2010年7月23日(金)放送 東京都武蔵野市・加藤邸 − 庭を見上げる家 − |
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村田 淳 | ||||||||||||
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村田淳建築研究室 | ||||||||||||
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住まい手の要望は、家族が集まる空間をリビングとは別に地下に設けること、そして来客時に人の居場所が多く生まれること、そして緑を楽しめることでした。ただ、地下は暗く閉鎖的では場所の性格としてふさわしくなく、ふだんの生活の延長として気軽に行けるようにしたい。そこで、リビングを半階下げたスキップの構成とし、内外の立体的なつながりと家族同士の結びつきを求めて空間構成を定めています。 1階は、建具を開け放して庭とひとつながりに使えます。半地下のリビングは1階と地下をつなぐ大きな空間で、地下に光と風をもたらします。大きなはめ殺し窓を通して庭とも結ばれ、四季の移り変わりや収穫の楽しさを、日々の生活にもたらしてくれるでしょう。 2階は個室と水廻りで、トップライトを持つ明るいホールから各部屋に至ります。それぞれの部屋からは、欄間のガラスを通してトップライト越しに空が見えます。 このように、単純な印象の外観からは想像しにくい変化に富んだ家となっています。 |
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方形屋根の下に様々な空間が凝縮された建物です。1階の食堂・台所、半地下の居間、地階の書斎・和室が一体となって、立体的な居住空間を構成しています。どこに身を置いても、丹精込めた庭の植栽を楽しむ事ができます。庭を見上げるという体験も楽しいですね。屋内と屋外、部屋と部屋、空間と空間の繋がりが実に見事な家でした。 | ||||||||||||