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#286(2008.04.26 OA)

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いきなりの主演デビュー&引退、伝説のテレビドラマ秘話…
俳優・水谷豊の知られざる素顔を特集!!

「今夜のSmaSTATION!!は、最高視聴率40%を超えた『熱中時代』、そして『傷だらけの天使』などなど、いままで数々の伝説的なドラマに出演し、いま現在も『相棒』というヒットドラマに出演している水谷豊さんの知られざる素顔に迫りたいと思います!」。2008年5月1日、遂に公開されるG.W.の超話題作『相棒〜劇場版〜絶体絶命42.195km 東京ビッグシティマラソン』。主演はもちろん、水谷豊さんです。今夜は、デビューから40年以上、円熟味を増しつつ、いまなお俳優として進化し続ける水谷さんをゲストにお迎えして、衝撃のデビュー秘話や伝説的ドラマの舞台裏など、知られざるエピソードの数々を大特集しました。16歳という若さでテレビドラマの主演デビューを果たし、その翌年の1970年には岩下志麻さん主演の映画『その人は女教師』でスクリーンデビューも成し遂げたという、役者として輝かしいスタートを切った中での引退決意、2年のブランクを経ての復帰、萩原健一さんと共演した伝説のドラマ『傷だらけの天使』出演、親友・松田優作さんとの出会い、「本物の教師になってみよう」と決意して臨んだ『熱中時代』、国民的アイドルとの結婚、そして『相棒』誕生秘話…。「(昔の出演作を見たりすることは)ほとんどないです」とおっしゃっていた水谷さんですが、ひとつひとつの映像を楽しそうにご覧になっている姿が印象的でした。「俳優の仕事は、やってもやっても、終わってしまうと何もやってない気がしてたんですね。こんな風に見るの初めてなんですけど、ああ少しは仕事してたんだ、っていう風にやっと思えました」と水谷さん。すかさず香取編集長は「いやいや、だいぶお仕事していますよ!」とツッコんでいましたが、水谷さんの出演作はいまも多くのファンの記憶に残る作品ばかり(大下アナも水谷さんが歌っていた『熱中時代・刑事編』の主題歌『カリフォルニア・コネクション』のシングルを持っているそうですし…)。いつの日か、編集長と水谷さんがタッグを組んだ共演作も見てみたいですよね。次週、5月3日放送は、『ゴールデンウィーク特別企画・明日行きたくなるサービスエリア』&『月イチゴロー』をお送りします。必見です!!

水谷豊特集

2008年5月1日、遂にあの人気ドラマの劇場版が公開されます。
「『相棒』〜劇場版〜絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン」です。
2000年に単発ドラマとして放送するや、瞬く間に反響を呼び、
現在では 第6シーズンまで製作される大ヒットシリーズとなっています。
その『相棒』の主演はもちろん、水谷豊さん。
デビューから 40年以上、円熟味を増し今なお進化を続ける水谷豊さん。
今夜のスマステーションは、そんな水谷さんの衝撃のデ ビュー秘話、
数々の名作ドラマの舞台裏での知られざる苦悩な ど、知られざるエピソードに迫ります。


スマステーション特別企画 秘められた伝説シリーズ 「水谷豊〜知られざる素顔に迫る〜」

伝説@ 「『相棒』大ブレイクの秘密!」

シーズン1、2、3とシリーズを重ね、つい にこの春、シーズン6の放送が終了した水谷 豊さん主演の大人気刑事ドラマ『相棒』。そ もそもこのドラマがスタートしたのは2000年 のこと。2時間枠の単発ドラマとして3作品 が放送されるやいなや、大反響を呼び、2002年 からはレギュラー番組としてシリーズ化され ています。ドラマで水谷さんの“相棒”を演 じているのが寺脇康文さんですが、この名コ ンビの誕生の裏には、ある秘密がありました。

