2003年4月12日放送
東京都世田谷区・三橋邸
−家を建てようね!がプロポーズ−

2002年11月 完成
敷地面積 225平米(68坪)
建築面積  89平米(27坪)
延床面積 137平米(41坪)
木造2階建て
建築費:3200万円         坪単価:78万円


三橋さんのお宅は玄関までのアプローチが長い旗竿型敷地に建つ建物。三橋さんは新婚ホヤホヤのご夫婦。新婚生活を送るための建物です。外観の色合いは街並みに溶け込む落ち着いたデザインになっています。門の外壁には雨に強いレッドシダーを使用しました。


玄関は広々としたスペースを確保。玄関ホールの両脇には子供室と寝室の個室も設けています。玄関ホールの奥には存在感のある大階段が設置されていました。左右どちらからでも利用でき、上り下りが楽しくなりそうです。


玄関には横長の土間スペースもあります。土間から個室への出入りも可能。個室の土間側は全て回転扉におなっています。個室は回転扉1つで開放的な空間へと生まれ変わります。

浴室はご主人こだわりのスペースです。こだわりのスペースだからこそ、綺麗にしておきたいもの。掃除もご主人の担当。バスタブ横の窓からは坪庭のキンモクセイを眺められます。

2階の居間、食堂、キッチンは合わせて28畳の大空間。吹き抜けからは玄関の土間を見下ろせます。

リビングにはお洒落な家具でまとめられています。置かれているもので目に付く色が「緑」。奥さんの大好きな色だとか。棚に置かれた陶器などは新婚旅行で訪れたバリで購入してきたもの。結婚と家造りが同時進行というあわただしさだったため、新婚旅行も新居インテリアの買い付け旅行にだったそうです。

キッチンはオープンなものを希望されました。カウンターでは食事も取れるようになっています。すっきりさせるために収納スペースもたっぷり確保。

デッキも設置。植栽はオリーブを選ばれました。ここからは隣家の立派な桜の木が望めます。桜の咲く季節に友人も招いて花見をされる予定だとか。


中尾 英己(なかお ひでみ)

1967年 東京生まれ
1991年 東京理科大学理工学部建築学科卒業
1993年 東京理科大学大学院理工学研究科建築計画学専攻修士課程修了
1993〜1999年 株式会社 エフ・ピー・エー 勤務
1999年 有限会社 中尾英己建築設計事務所 設立

東京建築士会 会員(青年委員会 委員)


受賞歴
1991年 東京理科大学理工学部建築学科卒業設計 卒業設計最優秀賞 受賞
2002年 第47回神奈川建築コンクール住宅部門 「奨励賞」 受賞


有限会社 中尾英己建築設計事務所

〒101-0051東京都千代田区神田神保町3-4-4 九段下ビル3F
TEL:03-5216-3306
FAX:03-5216-3307
E-MAIL:info@nakao-architect.co.jp




敷地は閑静な住宅街のいわゆる旗竿形状の土地です。周辺環境と採光・換気・眺望等を考慮し、キッチン・ダイニング・リビングを2階へ、1階北側には水廻り・収納、南側には吹抜を設け、この吹抜に面して主寝室・子供部屋(当面は客室)を配置しました。玄関を入ってすぐ約11帖の土間、その上部は南側からの採光確保の吹抜。開放的で、ほぼ建物内の空間がほぼ一体化した設計としております。
しかしながら、空調効率や生活ステージ毎の変化に対応できるように、主寝室・子供部屋には全回転扉を設置し、様々な変化に対応できるようにも計画しました。
また、「細かい間仕切りを設けないで欲しい」との要望から、各個室間には閉塞的な壁を設けず、ガラスと構造材のみを表出させ、将来、視線の調整が必要な場合でもロールスクリーン等を設置できるようにも計画していています。2階の各部屋は、視線が通る一つの大きな空間としていますが、中央のリビングをテラスと連続した床仕上材やルーバーを用いて、緩やかに部屋を分ける設計としています。

三橋さんは30代前半、新婚生活をこのお宅にお住まいです。この建物は和風モダンという言葉にひとくくりにできないような感じが致します。これからの生活の可能性も意識した設計となっています。舞台では演目によって背景が問われます。人生という舞台の背景と考えても、非常に柔軟性を感じました。今まで多くの家を拝見しましたが、まだまだ建築の可能性を感じさせてくれるお宅でした。