放送したお宅
2011年7月8日(金)放送
東京都世田谷区・松田邸
− 緑道沿いの奥深い家 −

2009年11月

敷地面積 101平米 (31坪)
建築面積 60平米 (18坪)
延床面積 167平米 (51坪)
木造軸組工法
建築費:非公開 坪単価:非公開



北面で接道する幅わずか4mの敷地。小さく見えますが、奥行きが22mもある長いウナギの寝床形敷地です。前面の道路は遊歩道もある桜並木となっています。

玄関を入ると、正面に中庭。細長い建物で暗くなりがちな北側の部屋に光と風をもたらします。弧を描く上がり框がユニーク。エレベーターを設置しています。

1階南側は奥さんが営むトリミングショップ。大きな看板を出しているわけではありませんが、近隣の愛犬家のサロン的存在。テーマカラーは「ピンク」です。

3階北側にある水回り。桜並木を上から眺める絶景の浴室です。壁の一部には「赤」を入れています。

3階南側は、広さ約22畳大のLDK。天井を高めに、さらに窓を隣家の存在を意識せずに済む位置に設け、建て込んだ住宅地とは思えない広がりを演出しています。

台所は、食堂・居間を見渡せる対面型。上はロフトとなっていて、奥さんが趣味の洋裁・編み物を楽しむスペースとなっています。

2階は、3つの個室のあるフロア。一番南の主寝室のテーマカラーは「濃紺」です。真ん中の部屋は、中庭に面した明るい子供室。テーマカラーは「水色」です。

2階の一番北側は、ご主人の書斎。広さは約8畳大で、テーマカラーは「白」です。窓いっぱいに桜の木が広がります。

建築家のプロフィール
吉原健一
1963年 京都生まれ
1986年 関東学院大学工学部建築学科卒
卒業設計ディプロマ賞、三越ファニチュァコンペ入選
1986年 北川原温建築都市研究所勤務
1992年 商環境デザイン賞入選
1993年 光風舎1級建築士事務所 設立
1995年 京都市HOPEすまい文化賞受賞
共著
住宅作家になるためのノート(彰国社)
間取りプランのつくり方(ナツメ社)
老いの発想で家づくり(彰国社)

光風舎一級建築士事務所
所在地 東京都品川区西中延2-4-2
電話 03-6677-7370
FAX 03-6315-2275
E-mail info@koufusha.com
URL http://www.koufusha.com

建築家の一言
1階は奥さまが経営されるワンちゃんのトリミングショップ、2〜3階にご家族4人が住まわれる、木造3階建ての都市型住宅です。
幅4m奥行22mと細長い路地状の敷地です。全面のみ桜並木の緑道に面し、3方はぐるりと隣家に取り囲まれています。桜並木を室内より愉しめるように、また建物の真ん中に中庭を設けそこから光と風を取入れ、建て込んでいても廻りの視線を気にすることなく心地よい空間が得られるように計画しています。
渡辺篤史の感想
幅が狭く奥行きが深い都市らしい敷地の建物ですが、見せ場がたくさんあります。
1つ目は、お風呂。桜並木に面した立地を存分に活かし、季節ごとの絶景を眺めながら入浴できます。
2つ目は、3階のLDK。幅の狭さを天井の高さと窓の採り方で、明るく広々とした空間にしています。
そして3つ目は、中庭。暗くなりがちな北側の部屋に光と風をもたらします。
若い家族が生活をおくる舞台となる清々しい建物でした。