「(テレビ朝日の)『土曜ワイド劇場』で水 谷さんとは、『探偵事務所』というシリーズ をやっていまして、一方で僕は寺脇さんとは 全然別のシリーズを作っていたんですね。そ んな時に、寺脇さんが実は水谷豊さんの大フ ァンで、水谷さんに憧れて俳優になったので、 ぜひ、水谷さんと一緒にやらせてくださいと 言うようなことがあったんです」(『相棒』 シリーズチーフプロデューサー・松本基弘 さん)


水谷さんに憧れ、幼い頃から大ファンだった 寺脇さんからの熱烈なラブコールがあり、こ のコンビが誕生したのです。

「僕が小学校低学年とかその辺りです。あの (水谷さん初主演のドラマ)『バンパイヤ』 (1968年)を見たんです。豊さんが14歳く らいだったと思うんですが、それが14歳の目 じゃないんですよ。あの目に凄く惹かれてた 思い出がありますね。それで初めて、連続ド ラマのレギュラーとなった『刑事貴族』とい うそれも刑事モノで、初めて豊さんとお会い したんですが…」(寺脇康文さん)


実はこのふたり、1991年に放送されたドラ マ『刑事貴族2』で、『相棒』と同じ刑事役 で共演していたのです。

「これはもう豊さんと一緒にやった役者は、 全員そうなるんですけど、まず豊さんの真 似になっちゃうんですね。あの時、田中実 とか宍戸開とか僕とかいたんですけど、全 員が豊さんになった時がありましたね(笑)。 『ちょっとやばいよ、みんな豊さん化してる よ』って」(寺脇さん)

この共演を経て、水谷さんと寺脇さんの絶妙 なコンビネーションが生まれ、現在の『相棒』 の大ブレイクへと繋がっていったのです。で は、そんな大人気刑事ドラマ『相棒』の人気 の秘密とは、一体何なのでしょうか。

まず第一に挙げられるのが、“相棒”ふたりの キャラクター設定の妙です。東大卒の優秀な キャリア組でありながら、その変人ぶりが災 いして出世コースから外れた「杉下右京」警 部と、警視庁のリストラ対象にされた「亀山 薫」巡査部長。そんな相反するふたりを水谷 さんと寺脇さんが好演しています。そんなな か、水谷さんの役作りにはある特徴があると いいます。


「僕らは台本をもらったらすぐ読み始めます けど、豊さんはしばらく放っておくんですっ て。机にポンと置いておいて通りすがりにチ ラって見るんだけど、『まだ見ないよ』って、 じらすんですよ、台本を。台本が『早く見て くれよ』と言うまでね。それで、『よし!』 というときに読むそうですが、最初に読んだ ときのイメージが一番大事だから、まずはイ メージできるところまで読むっていう。する と今度は、具体的にイメージが出てくるまで は寝られないんだそうです。自分のなかで出 来上がるまでは、寝られないっておっしゃっ ていますね」(寺脇さん)

こうして水谷さんは毎回、キャラクターの造 詣を深めていき、全身全霊で収録に臨んでい るのだといいます。

「ひとつのドラマを作っていく時に、クオリ ティーをどうやって保ち、それをどう上げて いくか、そのためには何が必要かということ を分かっている人ですね。さらに、一緒にや っている人がどのくらい輝けるか、思い切り できるかっていうときに、全部自分が引き出 さないといけないというとこまでも考えてい る人ですね」(『相棒』シリーズで共演の岸 部一徳さん)

