2005年11月9日(水) 夜9時
第5話 「悪魔の囁き」
 前回に続いて…。

 捜査一課の勇み足により、村木重雄(小日向文世)は自殺。その直前、村木は10件すべての犯行を認めていた。だが、家宅捜索では、最初の事件から数えて7件分のピアスしか発見されなかった。焦る捜査一課は、共犯者を妻の順子(山下容莉枝)とにらみ、全件で村木を立件するため血眼の捜査を開始する。
 一方、杉下右京(水谷豊)は、まったく別の角度から残り3件の犯人を推理し始める。共犯者が順子ならば、同じ場所でピアスが発見されるのが自然だろう。事件一連の特徴を知り得る身近な人物で、順子以外に犯行が可能な人物がいるとしたら…?
 翌日、右京亀山薫(寺脇康文)を伴い、荒川事件で殺害された日高鮎子(堤幸恵)の当日の足取りを洗い始める。この荒川事件で、犯人は2つのミスを犯していた。1つは、遺体が川の流れに乗り、過去に事件を起こしていた東京で発見されてしまったこと。もう1つは、東京在住の鮎子を標的にしてしまったこと。犯人は埼玉県内で事件を完結させたかったはず。それがこの犯罪の絶対条件だからだ。1つめのミスは想定外として、2つめは?
 右京たちは、犯人が鮎子を埼玉の人間と勘違した可能性を探る。すると案の定、鮎子が埼玉のデートクラブで働いていたことが判明。事件当夜は、客を取ったまま店に戻らなかったということも。犯人は鮎子を指名した男か…。だが店長によれば、女客からの指名もあるという。再び犯人像が薄れたことに、落胆を隠せない…。
 そのころ警視庁では、順子が捜査一課をさんざん愚ろうし、時間を浪費させた後、ようやく荒川事件当夜のアリバイを告白していた。順子はその時間、ホテルで男と会っていた。相手はなんと、村木を診ていた精神科医・内田美咲(奥貫薫)の助手・安斉直太郎(高橋一生)だ。美咲の代理として順子から相談を受けるうちに、関係を持ったという。
 その夜、右京は美咲から、村木が描いたという無気味な絵を渡される。美咲は、絵に認められる一連の事件を暗示する“ヒント”を見過ごした自分を責めた。と同時に、もし村木が連続殺人の詳細を自分に語っていたなら、どんなに興奮したか…とも。美咲は犯罪心理学の専門家でもあった。右京はそんな美咲の心情を理解しながらも、彼女の中に悪に惹かれる一面があることを見抜くのだった。
 右京はすでに美咲の過去の講演スケジュールを調べていた。ピアスが見つかっていない最後の3件は、すべて美咲の講演先で起きている。渡された村木の絵は、いわば美咲からの挑戦状なのか…。だが、の捜査の結果、鮎子が最後に取った客は男と断定される。美咲は事件とは無関係なのか? バラバラに散らばるピースを犯人像に結び付けるため、右京の戦いが始まる!