トップ
トップニュース
ニッポンヲシロウ!
セカイノニュース
スマメール
スマデータ
ゲストトーク
シンゴ5
オオシタアナ
ヘンシュウコウキ
スマギャラリー
バックナンバー

スマデータ投票
モバイルサイト
メールマガジン
ケイジバン
番組へのご意見
最新号のTOP

ニッポンヲシロウ!
BackNumber
SmaSTATION特別企画・ニッポンを知ろう!番外編〜世界が愛するジャパニーズカルチャー
世界の優れた短編小説に与えられる、フランク・オコナー国際短編小説賞。この賞に先日、日本を代表する人気作家・村上春樹が選ばれました。今年8月に出版された、「ブラインド・ウィロー・アンド・スリーピング・ウーマン」が「誤解し合う人々の、困難な状況を恐れずに描いた傑作」と、高く評価されたのです。村上春樹は今月授賞式が行われる、フランツ・カフカ賞にも選ばれており、ことしは惜しくも受賞を逃したものの、いま最もノーベル文学賞に近いひとり、といわれています。
ルイヴィトンにデザインを提供するなど、世界的な人気アーティスト・村上隆。その村上隆による「NIRVANA」と題したこの作品がことし、ニューヨークのオークションで、なんと113万6千ドル、およそ1億3000万円という高値で落札され、現地でも大きな話題となりました。いま、現代美術の世界で日本人アーティストの人気は高く、村上隆以外にも、奈良美智、草間弥生の作品が100万ドルを超える高値で取引されています。中でも、草間の「No.D(ナンバーディー)」は、1号の大きさに換算すると、約200万円という世界的にも極めて異例の価格で落札されています。 ことし6月にパリで開かれた、人間国宝吉田蓑助による文楽公演。カーテンコールが何度も繰り返されるほど、パリの観客を魅了し、最終日にはキャンセル待ちの長い列が…。公演後には、その芸術性の高さから、フランス政府によって、芸術文化勲章、コマンドール勲章を授与されたのです。また、同じパリでは来年3月、12代目市川團十郎、11代目市川海老蔵らがあのオペラとバレエの聖地、オペラ座において初めて、歌舞伎を上演することも決定しています。 今月5日から、ノルウェー北部の都市トロムソで開催された第7回国際文学祭。ことしのテーマは、「日本」。7日に市内で行われた朗読会には、日本から江國香織、谷川俊太郎らが参加し、大きな反響を呼びました。 このように、いま世界では日本のカルチャーがブームともなっています。そんななか、イギリスBBCがことし、世界33ヵ国4万人を対象に行った「主要各国の影響力調査」で、「世界にいま、最も良い影響を与えている国」として世界190カ国の中で第1位に選ばれたのが、実はニッポン!であることを皆さんはご存知でしょうか。回答した33ヵ国中、なんと韓国と中国以外の31カ国の人が「日本を好き」と答えるという、他国を圧倒する結果となったのです。核開発を進めるイラン、そしてイラク戦争を起こしたアメリカなどは、「悪影響を与える国」と評価される一方で、日本にはこうした悪い印象がなく、民主主義が確立された国として、ソフトなイメージを持たれている――これが1位の理由になっているのです。 世界中で愛されている日本。しかし、当の日本人は、どうも自分たちの国に自信を持つことができないでいるようです。それは一体、なぜなのでしょうか?そして、世界は日本のどんなところに魅力を感じているのでしょうか?
