名門女子高の生徒が殺人事件の容疑者に!?
謎のメモをもとに学園に隠された秘密に迫る右京だが…。

2月16日(水)
第14話 「薔薇と口紅」



 寺脇康文)が、偶然とある健康ランドで覚せい剤取引の現場をおさえた。とはいうものの、手柄は生活安全部の角田課長山西惇)へ。腐るが例によって右京水谷豊)からイヤミ半分たしなめられていると、鑑識の米沢六画精児)がやってきた。なにやら川から男のくせに真っ赤な口紅を塗った水死体が発見されたという。興味を抱いた右京は、鑑識課で詳しい話を聞くことに。
 遺体の身元は江川(近藤公園)という住所不定、無職の男。後頭部に傷はあったが、肺から淡水プランクトンが検出されたことから死因は水死で間違いないらしい。それにしてもなぜ化粧をしていたのか。遺体の内ポケットから「口紅三本、ファンデーション四箱」と書かれた紙片が発見されていたが、それを手にした右京は紙片に聖ジュリア女学院の校章の透かしがあることを発見して…。
 さっそく右京は、名門として有名な聖ジュリア女学院の校長・綾子(涼風真世)と面会する。綾子は紙片を確認、同校の生徒手帳であることを認めるが、「人の命を奪うような生徒は断じて存在しません」と言い放つ。そんな綾子の強い意志に、右京は綾子の祖父でシェークスピアの研究家でもあった創立者・龍ケ崎善造が提唱した創立精神を口にする。善造を記念して同校では創立記念日にシェークスピアの戯曲を必ず上演しているという。そんな右京の造詣の深さに感激した綾子は、喜んで綾子の父が作ったというバラ園を案内する。右京はそこで綾子の父が創立50周年に植えたという記念樹への綾子の深い愛情を知る。
 遺体が発見された地点は、満潮時には東京湾の海水が上がってくることがわかった。死亡推定時刻はちょうど満潮時。なのになぜ淡水プランクトンしか検出されなかったのか。右京らが改めて疑問を感じていると、野田(小路勇介)という男が容疑者として逮捕された。捜査一課では、野田が江川から借りた300万円の返済を迫られ殺した、と見ているらしいが、右京は無職の江川が300万円という大金を貸した事実に疑問を抱く。
 江川がつけていた口紅が演劇用の化粧品であることが判明した。前回、聖ジュリア女学院を訪ねたとき、偶然演劇部の久美子(水谷妃里)がたばこを吸っていたのを見ていたは、同校の演劇部に不審を抱く。同校の演劇部のノートを調べた右京らは、事件前日に「口紅三本、ファンデーション四箱」と書かれているのを発見する。しかも、書かれている文字はあの紙片と同じ筆跡…。
 右京は、落とした生徒手帳を見つけたと久美子から話を聞く。久美子は江川が持っていた紙片の文字は自分のものと認めたが、江川との関係は否定。気づいたときに、そのページだけ何者かに破られていたという。綾子と仲がいい久美子は嫉妬の対象になっているらしい。が、生徒手帳を拾ったというのは右京らのウソ。怒った久美子は今の証言もすべてウソだったと吐き捨てる。
 化粧品のメーカーが演劇ノートにあった注文を受けていないことが判明した。そんな事実を知らされた綾子は久美子が部費を横領していたことを認めるが、久美子も江川と援助交際をしていた事実を告白。しかし、その後の調べで事件に覚せい剤取引が絡んでいる可能性があることがわかり、意外な方向へと展開していく…。