殺害する相手の名前を電話で告げる殺人犯が出現!
手も足も出ない警察は、唯一助かった被害者女性から話を聞こうとするが…。
かつて姉をストーカーに殺され、警察不信に陥った彼女の心は開くのか?

1月26日(水)
第12話 「予告殺人」



 捜査一課の要請を受け、寺脇康文)は犯罪被害者の集いの見学へ。姉をストーカーに殺された愛(一戸奈未)が臨床心理士の堀(樋口浩二)から発言を促されるが、いまだにショックが大きく何も言えない。堀の説明によると、被害を訴えた警察からも相手にされず、殺害されたとき白昼にも関わらず誰も助けようとしなかったとか。会が終了した後、は堀に挨拶するが、強烈な嫌味を言われ…。
 ヤマモトヒロミという人間を殺すという予告電話が警察に入った2日後、予告どおり山本弘己(山本東)という男性が殺害された。その前には同様の手口で伊藤洋子という女性が殺されている。このままでは第3、第4の犯行もありえる。イタズラ電話と放っておくわけにはいかなくなった警察は記者会見を開くが、あまりの無策ぶりにマスコミから激しい非難を浴びてしまう。
 その犯人と名乗る男から美和子鈴木砂羽)を名指しで電話が入った。山本殺害の状況を詳しく話すところをみると、どうやら本物の犯人らしい。そして今度は都内に住むサイトウアイという人間を3日以内に殺すという。「今度は助けられるかな?」と挑戦的な犯人に、美和子右京(水谷豊)の指示に従いイタズラ電話と区別するためのキーワードを教えろという。そんな美和子に犯人は「キングチャイルド」と名乗るが…。
 さっそく美和子は捜査一課の24時間監視体制のもと、犯人からの電話を待つことに。それにしてもなぜ犯人は美和子を指名してきたのか。これまでの被害者もまったく関わりがないし、「キングチャイルド」という言葉に思い当たることもない。しかし、捜査のきっかけすらつかめない伊丹川原和久)らは、犯人との接点があるはず、と美和子にここ数カ月の行動を書き出せる。
 深夜1時ごろ、キングチャイルドから美和子に電話が入った。予定より1日早く殺人を実行に移すという。美和子は指示に従い懸命に時間を引き延ばしたおかげで逆探知に成功。発信元とされる都内の公衆電話へと急行するが、すでにキングチャイルドは逃げたあとだった。周囲を捜索したものの、近くでタクシー止まっていただけ。中にいた運転手は仮眠をとっていたため、何も見なかったという。
 翌朝早く、がカウンセリングで目にした佐藤愛が何者かに襲われる事件が発生した。幸い怪我だけですんだが、確か美和子は「サイトウアイ」と言っていたはず。絶対「サイトウアイ」と言っていたと言い張る美和子だが、そのときは電話の録音もされておらず証拠はない。落ち込む美和子右京は、愛を狙う犯人の罠かも、という。
 伊丹らは愛から目撃証言を得ようとするが、カウンセラーの堀は愛と会わそうとしない。は花束を手に見舞いかたがた愛から話を聞こうとするが、結局伊丹とケンカになってしまい何もできない。堀は警察からの謝罪もなく、愛が警察に協力できるはずがない、と言い放つ。
 キングチャイルドから電話が入った。「サトウ」と「サイトウ」。聞き間違ったのか、言い違えたのか、美和子は言い争いをするが、突然キレたキングチャイルドは「お前の間違いだ!」と大声を張り上げる。思わず黙ってしまった美和子にキングチャイルドは「タナカクミコ」を殺害すると予告する。右京はそんな2人のやりとりから、キングチャイルドは美和子を陥れるためにわざと「サトウ」を「サイトウ」と言ったのでは、と推理。キングチャイルドは美和子を恨んでいるはずだというか、当の美和子に思い当たることがない。

「タナカクミコ」殺害まで時間がない。愛から花束のお礼メールを受け取っていたは、なんとか愛の心を開き、目撃証言を得ようとするが、愛は「みんな思い知ればいいのよ」と冷たく言い放つ。
 このままでは「タナカクミコ」が殺されるのを待つしかない。万策尽きたは、改めて愛を訪ね心を開こうとするが…。