フランス
ことし7月、フランス・パリで開かれた「ジャパンエキスポ」。アニメや漫画など、日本のサブカルチャーを紹介するこのエキスポには、3日間でなんと6万もの人が集まりました。カフェには厳しいパリの若者が、コーヒー1杯5ユーロ、約750円もするメイドカフェに列をなしたのです。今回は初めて日本のファッションも紹介され、高い評価を受けるなど、いわゆる「オタク文化」だけではない、日本の若者文化全体が注目されていることを印象付けるものとなりました。フランスへは1980年代にアニメ、1990年代には漫画が日本からやってきました。その結果、いまでもフランスのコミック市場の4割を占めるのは日本の作品なのです。以前は「暴力シーンが多い」「ヨーロッパの誇り高き文化が侵食される」と、批判もありましたが、いまではそんなこともいわれなくなったといいます。更にいまでは、漫画を通じ、日本の文化がフランスに浸透し始めています。例えば日本でも大ヒットした漫画「ヒカルの碁」の影響でフランスでは若い人の間に碁が広まり、定期的に大会が開催されるまでになったのです。もちろん日本食は、寿司の出前が当たり前になるなど、すっかり定着。いまやパリだけで日本食レストランの数は約500件。あまりの人気ぶりにとても日本食とはいえないニセモノも続出するほど。以前、「セカイノニュース」でもお伝えした通り、11月には覆面調査員が味・盛り付けなどを調査し、ミシュランにならって「本物の日本料理」マークを配布する予定になっています。そしてフランスといえば、自国の言葉、フランス語をこよなく愛し、「例え英語が話せても、フランス語で返す」とまで言われるほど、言葉を大切にする国。そのフランスで、なんと日本語が普通に使われるようになってきているといいます。フランスで流行語ともなっている日本語とは「禅(ZEN)」。もともとは仏教の禅宗からきている言葉ですが、フランスでは「そんなに興奮しないで」「落ち着いて」という意味で、「禅になろうよ!」などと使われるようになっているのです。また、「ZEN」と呼ばれる和風インテリアの流行もあり、家の中で靴を脱ぐ人も増えているのだとか。さらに最近、フランスの若者の間で流行語ともなっている言葉が「カワイイ」。もちろんフランスにも「カワイイ」という意味の「ミニョン」という言葉はありますが、「カワイイ」を使った方がかっこいいと、若者やファッション業界ではそのまま「カワイイ」を使っているのです。
アメリカ
アメリカでの日本ブームさきがけとなったのがマドンナ。2001年の世界ツアーで殺陣や忍者ショーを披露したのが、その後のアメリカでの日本ブームのきっかけとなったと言われています。そして日本の影響をいま最も受けているアーティストのひとりといわれるのが、マドンナが「私のスタイルを真似している」と発言したこともあるグウェン・ステファニー。若い女性のカリスマとなっている彼女の曲の歌詞にも「スーパー、カワイイ」などの日本語が使われています。グウェンは、初めて東京に来たとき、若い女性のファッションを見て衝撃を受けたのだそう。

「違う惑星に到着したかと思った。自己表現への情熱がすごい。西洋文化からインスピレーションを得て、それを爆発させるのが日本文化。私はそれを逆輸入したの」。

ハリウッドでも日本は注目されています。「ラストサムライ」「ロスト・イン・トランスレーション」「SAYURI」などの映画に続いて、ブラッド・ピット、役所広司出演の「バベル」、クリント・イーストウッド監督、渡辺謙主演の「硫黄島からの手紙」など、日本を題材にした作品の公開が控えているのです。そして、「呪怨 JUON」のリメイク「THE GRUDGE II」が間もなく公開されるなど、ジャパニーズホラーブームもまだまだ続いています。さらに、日本のアニメももちろん大人気。パフィーをモデルにした「ハイ!ハイ!パフィー アミユミ」「ワンピース」「NARUTO」など、アメリカ国内のほとんどの書店に、日本のアニメコーナが設けられるほど定着振りを見せているのです。ロサンゼルス市内の図書館には、より多くの子供たちに読書をしてもらおうと、ことし2月、子供達に人気の高い英語に訳された日本漫画コーナーが設立され、現在約600冊ほど並べられているマンガ本の多くは、常に貸し出し中というほどの人気振りなのです。
