リカの大ファンという薬物対策課長の角田六郎(山西惇)は、画面に釘付けの状態。その時、テレビから女性の悲鳴が! 角田と一緒に画面に見入る杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)。リカは撮影クルーとともに、声が聞こえてきた方へと向かって走る。そして仮眠室に入った一同は、リカの先輩アナウンサー・綾瀬圭子(東風平千香)の刺殺体を発見するのだった。
 生放送で殺害現場が中継されるという前代未聞の事態に、世間は騒然。警察は、全国の注視にさらされながら、慎重かつ迅速な捜査を求められることになる。
 テレビ局は事件発生直後に封鎖。現場に到着した右京は、アナウンス部長の仁科真由美(竹井みどり)から、圭子はある時期、熱烈なファンによるストーカー行為に悩まされていたと聞かされる。毎日のように届く手紙は、内容が次第にエスカレート。自宅ポストに「殺してやる」との脅迫文を送られるに至り、局は送迎を手配した。そのせいか、ストーカーの正体は分からずじまいだが、最近は被害が収まっていたという。
 手柄目当ての捜査一課は、特命係をつまみ出しストーカー情報の収集を始める。一方、右京はリカのもとへ。圭子はリカの教育係だった。特に、敬語の使い方を仕込まれたというリカは、圭子を尊敬し「大好きな先輩でした」と涙を流す。ストーカーについても「その話は伺っています。ご自宅にまで参ったことも…」と。「参ったではなく、行った」と、すかさず敬語の誤用を指摘する右京。圭子に注意された懐かしい記憶がよみがえったのか、リカの目から再び涙がこぼれ落ちる。お茶でも飲んで気分を落ち着けてもらおうと、自販機で飲み物を買う。と、その奥に怪しい男が…! 
 仮眠室の検証により、圭子は自分でドアの鍵を開けていたことが分かる。また、極度の近眼だった圭子が眼鏡を掛けずに応対していたことから、犯人はストーカーではなく、ごく親しい人間の可能性があると右京は推理する。さらに、通風用の窓が開いていることに何かを感じる右京…。
 身内犯行説はすぐに捜一に伝えられる。アナウンス部から一人ひとりのアリバイを聴取するトリオ・ザ・捜一。その結果連行されたのは、なんとアナウンス部長の真由美だった!