2010年4月23日(金)放送 千葉県鎌ケ谷市・松岡邸 − 公園の緑 木の香り チェンバロの音色 音楽ホールのある家 − |
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龍口元哉 | ||||||||||||||||||||||||||||
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龍口元哉建築設計事務所 | ||||||||||||||||||||||||||||
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敷地は公園を見下ろす斜面の上に位置し、立木の緑が敷地内部まで繋がる恵まれた環境の中にあります。
ささやかな住まいと音楽を楽しむ為のスペースの併設、それが建主ご夫妻からの要望でした。音楽ホールは日頃の演奏の場として使用するとともに、チェンバロ奏者であるイタリア在住の娘さん(※)が帰国した際に、発表の場として活用する機能も求められました。 建物全体は、ボリュームのある大屋根と、その空間を取り囲む形の平屋部分で構成されています。 音楽ホールの床は敷地の形状に従いながら徐々に下がり、天井はロフトから開口部、軒先へと繋がり、視線は自ずと公園側の自然へと導かれます。 平屋の範囲には主に住居部分が配置され、各部屋が連続したコンパクトな生活空間になっています。 音楽を楽しむ「ハレ」の空間と、日常の生活の場である「ケ」の空間が分断されない様に、各々の関係が視覚的に緩やかに繋がる工夫をしています。 室内外の仕上げには木材を用い、特に外壁の仕上げには、無塗装で鉋を粗がけしただけのレッドシダー材を用いました。あえて手を施さない事で、時間の経過と共に変化し、味わいの増す様子をご夫婦のこれからの生活と一緒に楽しんでもらいたいと思います。 ※チェンバロ奏者:松岡友子 http://www.fsinet.or.jp/~myweb/tomo/ |
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ほぼ平屋と言っても良い大らかな建物です。大窓の向こうに公園の木々が眺められます。癒される風景です。そして、建物の中で最大のヴォリュームを占める音楽ホールですが、チェンバロ、ピアノ、そしてチェロなどのコンサートを開くことのできる空間です。隣接する和室とロフトも観客席になりますから、観客はかしこまらず自由な姿勢で音楽に親しむことができます。非日常的空間を日常的に味わえる建物です。 | ||||||||||||||||||||||||||||