ロシア
ロシアでも日本人気は盛り上がっています。日本食レストランの人気は高く、いまではモスクワだけで約200軒にも及び、「女性をくどくなら和食」とまで言われるようになっているのだとか。そのロシアで最も人気のある作家は、村上春樹。書店では村上春樹の作品が平積みに。出版作品数も2006年までで、約50作品にものぼります。最近では村上春樹だけでなく、日本人作家に注目が集まるようになり、吉本ばななや村上龍なども紹介され、日本人作家コーナーまで設けられているのです。そして日本から新たにやってきた文化が「100円ショップ」。店内全品、一律の金額という日本オリジナルのシステムの店が、モスクワ市内にも登場。店内すべての商品が59ルーブル、およそ250円で売られているのです。
イギリス
早くから日本食やファッションを取り入れてきたイギリス。日本発の「スウドク」がクロスワードに取って代わる程の人気ぶりを見せています。そんな中、ロンドンには最近、ちょっと意外な日本的スポットが登場し、人気を集めています。それは「カプセルホテル」です。ロンドンにある、「Easy Hotel」。ホテルの部屋は4畳半弱程度の個室で、ダブルベッドが壁際に備え付けられ、トイレ兼シャワールームが設備されているというシンプルな部屋。それでも30ポンドという値段の安さもあり、常に満室。来年春には、別の企業も「カプセルホテル」を開業する予定だそうです。
台湾
アジアの中でもいち早く日本ブームが起きた台湾。その台湾では最近、CMが日本尽くめとなっています。台湾ではCMや広告に、「日本」のイメージを使うケースが増えているのです。これは「日本に憧れる」台湾の消費者が増えているため。日本=格好いいというイメージが定着しているのです。
韓国
そしてお隣、韓国でも、「日流」は確実に根付いています。準レギュラー、草ナギ剛主演の映画「日本沈没」は興行成績で第1位を獲得。韓国で日本の映画が1位となるのは史上はじめての快挙でした。そしていま、韓国では日本の小説の映画化が次々と進んでいます。江國香織の「きらきらひかる」、浅田次郎の「プリズンホテル」、つかこうへいの「蒲田行進曲」など、ことし公開される韓国映画の実に4本に1本が、日本作品になる見込みだといいます。
中国
政治では戦後最悪の関係とも言われている、中国。しかし文化の面では日本が盛り上がっています。人気の筆頭は村上春樹。中国では「ノルウェイの森」など31作品が翻訳され、売上は約350万部! その人気を支えているのが、都市圏に住む高収入の若者。彼らの間では、村上春樹を読まないと時代遅れ、とまでいわれているのだとか。さらにルース・ベネディクトが日本文化を論じた名作「菊と刀」は、去年、中国紙の図書ランキングで30週以上もトップテン入り。漫画版「日本論」も人気になるなど、日本文化をまじめに学ぼう、という人も増えているのだとか。しかし、そんな日本ブームをけん制してか、ことし9月、中国政府は「ゴールデンタイムの海外アニメ放送の禁止」措置をとりました。放送されている海外アニメの9割以上が日本製のため、実質的には日本アニメの締め出しともいわれています。実際、アニメなどの文化は時として軍事力以上の力を発揮するとも言われています。アメリカのジャーナリスト、ダグラス・マッグレイは2002年、「ジャパニーズ・クール(日本的かっこよさ)は、軍隊や経済といった『ハードパワー』ではない、文化という『ソフトパワー』で世界を席巻する」と予言しているのです。バブル期に、「経済大国」と呼ばれ、世界の不動産、絵画などを買いあさっていた頃、日本は決して「好かれる国」ではありませんでした。しかし、バブルが弾け、経済が失速したそのあと、日本から世界に向けて輸出され、世界の人々の心をつかんだのは、電化製品や鉄鋼ではなく、日本の文化だったのです。
Copyright(C)2006
tv-asahi
All Rights Reserved.