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#25 迷子になっても安心な場所
 「見てあれがロッキー山脈よ」「下を御覧なさい!グレートソルトレークがあるから!」ソルトレークシティに向かう飛行機の中、隣に座った老夫婦が期せずして私の専属ガイドになってくれた。バカンス帰りでソルトレークシティに戻るというこの2人、結局空港に着くまでの2時間、「君のコートを棚にのせようか?」「何か飲みたい?」と、本当に親切な方達で驚いた。

 でも街に入ってさらに驚きました!親切なのは街の人みんなだ!例えば取材で道に迷った時があったがどこからともなく人が来て目的地まで我々を”連れて”いってくれる。街頭インタビューを拒否する人は一人もいない。道で目が合ったら必ず満面の笑み・・・・。そう、これには理由があったのです。

 ソルトレークシティの市民のほとんどがモルモン教徒。実はここの教えに「助け合いの精神」がある。人々は忠実にその教えを尊重し常に親切心を忘れないのだ。当のアメリカ人が「ここは一番親切な街」というソルトレークシティ。ホスピタリティとオリンピックの融和が実現すれば、この街で開催された意義も大きくなる。テロへの警戒で厳重すぎる警備に辟易している時には市民の笑顔が癒してくれた。この気持ちはここへ来て見ないとなかなか芽生えないものだなぁ。あっという間の17日間が終わりました。次の冬のオリンピックはイタリアのトリノです。どんな街なのかなぁ。