発売わずか2年で10万個以上も売れた大ヒット商品で、値段は1個800円。掃除機の吸い込み口にこれを取り付けるだけで、ゴミを吸い込みながら、同時に汚れているところを拭くことのできる一石二鳥の優れもの。発明したのは主婦の松本奈緒美さん(40)。7年前、掃除があまり好きでなかった松本さんは、拭き掃除と掃除機かけを同時にできないかと考え、やわらかいぬいぐるみの尻尾、市販の掃除ペーパーと試行錯誤を重ね、洋服などによく使われるボア素材にたどり着き、遂に商品化に成功したのです。




発売して6年、28万部を売り上げた人気商品で値段は1冊550円。使い方は簡単。買い物したレシートを縦の目盛に沿ってどんどん貼っていくだけ。足し算をしなくても、合計金額が見ただけですぐ分かるのです。発案者である主婦の馬場由貴さん(46)は、7年前、子どもふたりを育てながら家計簿をつけていました。しかし子育てはどんどん忙しくなり、1ヵ月間以上家計簿をつけることができず、財布の中にはレシートの山が。家計簿の上に並んだレシートを眺めていた馬場さんは、「レシートを貼る場所の高さで、合計金額を表わせるのでは！」と思いつき、早速自分で家計簿を制作。口コミで評判が広がり、うわさを聞きつけた出版社の社長が馬場さんの元を訪れ、あっという間に商品化されることに。




値段は1個315円。発売から4年で、16万個を売り上げている人気商品です。ランドセルの取っ手にブザーつりつりを通し、ランドセルの金具に長さを調節しながらしっかりと固定。子供の手で引っ張りやすい位置に防犯ブザーを固定することができます。発明したのは、主婦の山形瑞恵さん(43)。小学校の子ども(6歳の女の子)が学校で防犯ブザーをもらったのはいいが、どこに付ければいいのか困ったのがきっかけ。現在では、練馬区の全ての小学校に導入されているのをはじめ、多くの地域で採用されています。




値段は1本3,600円。立ったまま、長い柄の先にある先割れした刃で草の根元を挟みハンドルをひねると、簡単に抜けます。字型のハンドルは片手で握りやすく、重さは230グラムと軽いのでお年寄りにも優しい商品。発明したのは、原ふみ子さん。原さんは心臓の病気を患い、かがんだ姿勢は心臓の負担になるから控えるようにと医者に忠告されていました。そこで思いついたのが、この「根掘り葉掘り」だったのです。昨年には、両手で力を入れやすい「根掘り葉掘り�U」も販売され、好みに応じて選べるようになりました。




値段は1つ6,090円。1991年の販売からの17年で、およそ40万個、小売価格で25億円売れたヒット商品です。発明者は、津久田喜代枝さん(71)。20代の頃から、左腰の辺りが痛みだすようになり、のちに変形性股関節症と診断された津久田さん。痛みは年々ひどくなり、あまりの辛さに自殺を考えたことも。そんなある日、津久田さんは左足の付け根、骨盤のあたりを手で押さえると痛みが和らぐことに気づきます。そこで「何か骨盤を押さえるものがあれば」と思い、2本のゴムでお尻をすっぽり包んで骨盤をサポートする形にたどり着いたのです。発売から4年後の1995年には会社を設立、昨年度(2007年5月決算)の年商は1億2000万円だそうです。




値段は、1着2,079円。濡れにくいナイロンのエプロンを首と肩に通し、後ろで結びます。そして洗い終わった洗濯物を、エプロンの前についている大きなポケットに重くならない程度詰め込むのです。あとは、物干しのところまで行って、ポケットからひとつひとつ洗濯物を出して干すだけ。洗濯かごを使ったり、しゃがむ必要は一切なくなるのです。このエプロンを発案したのは、主婦の長坂治代(はるよ)さん(41)。長坂さんは何度もしゃがむのが面倒なため、いつも洗濯カゴを使わずに、腕に洗濯物をかけて干していました。かしそれでは、腕がぬれたり、洗濯物が落ちたりと問題が。そこで、何かいいアイデアはないかと、同じ悩みを持つ会社の主婦仲間に相談。かごの代わりにエプロンのポケットに洗濯物を入れればいいのでは・・・というアイデアにたどり着きました。




