世界の車窓から

トップページ > 撮影日記

インド編 撮影日記

アムリトサル発の夜行列車
夜行列車はお祭り騒ぎ
1か月をかけてインドを巡る旅もいよいよ後半戦。車窓のロケは移動の連続のため、ホテルの連泊がほとんどない。今回、行く先々のホテルで出くわしたのが結婚式だ。 11月、暑さも和らいだインドは結婚式のシーズン。インドの結婚式は盛大に行われ、3日間続くこともあるそう。まさに、お祭りのようで、ホテルの中庭やホールを貸し切り、豪華な食事が用意され、花火が上がり、踊り、歌う。会場は両家の親戚が親睦を深め、多くの人の笑顔が溢れていた。ホテルに帰るたびに、おめでたい気持ちを共有でき、ほっこりしたが、夜通し行われる宴の歓声で眠れない時もあった。
インド人は夜型の人が多いようで、それを垣間見たのが夜行列車だ。私たちはパンジャーブ州最大の都市アムリトサルから、700キロ南にあるラジャスタン州の州都ジャイプルまで向かう夜行列車に乗車。2等寝台の料金は3000円ほどで、広い国土のインドでは、大都市間を結ぶ夜行列車が重宝されており、家族旅行や巡礼の旅、出張などに使われている。
午後9時、夜行列車の車内はカレーを食べたり、スマホで映画を見たりと乗客たちは思い思いの時間を過ごしていた。その様子を撮影しようと、まずは乗客に許可をとることから開始。コーディネーターが撮影してもいいかと確認すると、乗客たちは一様に首を横に振る。夜行列車に乗る人はシャイなのか?撮影ができないかもしれないと不安になったが、どうやら撮影はOKのようだ。後からコーディネーターに聞くと、インド人は話を聞いてOKの時には、首を縦に振るのではなく、横に振るそうだ。
ほぼ満席の列車で、ひと際にぎわっていたのが3等車だ。出会ったのは、これから結婚式に向かうという20人ほどのグループ。結婚式で披露する歌の練習をしていた。余興 の練習はエスカレートし、太鼓やタンバリンを打ち鳴らし、演奏の練習まで始まった。インドの夜はまだまだこれから。今日も眠れないかもしれない。
ディレクター 山本和宏
2等寝台の乗客たち
結婚式にむけて練習中