劇作家が自宅マンションで殺害された。
彼の作品に主演している舞台女優に不審を抱いた右京
が、彼女は犯行時刻、殺害現場から遠く離れた劇場でリハーサル中・・・。

3月9日(水)
第17話 「書き直す女」



 知り合いのゲイバーのママ・ヒロコ(深沢敦)に誘われ、右京水谷豊)と寺脇康文)は芝居見物へ。帰り際、ヒロコは店の常連というプロデューサーの川島(市川勇)に頼み、女優のななみ(高畑淳子)の楽屋へ。サインをもらっていると、電話が入り、今回の舞台の脚本を書いた劇作家の武(中丸新将)が自室で何者かに殺されたという。
 死因はナイフで刺されたことによる失血死。出前の寿司桶を下げに来たときに武の遺体を発見した寿司屋の話では、出前の寿司を届けたのは午後3時ごろ。そのときには部屋に武はいたという。死亡推定時刻が午後3時から4時の間ということは、届けられた寿司を食べた後に殺されたことになる。しかし、右京は湯飲みが使われていないことに疑問を抱く。武は寿司を食べたというのにお茶を飲まなかったのだろうか。そのとき、突然耳をつんざくような工事の音が・・・。下の部屋がリフォームをしているらしい。
 川島に話を聞いた右京らは、武は殺される直前、川島と電話で話していたことを知らされる。電話で武はセリフを勝手に変えるななみに怒りを露にしていたという。
「今度セリフをいじったら、殺してやる」。
 武はこんなことまで言っていたらしい。
 右京らは付き人に弁当の寿司の文句を言っているななみの部屋へ。嫌いなサバが入っているのが気に入らないらしい。だが付き人によると、前日はそのサバを食べていたというが・・・。そんなやりとりを聞きながら、右京は武との不仲について質問する。ななみは自分を疑うのか、と気色ばむが、武が殺されたころはリハーサルの真っ最中。劇場がから片道1時間はかかる武のマンションへ行けるはずがない。右京らの説明にホッと胸をなで下ろしたななみは、改めて武の書いたセリフを批判する。
 事件のあったころ、武の部屋の周辺にいたのは寿司屋のみ。一課では寿司屋が犯人と捜査を進めるが、鑑識の米沢六角精児)は武の胃からウニとアワビが検出されなかったと報告する。特上の寿司にウニとアワビがなかったとは考えづらい。右京は不審を抱きながらも、米沢にサバが検出されたことを確認する。
 右京らはななみを改めて訪ねると、事件当日スタッフに用意された弁当の寿司をいつ食べたのか質問する。確か付き人がサバを食べた、といっていた代物だ。すると、ななみは芝居の一幕と二幕の間の30分の休憩に一人で食べたという。ということは、その30分間はななみにもアリバイはないことになる。が、30分で武のマンションには行けないはずだが・・・。
 右京は弁当の寿司と特上の寿司を前に、何が入っているかを比べることに。その結果、特上にはウニとアワビが余計に入っていることがわかった。武の胃から検出されなかったウニとアワビだ。これは一体何を意味するのか? そして右京は、武が本当にマンションの自室にいたのかと疑問を口にする。
 そして、寿司屋から改めて事情を聞いた2人は意外な事実を知らされて・・・。