さらに、多くの視聴者が共感するのが、リア ルなテーマ性にあるといいます。今年の正月 に放送された2時間スペシャルでは、いち早 く、こんな社会問題を取り上げました。それが、 来年から開始されるといわれている「裁判員 制度」です。この回では、警察官殺害事件の 裁判に「裁判員制度」が試験的に導入される という設定でストーリーが展開しました。こ んなリアルな設定が、多くの人々を惹き付け る秘密なのかもしれません。こうして最近で は、「杉下右京」という刑事役のイメージが 強い水谷さんですが、過去の作品を振り返る と、なぜか刑事役の多さが目立ちます。寺脇 さんと共演した『刑事貴族2』をはじめ、彼 が出演している作品の3分の1が刑事・ 探偵ものという多さです。ちなみに、1990年 に放送された『ザ・刑事』では、小林克也さ んと上司と部下役で共演もしています。

ここからは、そんな水谷豊さんのさらなる伝 説をご紹介します。

伝説A 「いきなり主役デビュー〜そして引退」

水谷豊さんは、1952年7月14日、北海道芦 別市で誕生します。雪深い田舎でのびのびと 育った彼は、父親の転勤に伴い、8歳の時に 東京へ。水谷少年は、当時のほとんどの子供 たちと同じ様に、お茶の間に置かれたテレビ に夢中でした。しかし、彼の「テレビへの視 線」は意外な所へと向けられていたのでした。 それは、「どうしてこんな小さな箱の中に映 像が映し出されるんだろう」というもの。ほ かの子供たちの興味が、スポーツやドラマと いった放送内容だったのに対し、水谷さんは、 その現場や舞台裏に興味を持ったのです。そ して、いつしか「よし、いつか俺もこの箱の 中に入ってやろう!」という夢を抱くように。 そして、偶然知った子役プロダクションに自 ら応募し、入団。弱冠13歳で芸能界入りを 果たすのです。入団後、舞台で経験を積み演 技に磨きをかけていると、早くも16歳でテ レビドラマへの出演が決定。しかも、デビュ ー作にして主役という異例の大抜擢を受けた のです。その作品は、巨匠・手塚治虫さんの 人気漫画が原作の『バンパイヤ』です。月を 見ると狼に変身してしまうという“トッペイ” 役を好演。こうして水谷さんは念願のテレビ デビューを主役で飾り、その役を見事に演じ きると、その翌年の1970年には、岩下志麻 さん主演の映画『その人は女教師』でスクリ ーンデビュー。テレビという箱の中はもちろ ん、映画の中にも入って見せたのです。こう して、役者として輝かしいスタートを切った 水谷さんの才能に、多くのドラマ関係者は期 待を寄せました。しかし彼は思わぬ行動に出 るのです。彼の興味は、あくまでもテレビの 仕組みやその裏側を知ることであり、すべて を経験した水谷さんは、あっさりと引退を決 めてしまうのです。

「なんとか彼にいい作品に出てもらいたいな という気持ちを持っていたんですけど、その 時上司がですね、『水谷豊はもう引退したい と言ってるよ』という話をチラっと聞いた事 があります。そして、その上司は水谷さんに、 『大げさに引退なんて事を発表しない方がい いよ。もし、またこのような世界に入ってく る時に非常に困るだろう』ということを水谷 さんに言ったよと言っていました」(元日本 テレビプロデューサー・高橋靖二さん)

そして劇団を辞め、新たにやりたいことを探 すため、大学を受験するも失敗。初めて人生 の挫折を味わいます。そんな矢先、水谷さん に子役時代に知り合った、あるテレビ関係者 から電話が入ります。「暇してるんだったら、 バイトのつもりでまたドラマにでも出てみな いか?」。そんな誘いを受け、1972年、引退 から2年のブランクを経て、水谷さんは再び 芸能界に復帰したのです。当初は割のいいバ イト程度に引き受けたそうですが、そんな彼 の思いとは裏腹に、復帰直後から出演依頼が 次々に舞い込み、みるみる人気も上昇してい きました。そんな水谷さんの人気を決定づけ たのがドラマ『飛び出せ青春』です。村野武 範さん主演のこの作品にゲスト出演し、彼の 人気はさらに高まりました。しかし、そんな 人気の高まりをよそに、水谷さんの心の中に は、「演じるって、面白い」という気持ちが 芽生えていました。こうして「テレビに興味 のなかったテレビっ子」は、芝居の神様に引 き寄せられるかのように、やがて本物のテレ ビ好きへと進化を遂げていくことになります。