値段は1個1,890円。室内に干すために考えられた小型のハンガーで、2本のチェーンの長さを調整することによってどんなところでも水平を保って洗濯物を干すことができる商品です。発明したのは主婦の松浦鈴代さん(68)。6年前のある日、娘の下着を室内でハンガーごと干しているとき、どんなときでも水平を保てるようなハンガーは作れないかと考えたのがきっかけ。お風呂の栓を繋ぐボールチェーンに注目した松浦さんは早速試作品を制作。すると、ボールとボールの間にしっかりとひっかかり、どんな角度でも調整できるようになったのです。ちなみに、このハンガーは工場で作っているのではなく、ひとつひとつが松浦さんの手作りです。




発売して25年、シリーズで1000万足を売り上げるロングセラーの人気商品。お値段、3足セットで680円。Z型のプラスチックに靴を上下交差するようにひっかけると2倍の靴を収納することができます。このアイデアは25年も前に、主婦の石田あつこさんによって発明されたもの。上下逆さに収納されている靴箱を見て、このZ型収納をひらめいた石田さんは、旦那さんの工場で出る余った金属を曲げて試作品を作り商品化。現在では、娘さんの万友実(まゆみ)さんがシューゼットの開発を引き継ぎ、収納だけでなく、靴を長持ちさせるシューキーパーの機能も持ったシューゼットキーパーを商品化。利用者の要望にこたえるため、スニーカーやショートブーツ、そしてロングブーツ用と新商品の研究に日々励んでいます。




値段は1足2,100円。1989年の発売から19年でなんと500万足以上、56億円の売り上げ。発明者は、中沢信子さん(63)。20年程前、専業主婦だった中沢さんは姑の介護や家事に忙しく趣味だったバドミントンをやめたところ、体重が10キロ増加、腰痛も悪化してしまい、家にいながら簡単に運動できないものかと悩んでいました。そんなある日、棚の上の物を取ろうとつま先立ちになった瞬間、「この姿勢を続ければいい運動になる」とひらめいたのです。スリッパの踵を切り取ることを思いつき、これを1年間履き続けたところ、悩んでいた腰痛も完治。そこで手作りしたスリッパを友人にプレゼントすると、大好評だったため商品化を決心しました。夫に内緒のへそくり200万円で500足のスリッパ製造を工場に依頼。発売直後から、口コミで評判が広がり、大ヒット商品となりました。4年後には会社を設立、アジア・ヨーロッパ各地でも「HATSUKOI」という名で、販売されています。




このマップを発明したのは、主婦の福井泰代さん(42)。12年前の夏、3歳の女の子と生後間もない男の子を抱え、地下鉄のホームに降りた福井さんは、ベビーカーを押して乗り換え口を目指すも、降りた場所から乗り換え口が思いのほか遠かったため、ホームを端から端へ歩くはめに。「前もって乗り換え口の位置が分かっていれば、ホームを無駄に歩かずに済んだはず！」と思った福井さんは、全ての駅を自分自身の足で調べることに。福井さんが5ヵ月間で調べた駅の数は合計256駅。毎週末、子どもを夫に預け、一日乗車券を利用し、多いときは朝10時から夜9時まで24もの駅を調べ歩きました。しかし、それをまとめ電鉄会社などに提案するも、決まって言われるのは、「特定の車両が混んでしまうので、採用できません・・」という言葉。それでも福井さんはあきらめず、改良に改良を加え、ついには求人誌に乗り換えマップが採用されることに。面接などで見知らぬ駅に行く人が多いため、求人誌には乗り換えマップがあると便利だったのです。やがてさまざまな雑誌や手帳に採用され、現在ではほぼ全ての首都圏の地下鉄にも貼られるようになりました。福井さんはこのマップの成功で会社を創立。いまでは社員27名、年商5億円のベンチャー企業の社長となっています。