6月25日にクランクイン、8月13日のクランクアップに向け、現在絶好調で撮影は進み、残すはフィリピリン・ロケを残すのみ。そこで、完成間近を迎えた8月9日、東映東京撮影所にて『相棒 -劇場版II-』製作会見が行われ、水谷豊、及川光博、益戸育江、川原和久、大谷亮介、山中崇史、山西惇、六角精児、神保悟志のレギュラー陣、和泉聖治監督、ゲスト出演者の小西真奈美、小澤征悦、宇津井健、國村隼の総勢14名のキャスト&スタッフが会見に出席。『相棒 -劇場版II-』の魅力を語ってくれました。
水谷豊(杉下右京 役):
テレビドラマの『相棒』がスタートしたときから劇場版は夢でした。10周年の年に劇場版の2作目、2つめの夢にたどり着くことができました。今ちょっとした充実感に浸っているところです。
及川光博(神戸尊 役):
神戸(かんべ)の語尾を上げる人が多いんですが、語尾を下げる方でお願いします(笑)。テレビシリーズ(シーズン8からの出演)に続き、劇場版にも出演させていただくことになりました。感謝の気持ちをエネルギーに変えて、スクリーンで活躍したいと思います。
小西真奈美(朝比奈圭子 役):
10年という歴史のある作品に携わらせていただき、非常に光栄に思うと共に、身が引き締まる思いです。緊張感を持ちながら撮影に臨んでいます。
小澤征悦(八重樫哲也 役):
素晴らしいスケール感のある作品。「映画作りってこんなに楽しいんだ!」と思いながらやらせていただいています。
宇津井健(金子文郎 役):
今年の4月にある番組で水谷さんと35年ぶりに共演させていただきまして、その時に「今まで私はこれまで犯人役をやったことがない。ぜひ『相棒』で犯人役をやりたい」と胸のうちを伝えたんですが、犯人役は別の方で……(今回は)警察庁長官という役でした(笑)。ただ、アメリカ映画に出てくるようなひねりのある役。この役を一生懸命やれば次に犯人をやれると期待しています。
國村隼(長谷川宗男 役):
警視庁のちょっと偉い人、副総監役を演じました。水谷さんとも和泉監督とも初めてでしたが、とてもスピーディーで効率のいい現場。出来上がった作品もやはりスピーディーに仕上がっていると思います。
益戸育江(宮部たまき 役):
いい人をやらせていただくと、「たまきさーん!見てるわよ!」と、日本全国どこに行ってもみんなが笑顔で迎えてくれるんです。これからも癒し人として温かい感じを出せていけたらと思います。
川原和久(伊丹憲一 役):
事件が大きく、ヒラの捜査官には限度がありましたが、精いっぱい頑張りました。
大谷亮介(三浦信輔 役):
今回は及川さんという新しいメンバーが入って、これまでにない新しいものになっています。
山中崇史(芹沢慶二 役):
10年間テレビドラマをやらせていただき、10周年の節目にこの劇場版に参加。緊張感を忘れずに撮影に臨めたと思います。
山西惇(角田六郎 役):
いつも通りの課長をやろうと肩の力を抜くことに専念していましたが、「ちょっとヒマか?」の声がテレビシリーズよりも上擦っているかもしれません。あと、監督が僕の前髪を見るたびにため息をつくので、10年経ったんだなと感じています。けれど、今回の撮影中は1本も抜けていないと思います(笑)。
六角精児(米沢守 役):
スタッフとキャストと長い間かけて作り上げた素晴らしい土台で、思いっきりやらせていただきました。10年やっていても新鮮なシーン、新鮮な吐息が多々あふれてくる映画です。
神保悟志(大河内春樹 役):
テレビシリーズでは首席監察官ということで出番が少なかったんですが、今回は警視庁が舞台なので、出番が多くて緊張しました。及川さんの演じる神戸と大河内との関係性も描かれ、2人の謎も解けるんじゃないかと。そこにも注目してほしいです。
和泉聖治監督:
初めて『相棒』を見る方も「面白かった」と思える映画であり、10年間の結晶となっていると思います。年末年始は『相棒 -劇場版II-』をよろしくお願い致します!
【質疑応答】
Q:水谷さんは劇場版の1作目から続編を期待していたそうですね?