伝説B 「『傷だらけの天使』で大ブレイク!」

1974年、水谷さんはその名を全国区に広める、 あるドラマと出会う事となります。それが、 『傷だらけの天使』です。未だ伝説的なドラ マとして名高く、ファンも多いこの作品で水 谷さんはショーケンこと萩原健一さんが演じ た探偵・木暮修を慕う弟分、乾亨を熱演。女 々しくて情けないキャラクタターながら、回 を重ねるごとに主役の修を凌ぐ人気者となっ ていったのです。その人気の裏には、あるふ たつの理由が隠されていました。ひとつは、 亨のトレードマークであるポマードをなでつ けたヘアスタイル。当時、多くの若者たちが このヘアスタイルを真似るなど、大きな影響 を与えました。しかし元々は、カッコ良さを 狙ったものではなく、亨という情けないキャ ラクターを表現する手段として用いた、ダサ くて時代遅れなスタイルだったのです。

「『傷だらけの天使』というのは70年代のど 真ん中で、あの頃の若者のファッションとい ったら、もう長髪とパンタロンと決まってる んですよ。そうじゃなければ、もう若者じゃ ないという時代だったんですね。だから、あ の頃ねポマードをつけて、リーゼントにする なんていうのはね、ついこの間終わった流行。 つまりみっともないファッションなんですよ ね」(『傷だらけの天使』の脚本家・市川森一 さん)

こうして、制作者サイドの思惑とは裏腹に亨 のスタイルは「カッコよさ」のシンボルとな り、若者たちの間に浸透し、ロカビリーブー ムが再燃しました。そして、亨を人気者にし たもうひとつの理由。それは、キャラクター の魅力をどこまでも増幅させる水谷さんの演 技力でした。

「水谷豊が地で芝居をしたっていう事は絶対 ないと思いますよ。他人になりきれるんです ね。だから、変身できちゃうんですよ。萩原 健一さんっていうのは『傷だらけの天使』を やってても、地のままっていうか。水谷豊さ んっていうのはね、自分から離れれば離れる ほどいい芝居をする、ショーケンと全く逆で すよ」(市川さん)

そして、もちろんそこには、才能だけではな く努力も。『傷だらけ〜』で亨を演じる為に、 水谷さんは人知れずこんな事までしていたと いう…。それは、新宿二丁目のゲイバー通い。

「やっぱり(修と亨の)ホモティックな関 係というのは(台本で)匂わせていましたから。 (水谷さんは)本当に研究熱心な人ですから、 2丁目は相当出入りしたんじゃないですかね」 (市川さん)

亨は、どこか女々しさを感じさせるキャラク ター。そこで水谷さんは、亨になりきるため に、新宿2丁目でイメージを膨らませていた のではと市川さんは語ります。こうして水谷 さんの才能と努力で、主役を食うほどの人気 者となった亨。しかし最終回では、そんな亨 が風邪をこじらせ死んでしまうことに。その 最後は、滑稽ながらも美しく悲しいシーンで した。

伝説C 「親友との最強コンビ!」

1973年、水谷さんは刑事モノの伝説的ドラマ 『太陽にほえろ』にもゲスト出演し、ある俳 優と初共演を果たしているのです。松田優作 さんです。この共演をきっかけにふたりは意 気投合。毎日の様に飲み歩き、それはまるで 本当の兄弟かのように親しく付き合い、松田 優作さんが亡くなるまで無二の親友として共に過 ごす関係となっていました。

