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2013年11月7日

“特別養子縁組”の現状と課題

“特別養子縁組”の現状と課題

親が育てられない6歳未満の子どもを、血縁関係のない他人の夫婦が“実子”として育てる『特別養子縁組』という制度。今、この特別養子縁組で、「子どもを養子に出さざるを得ない」親が増えると同時に、「子どもを受け入れたい」と希望する人が増えている。民間団体の調査で「養子に出したい」との相談件数は705件。逆に「受け入れたい」との相談は1588件に上り、いずれも過去最高となった。

先月15日、体重2486gで生まれた「かいりくん」。“生みの親”であるAさん(31)は、出産前から、子どもを養子に出すことを決めていた。Aさんが妊娠に気づいたのは、今年の夏で、中絶をできる時期は過ぎていた。子どもの父親は、半年前まで交際していた男性。協力を求めたが、「別の女性と結婚を考えている」と言われたという。Aさんは、母親の介護や、蒸発した父親の借金返済などがあり、子どもを育てるのは無理と判断し、民間NPO法人を通じた特別養子縁組を選んだ。Aさんは、「生まれてくる子どもが一番幸せになれる方法だと思った。離したくないけど、生まれて一緒に過ごせたという事実があってよかった」と話す。

特別養子縁組は、家庭裁判所による聞き取り調査などを経て、約1年以内に成立する。成立すると、親子関係は、法律上、完全になくなる。養子あっせんを行うNPO法人『Babyぽけっと』の岡田貞子代表は、「望まない妊娠は、悲劇にもつながる」と話す。去年1年間、虐待による子どもの死亡者は58人(厚生労働省調べ)。半数は、1歳未満で命を奪われた。加害者の多くが実の母親だった。岡田さんは、「必ずしも生みの親が育てたほうが幸せとは言えない」と話す。Babyぽけっとでは、女性たちの出産費用などを立て替え、出産後、“育ての親”に支払ってもらう。その総額は、最低30万円以上。NPOの運営はギリギリで、国からの補助は一切ない。養子あっせんは、公的な機関である児童相談所も担っているが、機能していないのが現状だ。子どもの問題に取り組むNPO法人『フローレンス』の駒崎弘樹代表理事は、「児童相談所は、日々起きている虐待で手がいっぱいで、特別養子縁組まで手が回らない。民間のあっせん団体が、育てられない女性の唯一のセーフティーネットになっている」という。

かいりくんは、生みの母親と別れた5日後、初めて“育ての親”と会った。

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