水谷:1作目の劇場版のDVDが僕の部屋に飾ってあるんですが、それを見ていたら劇場版のDVDが「1人では寂しい……」と言っているような気がして。「ああ、2つ並べてあげればいいんだ!」と思ったんです。それで『2』をやりたいと思いました(笑)。
Q:『相棒』は今年で10周年。記念すべき10周年を迎えた気持ちは?
水谷:まだふり返る状況ではなくてですね……自分にとって『相棒』が何だったのか、"杉下右京"が何だったのかは、『相棒』シリーズが終わって、何年か経ったときに感じることなのではないのかなと。今は目の前に起きることしか考えていないです。
Q:及川さんはテレビシリーズのシーズン8からの参加となりますが、水谷さんとの共演はいかがでしたか?
及川:シーズン8で7ヶ月間、ご一緒させていただいたんですが、緊張感ある現場で、来る日も来る日も同じ空気を吸うという貴重な経験をさせてもらいました。"気"の交流とでもいうんでしょうか。言葉数が少なくても通じ合う部分が出てきて、時の流れは人を変えていくんだなと実感しています。シーズン8の最終回を迎えたときは心からホッとしましたし、またこうして大きなチャンスを与えてもらって、ありがたいですね。
Q:小西さんは水谷さんと及川さんと共演してみていかがでしたか?
小西:すでに出来上がっているチームに入るということもあり、非常に緊張して初日を迎えたんですが、2人がものすごく温かい笑顔で「ようこそ『相棒』へ!」と握手をしてくださって、気持ちが和んだのを覚えています。それから毎回現場で会うと握手をしてくれるので、なんてフレンドリーな方たちなんだろうと。ある日、メイクルームで水谷さんが「ご縁があったら後ほど」とおっしゃって部屋を出ていかれたことがあって──その後に同じシーンだったので何と言って返そうか迷っていたら、及川さんが「そうですね、ご縁があったら」とサラリと返していたので、「ああ、ふたりは相棒なんだな」と実感しました(笑)。
及川:水谷さんはユーモアがあるんです。ちょいちょいユーモアをはさんでくる(笑)。
水谷:人生なにがあるか分かりませんからね。メイクルームを出た後に何か起こるかもしれないですから(笑)。
Q:水谷さんと及川さんは小西さんと共演してみてどんな印象を持たれましたか?
及川:明るくて、いい匂いがしました(笑)。
水谷:この役をやるために生まれてきたような方だなと。役なのか小西さん本人なのか区別がつかないほどでした。
Q:小西さんは本格的な警察官役。役作りで苦労されたことはありますか?
小西:元公安部で国際テロリストに向かっていたという凛々しさを感じてもらえるような、そんな佇まいでいられたらいいなと思って演じました。銃を扱うシーンもあるんですが、射撃のように形を作って構えるのではなく、動きや感情を伴いながらだったので、見ている方に手慣れていないと思われないよう、家で練習したりしました。
Q:小澤さん、國村さん、宇津井さん、『相棒』に参加した感想を聞かせてください。
小澤:テレビシリーズも見ていたので、『相棒』の世界に入れることを楽しみにしていました。小西さんとも初共演だったんですが、いい匂いがしました(笑)。
國村:水谷さんとは初めてご一緒させていただくので、楽しみにしていたんです。右京さんは特殊なキャラクターに見えるかもしれませんが、水谷さんの人柄から出てきたキャラクターでもあると現場で思いました。砕けてながらも背筋がスッと伸びている、見習いたいです。
宇津井:水谷さんとは1カットも一緒のシーンがなく心残りではありますが、私の出番の日に撮影のない水谷さんがわざわざ現場に来てくださって。その心遣いに感動しました。
Q:劇場版ならではの派手なアクションシーンはありますか?
水谷:今までの相棒になかったようなことが起きるんですが、言えないんですよね……。でも、すごいことが起きます!
和泉監督:日本で撮れないシーンをフィリピンで撮りますので、冒頭から凄いというシーンが出てくると思います。
【水谷豊のメッセージ】
水谷:今日はありがとうございました。『相棒 -劇場版II-』では素晴らしいゲストを迎えることができ、『相棒』ワールドは色濃くなっています。1作目の劇場版の時もそうでしたが、自信を持って言えるのは──『相棒』は見る人を裏切りません!