「役者と言うのは自分がなきゃいかんという、 主張を持った演技論で出てきた松田優作。そ れとたまたま共演した水谷豊も同じような考 えを持っていたんじゃないかと。ですから、 普段は非常に付き合いやすいんですけど、い ざ芝居となると、断固として主張を曲げない という。その辺が優作と息が合ったんじゃな いかと思います」(『太陽にほえろ!』『俺た ちの勲章』プロデューサー・岡田晋吉さん)

そして、1975年には、優作さんの強い要望 により『俺たちの勲章』、さらに『探偵物語』 で再び共演を果たします。お互いを認め合っ たもの同士、そこには俳優という職業を超え た深い絆が芽生えていきました。2006年10月、 スマステーションで放送した「松田優作特集」で も、水谷さんは優作さんとの関係をこう語ってい ます。

「桃井かおりさんがその時にこう言ったんで すよ。『いろんな若い俳優さんが出てきたり するけど、私は優作と豊が一番芸能界に向い てないと思う』って。『なんで?』と聞いた ら「ふたりとも、華が無いし短気過ぎる」っ て言うんですよ(笑)」(水谷さん)

事実、若かりしふたりは、そのまっすぐな性 格のため撮影現場では度々、揉め事を起こし ていた、しかも優作さんより、水谷さんの方 がケンカっ早いというウワサもありますが…。

伝説D 「本物の教師になる…」

俳優・水谷豊さんの当たり役となった『傷だ らけの天使』での亨。そして1976年には、 映画『青春の殺人者』に主演。ふとした事か ら両親を殺害してしまう、青春の戸惑いと苦 悩を描いたこの作品で、主人公の青年役を好 演し、「キネマ旬報主演男優賞」を最年少の 24歳で受賞。その後も様々なドラマや映画出 演などで活躍を続けますが、水谷さんに来る 出演依頼は、その当時の若者の苦悩を演じる シリアスな役が多かったのです。そんな水谷 さんにある転機が訪れます。それが、1978年 から放送された『熱中時代』です。放送開始 3回目にして視聴率は20%を超え、13回目で は30%超えを達成! この作品で、北海道出 身の純朴な熱血教師・北野広大役を演じきっ た水谷さんは、それまであったどこか暗いイ メージから脱却する事ができたのです。この ドラマの大ヒットの裏には、水谷さんのこん な知られざる努力が隠されていたのです。全 ての役に対し、全力で向き合い没頭する水谷 さんは、『熱中時代』でもある決意をします。 「本物の教師になってみよう」というのです。 自分が本物の教師として向き合えば、生徒役 の子役たちにとっても、そこは「仕事の現場」 ではなく、本当の教室になるはず。そうする ことできっといいドラマができるに違いない。 そう考えた水谷さんは、まず、役作りのため に、ある実在の人物をモデルにしたのだとい います。

「彼は北海道で暮らしていた時期があって、 その時に、大好きだった先生がいて、その先 生の口調をそっくりやってるんですよ。(ド ラマの舞台を)北海道にしようという話にな ったら、『じゃあ、その先生でやってみる』 っていう彼の提案でね」(『熱中時代』シ リーズ監督・田中知己さん)

それは水谷さん自身が幼い頃、北海道で出会 った小学校の先生。北海道訛りを持つ純朴な 熱血教師・北野広大は、こうして実在の人物 を投影することで誕生していたのです。そし て、水谷さんは撮影の合間や休憩中も、子供 たちと触れあい、時には子供たちの相談に乗 ることもありました。すると次第に、子供た ちの間でも「フィクションと日常」との境目 が消えていくようになり、水谷さんのことを まるで本物の教師のように慕うようになって きたのです。そんなある日のこと『熱中時代』 を撮影していた隣のスタジオに、ある人気ア イドルがやってきます。それを知った数人の 女子生徒たちが水谷さんに対し、自分たちは その男性アイドルのファンで見学に行きたい から付き合ってほしいと頼みました。ところ がもう少しで本番だからと、水谷さんがそれ を断ると、生徒たちはむくれてこんなことを 言ったそうです。「先生は芸能人を見たくな いんですか!!」と。この時もはや、子供た ちにとって水谷は芸能人ではなく、ひとりの 教師だったのです。こんな関係を築き上げて いたからこそ、最終回で子供たちは本気で水 谷さんとの別れを惜しみ大粒の涙をこぼす、 ドラマを越えた名シーンが生まれたのです。 その最終回の視聴率は、なんと40%でした。 『熱中時代』の成功を受け、後の『3年B組  金八先生』といった多くの学園ドラマが作ら れていくことになるのです。

