2000年4月1日放送
東京都世田谷区・関邸

―都心27坪 竹の中庭!光と風の家―
1988年4月完成
敷地面積 88平米 (27坪)
延床面積 103平米 (31坪)
木造軸組工法 3階建て
建築費:2436万円 坪単価:78万円


玄関ドアを開けると、目の前に青竹。年間を通じて、緑を楽しめます。交通量 の多い道路に面しているので、「外側は閉鎖的に、内部は明るく開放的なつくりに」という建築家の提案で、吹き抜けた中庭がつくられました。

玄関の上り框にはベンチを置いて、出勤、帰宅の際に竹を眺めて楽しみます。来客時にも、使っています。

玄関ドアの高さは、190センチある御主人の身長に合わせています。格子の柄で外から柔らかい光を採り込みます。

玄関ホール壁の下部に吐き出し窓。風通しもよく快適な空間となっています。

バスタブも大きめのものを選び、ゆったりくつろげます。横長のフィックス窓から、坪庭が眺められます。

およそ10畳の寝室。奥の収納は、棚も利用してたっぷり使えます。

寝室にブラインド付きの大窓を設けました。窓を開ければ、庭と一つの空間となります。

吹き抜けの竹が眺められる、2階リビング。友人を招いてパーティーを楽しめます。

リビングの中央に、掘り炬燵のある畳コーナーを設けました。布団を掛けなくても、ふくらはぎから温まります。掘り下げた分が下の寝室の天井部に出っ張りを残しましたが、デザインで自然に見せています。

ダイニングコーナー。中庭を眺めながら、食事が楽しめます。

 横山彰人
1949年生
1972年日本大学理工学部建築科卒 一級建築士
小崎嘉昭建築設計事務所を経て1979年現事務所を開設

連絡先 横山彰人建築設計事務所 03−3348−2808

騒音やプライバシーを守り、外でありながら半内部、半外部的な空間をつくろうとすると、都市における住まいでは、中庭(コートハウス)手法をよく使います。
この関邸は、思い切り三層吹き抜けの“光の井戸”の中に6m近い竹を植え込み、インドアガーデンにしてみました。光の井戸の周りには、主寝室、リビング、ダイニング、子供室と全ての居室がとり囲み、家族の行動や気配を全て感じることが出来ます。
仕事から、いつも夜遅く帰ってくる関さんは、帰り道遠くから見える3階の子供室の明かりを見、玄関に入ると、ベンチに座って、暫くぼーっと、竹林を見上げているそうです。竹林の周りの部屋の明かりを見て、その先の星空を見上げると、とても心が癒され、元気が出てくると言います。
どんな条件の悪い敷地であっても、溢れる光、風、緑、そして家族がどこにいても視線、明かり、音など、気配を感じることが出来る濃密な空間をつくろうといつも考えています。
関邸もそうですが、回遊性のある平面構成も、それを実現しうる手法としてよく使います。1本の花や木でも、一方からしか見えないより、移動することによって、四方から見えたり、リビング、ダイニングルームなども、一方からしか出入りできないよりはグルグル回れる方が空間として奥が深く、楽しいと思うからです。
内装材は、マジックコートコテ塗り仕上げとし、出来る限り自然の素材と、手作りの温もりを大切にしています。トップライトからの光は、時の流れに従って、コテ塗りの陰影を浮かび上がらせ、四季の移ろいを感じることが出来ます。

設計家に「物を置かない生活」と「明るく風通しのよい家」と要求して、つくられた建物です。中庭を配することで、広がりある快適な建物ができましたね。身長の高いご主人を基準にして、ドアの高さや階段の幅が考えられ、広がりある空間がつくられたわけですが、基準をどこに置くかによって、建物や全体の生活環境が変わってくるなと感じました。