2005年10月26日(水) 夜9時
第3話 「黒衣の花嫁」
 教会。華やかなウェディングドレスを身にまとう津島瑞希(遠野凪子)。だが、対照的なほどにその表情は暗い。新郎・海老原元章(中原裕也)が現れないのだ。周囲にも不安な空気が漂い始めたころ、思いもよらない訃報が届く。2人が幸せをはぐくむはずだった新居で、海老原が他殺体で発見されたと…。
 家の中は荒らされ財布が見当たらないことから、海老原は前夜、帰宅したところを強盗に襲われたと推定された。その現場に、非番のはずの捜査一課・芹沢慶二(山中たかシ)が、顔色を変え飛び込んでくる。殺された海老原は、芹沢の大学時代のゼミ仲間だった。前夜は、ゼミの仲間が集まり、海老原の“独身さよならパーティー”を開いていたという。「あんなに幸せそうにしてたやつが…」と、絶句する芹沢
 海老原は殺害される直前、新婦の瑞希にメールを打っていた。内容は『話はまた日を改めて。明日、式場で君のウエディングドレス姿を見るのを楽しみにしている』。いったい被害者は婚約者に何を話すつもりだったのか? 事件を知った杉下右京(水谷豊)の頭が、静かに回り始める…。
 芹沢は私情が入り込むのを懸念され、事件の捜査から外される。友人が殺されたのに何もできない…そんな悔しさに唇をかむ芹沢を、亀山薫(寺脇康文)が特命に誘う。一瞬ためらう芹沢。だが友の無念を晴らすため、芹沢は特命チームと行動を共にすることに。
 海老原の葬儀は、結婚式を挙げるはずだった同じ教会で行われた。運命の皮肉。純白のドレスを黒衣に着替えた瑞希は、感心するほど気丈に振る舞うが、そんな中、突然、海老原の元彼女・浅葉ハルミ(大塚由佑子)が棺にすがりつき騒ぎ始める。そして瑞希に近づくと、いきなり平手打ちを見舞い「あなたのせいよ!」と、食って掛かるのだった。
 ゼミの友人たちは口をそろえ、「海老原はハルミと結婚すると思っていた」という。学生時代から、ハルミは幾度となく海老原の苦しい時を支えてきていた。裏切られたハルミが海老原を…?
 右京は依然、海老原が瑞希に伝えようとしていたことが何なのか気になっていた。瑞希本人も、また友人たちにも思い当たることがないという。挙式直前に伝えたいこと。大事な話に違いない。それをメールでキャンセルした点も引っかかる。別人がメールを打った可能性はないか、右京は推理をめぐらす。そして、その人物特有の“書き癖”から捜査を進めると、ハルミとゼミ仲間の一人、田村厚(坂田聡)の2人に同じ癖があることが判明する。
 しかし、別行動で捜査を進めていた捜査一課は、瑞希に任意同行を求める。調べによれば、瑞希の父の死に、実は海老原が関わっていたというのだ!悲劇のヒロインから一転、容疑者となる瑞希。はたして真相は…。