伝説E 「国民的アイドルと結婚」 

1982年、水谷さんは自身が主演のドラマ『あんちゃん』である女性と出会います。それが、あの国民的アイドル、キャンディーズのメンバー・伊藤蘭さんです。突然の解散から4年、女優として活躍していた彼女が、このドラマで水谷さんの妹役を演じたことで、ふたりは急速に接近。そして、翌年放送されたドラマ『事件記者チャボ』で再び共演を果たします。実はこの作品を通じて、水谷さんは伊藤さんとの交際を開始していたのだといます。

「シャイで照れ屋なもんですから、みなさんのいる前では、そういう所をむしろ否定するんです。否定するんですけど、四六時中一緒にいますから、なんとなくスタッフは分かる んですよね」(高橋さん)

こうして愛を育んだふたりは、1989年に多くの報道陣がつめかけたハワイで挙式をあげます。

伝説F 「歌手としても大ブレイク」

実は水谷さんは、俳優だけでなく歌手という顔も持っています。主演ドラマの主題歌を中心に、これまで17枚ものシングル曲を発表しています。なかでも、1979年に発売された『熱中時代・刑事編』の主題歌「カリフォルニア・コネクション」は、65万枚ものセールスを記録。自身最大のヒット曲となりました。 こうして歌手としても大ブレイクを果たした水谷さん。しかし、彼のなかでは、歌う事も演技の一環であったのだといいます。


「彼は歌のなかの主人公の詞に書かれていない部分の日常性とか癖とかそういった事までも研究して、完全に役柄として歌を歌っている。それは、たぶんほかの歌手の方とは全く違うんじゃないかなと思いますけどね」(音楽プロデューサー・松田直さん)

そんな水谷さんは、来月には22年ぶりに過去の名曲を再レコーディングしたCDを発表。再び水谷さんの歌声が披露されることになっています。また、そんな水谷さんが、8年もの歳月をかけて作り出した『相棒』の「杉下右京」が、来週、いよいよスクリーンに登場します。 水谷さんの主演作としては25年ぶりのこの作品。果たしてどんな活躍を見せてくれるのでしょうか。

振り返るな、オレ!

水谷豊さん、ステキでしたよね。今週の格言は、そんな水谷さんのお言葉を聞いた香取編集長の決意表明?です。「ときどき、今日の“秘められた伝説シリーズ”みたいな特集がありますけど、そういうときに、ボクは自分のことを考えたりしてしまうんです。『絶対、慎吾ママの映像が出るなぁ…』とか(笑)。でも、水谷さんが今日初めてこういう風に自分の作品を振り返って、『あ、やってたんだなちょっとは、って思えました』っておっしゃってましたよね。いまの水谷さんだから言えるんだろうけど、その言葉は素晴らしいな、って思いました。ボクは、振り返りがちなんですよね、何度も。『慎吾ママは出るだろ? 悟空は連ドラから映画化、っていう流れで…』とか『スマステもやっていた』とか…。そういうことを考えずに、いつの間にか自分の人生が積み重なっている、っていうのは素晴らしいな、と今日は思いました。ホントにボクはまだまだだから、もしこういう機会があったら、打ち合わせ会議の段階で『これも入れたいよね』『いや、こっちじゃない?』ってスタッフがモメるくらいの作品に出演できたらな、って思っています」。

