自分史を書きたいという初老の紳士に付き添う美人図書館司書。
男たちから大金を受け取る彼女に殺人容疑がかかるが…。

12月8日(水)
第7話 「夢を喰う女」



 寺脇康文)が捜査一課の伊丹川原和久)と三浦大谷亮介)に呼び出された。元大蔵事務次官を殺した容疑者・知念(飯田孝男)を取り調べて欲しいという。“落とし”の亀山巡査部長、と持ち上げられたはすっかりその気に。さっそく知念の前に座り、調書をとり始めるが、知念は事件とは無関係な身の上話を延々と始めて…。
 取調室にやってきた右京水谷豊)は知念を帰すと、実は知念は自首マニアで単に話をしたいがために来ただけだという。ここでは自分が伊丹らにハメられたことを悟って…。
 一流企業常務・八尾(飯塚正臣)の刺殺体が発見された。近くには表紙と中身が真っ白な本が捨てられているなど、先の大蔵事務次官殺しと状況がよく似ている。同一犯による連続殺人の可能性もある。右京は鑑識の米沢六角精児)からこっそり被害者2人の所持品リストを入手。そこから2人のつながりを洗おうとする。と、中からとある図書館の図書カードが出てきた…。
 図書館を訪ねた右京は、司書のめぐみ(高岡早紀)から2人が自伝を書こうとしていたことを知らされる。めぐみによると、定年後の60代の男性を中心に自分史を執筆、自費出版するケースが増えているという。
 は捜査一課の芹沢山中たかシ)から、被害者2人がともに一千万円近い金を何者かに渡していた、という事実をつかむ。家族も何のために使ったのか見当もつかないという。
 右京が図書館でめぐみを窺っていると、例の知念が現れた。右京が座る席を示して、そこは大滝(伊藤初雄)の席だという。どうやら毎日来る常連の席が決まっているらしい。席を大滝に譲った右京はめぐみが60代の男性と親密そうに話しているのを目撃。めぐみを尾行すると、2人は高級レストランで食事。めぐみは男の話を興味深そうに聞きながらメモをとるなどして…。
 男が大手商社の元常務・清水(浜田晃)であることをつかんだ右京は、身分を装い清水が自分史を出版しようとしている事実を引き出す。知り合いの女性に口述筆記をしてもらっているとか。めぐみに確認すると、清水の自分史作りに協力していることをあっさり認めると、殺された2人の自分史作りにも同様に協力していたという。さらに自費出版の費用などで2人から大金を受け取っていたとも…。
 めぐみが容疑者として急浮上するが、彼女が2人を殺す動機もなければ、事件当日は清水と一緒だったとアリバイも完璧だ。
 捜査が行き詰まりを見せる中、右京はめぐみが大滝や司書仲間の佐伯(大石継太)らからも好意を寄せられていたらしいことを感じ取る。佐伯が清水と話すめぐみを見る目からは嫉妬の色がありありだ。
 そんな折り、知念が血のついたナイフを手に自首してきて…。