放送したお宅
2010年4月16日(金)放送
神奈川県横浜市・安藤邸
− 焦茶色の三段リビング 空に近づく高台の家 −

2008年9月

敷地面積 147平米 (45坪)
建築面積 47平米 (14坪)
延床面積 87平米 (27坪)
木造
建築費:2000万円 坪単価:75万円



横浜を見渡す高台に立つ建物。外壁には焼杉板を使用。杉板の表面を焼き、炭化することで、防火性・耐久性・防虫などの効果がある。

玄関を開けると12畳の作業室。夫婦二人のための書斎、趣味室です。

扉の中には、寝室と水回り。寝室の壁の一部は深い青。開口を最低限におさえて、落ち着ける空間に。

淡い水色の水回り。安藤邸は、場所ごとにテーマカラーを設けました。部屋ごとに気分が変わります。

2階は21畳、天井高3.6mの大空間LDK。3つのスキップフロアが、ダイニング、リビング、風景を楽しむフロアへと、生活の用途を緩やかに変化させます。

北側一面には、黒板塗装を施した扉。中にはキッチンを収納してます。赤い壁とレンガが印象的です。

階段の下は収納。デッドスペースを有効利用しています。

安藤邸の南側、一番高いところには、風景を楽しむためのフロア。そこには物見台が作られています。

建築家のプロフィール
吉岡寛之、飯山千里
吉岡寛之  
1976年 東京都生まれ
2001年 日本大学大学院理工学研究課修了
2001〜2007年 株式会社 みかんぐみ
2007年〜 株式会社 計画・設計工房
2007年〜 吉岡寛之建築設計事務所 開設
2000年 10+1 No.21 特集=トーキョー・リサイクル計画 作る都市から使う都市へ 団地再生計画
(みかんぐみ+田中皇彦+吉岡寛之+川元美奈子+近藤創順 発行:INAX 出版)
2001年 団地再生計画/みかんぐみのリノベーションカタログ
(加茂紀和子、曽我部昌史、竹内昌義、マニュエル・タルディッツ、 田中皇彦、吉岡寛之
 発行:INAX 出版)
2000年 うつくしま未来博覧会エコファミリーハウス国際設計コンペ 最優秀賞
(吉岡寛之 山寺美和子 黒川泰孝 立川博之 と協同)

飯山千里  
1977年 群馬県生まれ
2002年 日本大学大学院理工学研究科修了
2003〜2007年 株式会社みかんぐみ
2007年 飯山千里建築設計事務所開設
2000年 うつくしま未来博覧会エコファミリーハウス国際設計コンペ 最優秀賞
(吉岡寛之 山寺美和子 黒川泰孝 立川博之 と協同)

吉岡寛之建築設計事務所
連絡先 162-0041 東京都新宿区早稲田鶴巻町570益川ビル4F
TEL 03-3202-5841
E-mail h-y@fa2.so-net.ne.jp
 
飯山千里建築設計事務所
連絡先 376-0011 群馬県桐生市相生町2-156-C
(御徒町分室)111-0056 東京都台東区小島1-14-8-3F
TEL 0277-55-5556
FAX 0277-55-5557
E-mail mail@iiyamachisato.com
URL http://www.iiyamachisato.com/
 
建築家の一言
「高台」という、この土地自体の性格を引き延して、前庭、玄関、ダイニング、リビングと、徐々にのぼってゆくようなスキップフロアとしました。

地面(前庭)から空(眺望)へと連続する、このスキップフロアを「の」字型に立体的に折り曲げることにより、ワンルームの中で様々な状況をつくり出しています。のぼっていくごとに視点が変化するので、距離感が変化し居場所どうしのいろいろな関係性が生まれます。また窓枠が切り取る風景は、ダイニングからは空をあおぎ、リビングでは街へと広がります。

住まい手が、家具や玩具、CDや書籍などのたくさんのコレクションを並べ、このあらたな地形を楽しみながら自分のものとして住みたおしてくれたことは、設計当初からの期待が実現し、本当に感謝しています。
 
渡辺篤史の感想
ご主人は車の内装デザインを担当していて、常に『使いやすくて美しい』を目指しています。それはこの建物にも共通しています。玄関を入ってすぐにご夫婦の趣味室でありワークスペースでもある作業場。2階に上がるとすぐに黒板が見えます。この中には、キッチンが収納されているんです。黒板扉を閉めれば生活感が排除されて、2階全体がリビングになります。大階段を上がると素敵な眺めがあります。使いやすくて、精神的にも癒されるすばらしい建物です。