(香取慎吾編集長)

まさか、自分が出ることになるとは思いませんでした(笑)


スマステーション初登場のご感想をお願いします。

なんだか、ボーっとしているうちに終わってしまった感じがするんですけど、香取さんのまなざしが凄くやさしくてね、それでちょっと気持ちがラクになりました。カメラの前で 芝居するのはできるんですが、素の自分で出るっていうのは、どうしていいかわからなくなるんですね。

スマステーションは、以前からご覧いただいていたそうですね。

番組スタート当時からよく拝見しているんです。それで、質がいい番組だって、テレビ朝日の方にも言っていたんですよ。まさか、自分が出ることになるとは思いませんでしたけど(笑)。この番組は、取り上げるテーマも雰囲気もいいですし、香取さんと大下さんの感じも凄くいいですね。普段は見る側なのに、今日はスタジオにいるんですから、緊張しました。香取さんに「始まったらすぐ終わりますから」と言っていただいたのですが、早かったのか遅かったのか、僕にはよくわかりませんでした(笑)

デビュー作から最新作まで貴重な映像で綴られた特集はいかがでしたか?

僕は、「死ぬには代表作が少ない」と冗談で言うくらい、俳優として何をやってきたんだろうかとか、これから何かやらなきゃいけないなっていつも思うんです。でも、あのVTRを見て、少しはやってきているんだと思いましたね。

キャリアが40年以上にもなるということも驚きでした。

42、3年になるんですね、信じられないです。こんな風にして自分が出たものを見ることもありませんから、いろいろと驚くことも多かったですね。ですけど、あのVTRは凄かったですね。圧倒させられました。あんなに細かくいろんなものを集めているとは思ってもいませんでしたから。よくもあそこまで作りましたよね、僕のことで(笑)。今回、出演の話を聞いて「僕のことで何ができるんだろう?」と思っていたんです。自分ではそんなに印象がなかったものですから、出演作を紹介するっていったって、そんなのすぐに終わっちゃうんじゃないかって。だけど、凄かったですね。

出演作は、160本以上だとありました。

そうなんですね。そのうち50本ほどが刑事もの、探偵ものだっていう。昔は、不良の役が多かったですからね、途中で更生しようとしたんじゃないでしょうか(笑)。

今日がほぼ初対面だという香取さんの印象を教えていただけますか?

普通、俳優さんや表現する側の人は、自分のなかにある線を越えられないものなんですね。そこを越えた先にいいものがあるってわかってても、その人の感性とかあるいは限界とかが邪魔をして、なかなか越えられないものだと思うんです。でも、香取さんは常にその線を越えているように見えるんです。彼のなかにあるいろんな色や可能性を常に越えているから、ここまで突き抜けた活躍ができるんじゃないかと思いまして。それは、いつも番組を拝見していて思うことで、自宅で娘とも話していたことです。実際にお会いしても、OKですね(笑)。今日、生でお会いしてとてもやさしい方だと感激しました。今後、香取さんがどんな活躍をされていくのか、ますます楽しみになりました。

最後になりましたが、5月1日から公開される『相棒』の劇場版について、メッセージをお願いします。

『相棒』は、エンターテインメントでありながら、社会性があり、そしてキャラクタードラマとしても大変いい世界で成立している作品だと思っています。この三つが成立する作品は、これまでの日本のドラマ・映画界にはなかったんじゃないかとも思っているんですね。劇場版を見ていただいて、1週間ほど幸せになっていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。

水谷豊
相棒−劇場版−

水谷豊さん寺脇康文さん主演映画
「相棒−劇場版―
絶対絶命!42.195km
東京ビッグシティマラソン」
5月1日(木)全国ロードショー!
相棒−劇場版−はこちら

TIME CAPSULE

水谷豊さんNEWアルバム
「TIME CAPSULE」
初回限定盤CD+DVD特製BOX入り
5月14日(水)Release!

