「FIFAワールドカップドイツ2006」アジア1次予選が今年2月からいよいよスタート。テレビ朝日では3月に日本とUAEで行われるアテネ五輪アジア最終地区予選、7月に行われるアジアカップなどを地上波独占放送するが、今回それらサッカーイベントの放送に先駆け、ドイツ代表GKとして活躍するオリバー・カーン選手(バイエルン・ミュンヘン)とメディアパートナー契約を締結。テレビ朝日のサッカーを中心とした様々なスポーツコンテンツのPR活動に参加することになった。そのカーンが今回緊急来日、「やべっちFC」などのサッカー番組に出演したほか、記者会見に出席した。
 テレビ朝日で行われた会見では100人以上のファンがテレビ朝日新本社アトリウムに殺到。ドイツ国旗を片手にカーンを出迎えると、カーンもそんなファンの声援ににこやかに片手を上げて応えながら来社。サイン入りグローブやミニボールをファンに向って投げ入れ、会見場へと入っていった。

 冒頭カーンは「再び日本に来られたことをうれしく思います。02年のワールドカップを思い返すと、素晴らしい記憶がいっぱい甦ってきます」と挨拶。「テレビ朝日との今回の契約は、テレビ朝日と自分と双方にとっての良い目的のために契約できたと思っています」と喜びを語ってくれた。
「やべっちFC」などの番組にゲストとしての出演も果たしたが、「テレビ朝日にはスポーツ番組、それもバラエティーという楽しい番組が数多くあることを知っている。そんなテレビ局と協力関係が築けたことは重要なことだと思う」と出演してみての感想を。
「これでヨーロッパのサッカーを見てくれる人が増えるのではないか、と期待しています。02年ワールドカップのときは、日本の皆さんがドイツ代表を歓迎してくれて、おかげで大きな成功を収めることができました。06年のドイツ大会でも日本代表に頑張って欲しいと思うし、その意味でも今回の私たちの契約は大きいと思います」。
 その日本代表へワールドカップ予選を勝ち抜くためのアドバイスを求められると、「今さらアドバイスなど必要ないでしょう。彼らはすべてにおいてプロ意識をもった選手たちですからね。確かに予選は難しくてハードだと思いますし、チャレンジする気持ちが必要です。我々ドイツ代表もプレイオフを勝ち抜いて本大会に進出したこともありましたから。でも、日本には素晴らしい選手は多い。問題なくワールドカップにいけるだろうと信じています」と、日本代表をほめちぎってくれた。

 また、サッカー選手としての今後の活動についてはこんな力強い言葉が。
「目標ははっきりしています。06年ワールドカップにドイツ代表のGKとして出場すること。そして、そのキャプテンとしていられること。特に今回はドイツで行われる大会ですからね。それが自分の任務だろうと思っています。あとバイエルン・ミュンヘンをもう一度マイスター、つまりチャンピオンにしたいと思います。できればワールドカップが行われる06年に優勝できればいいですね」。
「日本は好きだが、なかなかいろいろ見て回る時間がない」と残念そうに語るカーン。最後は自らのサッカーに対する思いを語ってくれた。
「スポーツ選手として貴重な経験がいろいろできるのもサッカーのおかげ。僕としてはサッカーの素晴らしさを伝えられればいいと思います。そして、それを聞いてくれた子供達がGKをめざすといってくれれば最高ですけどね。今の子供達にも自分のようにサッカーを楽しんで欲しい。でも、真剣に取り組むことも必要です。つまりはハードなトレーニングですね。僕としてはサッカーを通してしてきたいろいろな体験を伝えていければ、すばらしいことだと思います」。
 最後まで記者の質問に真面目に答えてくれたカーン。その毅然とした答え方はゴールマウスの前に立ちはだかる、堂々とした姿そのままだった。
■プロフィール
オリバー・カーン Oliver Kahn
1969年6月15日、ドイツのカールスルーエに生れる。
現在、ドイツブンデスリーガの名門チーム、バイエルン・ミュンヘンのゴールキーパーであり(同チームには1994年7月1日から所属している)、ドイツ代表チームのゴールキーパーも務める。2002年日韓ワールドカップではドイツ代表チームをキャプテンとして率い、チームを準優勝に導いた。
■主な表彰、受賞歴
  • 2002年ワールドカップ MVP、大会最優秀ゴールキーパー受賞
  • FIFA1999年、2001年、2002年度 最優秀ゴールキーパー受賞
  • 2001年度、チャンピオンズリーグ優勝
  • 1996年度、UEFAカップ優勝 ほか
趣味はゴルフ、株取引、読書。
モットーはネバーギブアップ。
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