放送したお宅
2008年12月28日(日)放送
神奈川県横浜市・赤木邸
−仲間とワインパーティーを 犬と暮らすガレージハウス−

2008年1月完成

敷地面積 95平米 (29坪)
建築面積 44平米 (13坪)
延床面積 108平米 (33坪)
木造軸組+RC壁式構造
建築費:2833万円 坪単価:86万円



敷地の高低差を利用して建てられた家。上階に行くほどフロアが広くなる形が特徴。奥さんの愛車の色と、外壁の色を合わせました。

1階はご主人の愛車を眺める玄関兼ギャラリー兼ワークスペース。将来の子供部屋としても使える自由な場所です。

車の中がお気に入りの愛犬レオンは、おとなしい性格。レオンが歩き回れるように、室内は間仕切りのない構成になっています。

2階は南面の大窓から光が入る、広さ24畳・天井高3.5mのワンルーム。犬の毛が目立たないように室内は白で統一しました。

2階は中央に位置する階段を挟んで、西側にダイニングとキッチン。長さ3mのキッチンカウンターでは、友人と一緒に料理を楽しめます。

階段の東側にはリビング。トップライトから光が差し込みます。ロフトは友達が泊まれるように布団を用意。ロフトへ上がる階段下の収納は、ベンチとしても使用可。

地階には約7畳のコンクリートの天井が、面白い表情を作り出す寝室。友人が来た時はカーテンで仕切って使えます。1階とは別の出入り口も確保されています。

斜めの壁が広がりを生む浴室。駐車スペースの丸いガラスブロックは、地階の浴室に光を落とす工夫です。

建築家のプロフィール
中辻 正明+中辻 雅江
中辻 正明
1964年   兵庫県生まれ
1989年   京都大学工学部建築学科卒業
1991年   同大学院修士課程修了
1991年〜1996年   早川邦彦建築研究室
1996年   中辻正明・都市建築研究室設立

中辻 雅江
1967年   神奈川県生まれ
1990年   東京理科大学工学第二部建築学科卒業
1990年〜1998年   キタムラ・アソシエイツ
1999年   清水建築設計室設立
2002年〜   中辻正明・都市建築研究室と共同


 
中辻正明・都市建築研究室
連絡先   東京都渋谷区恵比寿西1-3-5-601
TEL   03-5459-0095
FAX   03-3477-0095
E-mail   m-naka@mxj.mesh.ne.jp
URL   http://www2u.biglobe.ne.jp/~m-naka/
 
建築家の一言
愛犬と楽しく暮らし、愛車を眺め、たくさんの友人が気軽に訪れる家づくりを、若い建て主夫婦とともに目指しました。丘陵地の中腹に建つこの住宅へは、急勾配の私道でアプローチします。私道は敷地奥で階段となるので、車を切り返せるポイントは限られます。複数台の駐車と愛車を室内に入れたいという要望もあり、優先的に車の配置を決定しました。建物平面に占める車の割合が大きく、フロア中央に直階段があるシンプルで無駄のない構成としています。RC造の地階は寝室と水廻りをコンパクトにまとめました。木造の2階とロフトは人が集える大きな気積のオープンスペースです。車のギャラリーとなっている1階は曖昧な造作にとどめ、将来、子供室へ転化する余地を残しています。積層した都市住宅ですが、各階に間仕切りが無いので住宅全体がひとつにつながっています。家族が一緒に過ごせる、互いの気配が感じられるワンルーム空間となるように考えました。上が大きく下が小さい建物ボリュームの斜めの壁は、内部に広がりを与え、外部ポーチの大きな庇となる以上の効果があります。セットバックした建物の足元角には光が回り、見通しや風通しの良さを周囲にもたらしています。
 
渡辺篤史の感想
坂をのぼった高台にある建物です。2階のワンルームは色々なところに大窓・小窓があって明るいですね。東側トップライトから光が、壁の傾斜と一緒に2階から地階まで落ちてゆく。1階のガレージでは愛車を大事にしています。また愛犬レオンちゃんのことも考えて設計されていますよね。さらに友達を招き入れるというコンセプトが、この建物を大らかにしている。そんな感じが致します。