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いきなり登場した新コーナーがこの「カトリが行く!」。我らが香取編集長が、現場に自ら足を運び、さまざまな話題・出来事をリポートしていきます。記念すべき最初のリポートは、昨年12月、茨城県日立港で起きた北朝鮮・朝鮮民主主義人民共和国の貨物船の座礁事故のその後です。香取編集長が見た、その驚くべき事実とは?
 昨年12月5日、茨城県日立港で北朝鮮の貨物船「チルソン号」が座礁し、いまなお放置されたままになっています。大型船が座礁し、そのまま放置されるケースは決して珍しいものではありません。2001年10月、山口県豊北町で中古自転車を満載した北朝鮮船籍の「チョンリュウ号」が座礁。この船をはじめ、実に10隻もの座礁船が放置されたままになっているのです。
 静かな港町・日立港に突如現れた北朝鮮船「チルソン号」。何故、この船は座礁してしまったのでしょうか。そして、何故いまなお放置されたままなのでしょうか。燃料として積まれたおびただしい量の原油が流出し、日立港を黒く覆いました。さらに、積んでいたタイヤチップも海中に放出され、環境への影響も心配されています。そんな港町を、香取慎吾編集長が訪れました。
 座礁船では、積荷のタイヤチップが流失しないよう、その回収作業が連日行われています。タイヤチップとは、古タイヤを細かく切断したもの。重油援助がストップしている北朝鮮では電気を作るための重要な燃料となっており、日本の支援団体が無償で北朝鮮に提供しているのです。しかし、このタイヤチップには硫黄などが含まれるため、海中に流出すると付近の漁場は大打撃を受けると見られ、現在も回収作業が続けられているのです。
 そもそもこの「チルソン号」は何故座礁したのでしょうか。実はこの船は、指示されていた港へのルートを誤ったばかりか、通常なら2本打つはずのイカリを何故か1本しか打たず、しかもその長さが足りなかったため、船体が流されて座礁してしまったというのです。判断ミスを犯したキム船長には、業務上過失往来危険の疑いで、罰金30万円が課せられました。
 座礁から8日後の12月13日、「チルソン号」の21名の乗組員たちは船を出ました。彼らは一旦地元の旅館に滞在し、さらに8日後の12月22日、バスで新潟へ移動し、そこから空路ウラジオストック経由で平壌へと帰りました。その乗組員たちは、船を去る前に不思議な行動を取っていました。それは、船体に書かれた「チルソン号」という文字や、煙突部分に描かれていた北朝鮮の国旗を消すという作業でした。
 事故当時、船から流出した重油が日立港を黒く覆いました。この回収作業にあたったのは、漁業関係者、県の職員、そして地元のボランティアなど総勢1000人。1日8時間、1カ月に及ぶ作業の末、いまではすべての重油の回収が終了しています。回収されたおよそ140キロリットルの重油と、船体に残っていた缶535本分もの重油。これらの所有権は北朝鮮側にあるため、行き先も決まらず、処理方法も未定で、このまま放置しておくしかないそうです。また、「チルソン号」の持ち主は、この船にわずか100万円程度の損害保険しかかけていなったという驚くべき事実も判明しました。しかし、これまでに重油やタイヤチップの回収作業などで数億円もの費用がかかっているといいます。
 過去のケースを見てみると、1995年、漁港にロシア船籍の船が座礁した山形県温海町では、1億3000万円の撤去費用のうち、90%を県が負担しています。また、北海道の釧路市では、2001年5月、釧路港内で座礁した台湾の漁船を2億3000万円かけて撤去しましたが、船主から回収できたのは、そのうちのおよそ1割に過ぎないそうです。1994年以降、国が放置船の撤去費用を一部負担することになったものの、「チルソン号」の場合、茨城県が全費用の5割を負担しなければならず、県ではこれまでにかかった費用を北朝鮮に請求し続けていくそうです。しかし、日本と北朝鮮の間には国交がありません。これが大きなハンデとなり、現在では交渉も暗礁に乗り上げている状態だといいます。香取編集長が見た茨城県日立港の北朝鮮座礁船。この船は、今後どのように処理されていくのでしょうか。
――以前から、「現場にも行ってみたい」ということはおっしゃっていましたが、ようやく実現した形になりましたね。
そうですね。ホントに初めて現場に行けて…スタジオでVTRを見ているのとは違うよね。生って凄いんだな、って改めて思いましたね。単純に、現場に行く大切さみたいなものは頭でもわかってたんだけど、ホント凄いんですよ。自分で足を運んで、自分の目で見て…そうすることによって、いろんな情報が入ってきてぐちゃぐちゃになってたり、いろんなウワサとかがあったりするような出来事も、自分の中でどう理解すればいいかわかると思うんですよ。だから、ボクが見てきたり足を運んだり、っていう行為が、みなさんにとっての疑似体験みたいな感じに近づければいいな、と思ってます。

――今回は、日立港の座礁船をリポートされたわけですが、実際に見てきていかがでしたか?
 あの場所にあっちゃいけないですよね、座礁船。日ごろ東京で仕事してる普通の流れで車降りたんだけど、その途端に海の匂いがしてきて…。凄いのどかな感じで、東京のすぐ近くの海とかとは全然違う、昔ながらの日本の港みたいなところなのに、パッとはしごあがったら、もう目の前にアレでしょ?キレイな一枚の絵の中に、あの船はあっちゃいけないですよ。あの船は描いちゃいけないよ。

――船で海側から座礁船を見る、という経験もなかなか出来ないですよね。
 そうそう。アレも凄かった。それに、地元の人たちの生の声も聞けたのはよかったですね。言っちゃいけないことなのかな、みたいに胸につかえてたことを、偶然現場で出会ったボクには言える、ってなったら嬉しいですよね。10歳からテレビに映ってきた、小さい頃からのボクとかも見てくれた日本のみなさん、どこかでボクを見かけて、SmaSTATION-2のロケをやってるのを見たら、その現場で知ってることを教えてください(笑)。

――次回は、横須賀ということですが、見どころは?
 それはね、「カトリが行く!」2本目にして、新企画がさらに新企画みたいな(笑)。英語でいろんな人と話さなくちゃいけないみたいな状況を経験して、やっぱりまだ難しいのは答えられないけど、でもリスニングをやってるおかげもあって、話してることの6〜7割はアバウトにわかるようになってきて…その辺のボクの姿に期待してください(笑)。
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