2006年10月22日(日)放送
埼玉県春日部市・中澤邸
− 全部が居間で全部が浴室? 箱の中に箱がある家 −
2005年12月完成
敷地面積 143平米(43坪)
建築面積 62平米(19坪)
延床面積 83平米(25坪)
木造軸組在来工法
建築費:1678万円
坪単価:63万円



石の庭がダイナミック。所々の敷石は元は都電の敷石。建築家が同時期に担当した現場から譲り受けたものです。

室内に入ると家全体がワンルームのよう。箱の中にいくつかの箱が置いてあるような印象です。

1つ目の“小箱”はお父さんの個室。中は意外にも和室です。

ロフトはジュエリー作家である娘さんのアトリエ。ここで原型を作って、お父さん経営の工房で完成させます。親子のコラボレーション!

家の半分を占める広〜い土間と南面の大きな開口が印象的。全てのデザインが四角で、統一感があります。

居間のテーブルはサイズを3通りに変えられます。この家に建て替えてから来客が増えたそうです。

お父さんは大の野球好き。お風呂に入りながらテレビ観戦できるようオープンな浴室です。『家全体が浴室』とも言えますね。

娘さんの個室は3畳とコンパクトですが、ゆっくり休めそうです。

白井 亮+小林 良+平山裕章
白井 亮
1976年   愛知県豊橋生まれ
1999年   東京藝術大学美術学部建築科卒業
2001年   東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修了
2001年   京都造形芸術大学非常勤講師、プラネットワークス、(有)三浦慎建築設計室勤務
2005年   設計 共同体 ARCHITECT * MACHINE 始動
2006年   アトリエ アーキクラフト設立
     
小林 良
1976年   茨城県生まれ
1999年   東京理科大学理工学部建築学科卒業
2001年   同大学大学院理工学研究科建築学専攻修了
2001年   (有)加藤隆久都市建築事務所勤務
2003年   一級建築士事務所デザインスペック設立
2005年   設計 共同体 ARCHITECT * MACHINE 始動
     
平山 裕章
1975年   山口県生まれ
2002年   東京藝術大学美術学部建築科卒業
2003年   (有)三浦慎建築設計室建築勤務〜現在
2005年   設計共同体 ARCHITECT * MACHINE 始動
     
ARCHITECT*MACHINE代表連絡先
E-mail   architect_machine@yahoo.co.jp
 
白井 亮
(連絡先)   建築+陶芸工房 アトリエアーキクラフト
住所   東京都葛飾区四つ木4-26-1
TEL   03-3692-9225
FAX   020-4663-4348
E-mail   archi-craft-r@pro.odn.ne.jp
URL   http://www.atelier-archi-craft.com/
 
小林 良
(連絡先)   一級建築士事務所デザインスペック
住所   東京都足立区千住龍田町17-12
TEL   050-7547-1979
FAX   020-4622-2590
E-mail   koba@design-spec.net
URL   http://www.design-spec.net
 
平山 裕章
(連絡先)   アンフォーマット
住所   東京都文京区根津1-24-3-101
TEL&FAX   03-3827-0732
mobile   090-4134-4383
E-mail   un-format@work.email.ne.jp
 
 ジュエリー職人の父と、ジュエリー作家の娘、そして猫2匹が暮らす家です。築30年を超えた木造2階建ての分譲住宅から、「日当たりが良く細かな区切りのない空間」を求めての建て替えでした。
 ひとつの大きな空間に、寝室・トイレ・浴室などを最小限の広さで内包させること。また、正方形の敷地を南北へ4分割し、それぞれの領域に、座敷・土間・庭・駐車場という役割を与え、それらの間に視線・活動の拡張として大きなつながりをつくることを目指しました。
 座敷と土間の間に設けた400mmの段差は、ひとつの大きな空間を区切りながらも、そこへ腰掛ける事によって、座敷に上がる・土間に下りるなど次の動作への「きっかけ」をつくりだし、空間領域を変化させながらつなげてゆきます。
 このような構成により、コンパクトな機能空間を流動的に建物や敷地全体と結びつけることで、空間を物理的に仕切るのではなく、時々刻々と変化する動作・空間が、常に全体へと働きかけるような仕掛けを試みました。
 
築30年の建売住宅の建て替えです。以前暮らしていた建物では、普段使う部屋は決まっていてデッドスペースが多かったそうです。その“反省”から生まれた大胆な空間構成。36畳の“箱”の中に寝室を2つ、水回り・台所を無駄なく配置しました。平面の半分を占める土間は多目的空間です。
もはやデッドスペース・ゼロ。自由な発想から生まれた文字通り家全体を“我が物”にすることができる家です。