私はやっぱり水谷さんが好きなんです(笑)。

水谷豊さんにお会いできるというので、きっと素敵な方なんだろうと、とても楽しみにしていたんですけど、実際にお会いしたらそれよりもさらに素敵な方で、本当に嬉しかったです。しかも、スマステをよくご覧になってくださっているそうで、大感激です!! そもそも、『相棒』の右京さんの紳士的なところが、ご本人にダブるなと思っていたんです が、とにかく素敵でやさしくて、もう、なんなんでしょう、水谷さんは(笑)。それにしても、あれだけ役作りをされる役者さんって、日本では珍しいんじゃないでしょうか。その 一方で、右京さんにしても、完全に作り込んでいらっしゃる役でしょうに、ところどころに、水谷さんのパーソナリティみたいなものがあふれ出ている感じがあって…。私は世代的に『熱中時代』がジャストで、とにかく大好きで毎週見ていました。でも、『熱中時代』以外のほかの作品も好きなものばかりなので、私はやっぱり水谷さんが好きなんだと改めて思いました(笑)。そんな水谷さんが常に俳優を辞めようと思っていたというのが、凄く意外でしたね。でも、思えばそういう地位に恋々としないところが、右京さんにも通じる水谷さんらしいところなのかなって。自分をし っかりもっていらっしゃるのに、周囲の人たちのこともとても大切にされている。だから、常にいい相棒に恵まれるんでしょうね。それはそうと、『相棒』劇場版は、どんでん 返しの連続で驚かされっぱなしで、すっごく面白いです。設定にリアリティーがあるのが人気の秘密って、今日も紹介されましたが、本当にそうで。出演者も凄く豪華ですし、絶対におすすめの1本です。

若干の緊張とともに始まったボクの空気を、一瞬にしてぶち壊すような水谷さんの笑顔がステキでした

◆水谷豊さんとは、1度だけお会いしたことがあるんです。というのは、水谷さんが奥様と一緒にCMに出演されていたとき、ボクも同じ会社のCMをやっていて、その会社のイベントみたいなところでご挨拶だけさせていただいたんですよね。今日みたいにお話させていただくのは、ほぼ初めてなので、だからこそ今日はちゃんとご挨拶を…と思っていたんですけど、トイレから出て濡れた手を振っていた目の前を水谷さんが通って、「ああ…すいません!」って、そのままの握手になってしまい(苦笑)

◆俳優としての水谷さんは本当に凄い方ですけど、こんな風にお会いしてお話するのが初めてということもあって、若干の緊張とともに始まったボクの空気を、一瞬にしてぶち壊すような笑顔がステキでした。お芝居をしている姿しか見たことがなかったですからね。『相棒〜劇場版〜』を見た直後ということもあったので、一番強かった印象は右京刑事なんですよね。そこにあの笑顔で、それが逆癒しみたいな、まったく違う角度から…それによって、ボクの方がちょっと緩み過ぎたかな、って反省しちゃうくらいに優しい感じで接してくれて…

◆そんな水谷さんと、いままでの出演作品を一緒に見たときの、その凄さだとか、横にいる水谷さんのさらに大きな笑顔は、とても印象に残っています。奥様との会見の映像が出たときに、ボクはわざと水谷さんをチラッと見たんですけど、それに対して「あ、すいませんでした」っていう水谷豊という大きな心を持った凄い俳優さん…カッコよかったですねぇ

◆デビューしてすぐに引退を決めた、というのも驚きましたけど、その後も、大ヒットドラマに出た後にもかかわらず、「何か自分に向いていることに出合えたら辞めてもいい、って思っていた」っておっしゃっていて…。『傷だらけの天使』とかの映像を見ていても、今日は水谷さんがゲストでそういう映像が流れる、ってわかっていても、ちょっと別格に見えてしまうくらいなのに…。思いもよらない話でちょっとビックリしました。