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『ニッポンを知ろう!特別編 今、最も熱い都市・福岡』
先日発売された「Newsweek」誌で、“HOT CITIES THE TOP 10(世界で最もホットな10都市)”に日本から唯一選ばれた都市・福岡。ソニーは戦略事業である半導体事業の本社機能を福岡に移転。トヨタ、日産など日本を代表する大企業も相次いでこの地に工場を進出させています。2016年のオリンピック開催にも名乗りを上げている福岡の歴史と文化に迫ります!
『博多』の由来

福岡県。九州の北東部に位置し、その面積は、東京都の2.3倍。人口は、約505万人。まずは、その『歴史』を見てみましょう。福岡の歴史はいまから2000年以上前の紀元前に始まります。福岡県博多区にある、板付遺跡――住宅街の一角にひっそりとたたずむこの遺跡には、国内最古となる水田跡が。そう、福岡は中国大陸から伝えられた稲作を初めとする弥生文化が日本のどこよりも早く育まれた土地でもあるのです。
ご存知、卑弥呼が率いた『邪馬台国』。この邪馬台国の位置については、いまでも様々な説がありますが、現在では、奈良を中心とした近畿地方にあったとする『畿内説』と、福岡を含む九州北部にあったとする『北九州説』が最も有力とされています。その『北九州説』を裏付けるのが、現在の福岡市東区に位置する志賀島で発見された金印『漢倭奴国王』。中国の漢からこの金印を送られた奴という国をはじめ、30の国を束ねていたのが卑弥呼なのです。
その後、鎌倉時代まで日本の外交や貿易の拠点として、九州の中心として福岡は栄えていきました。ところで、皆さんは、『福岡』、そしてその中心地をさす『博多』という呼び名がどのように生まれたか、ご存知でしょうか。8世紀当時、『福岡』という呼び名はなく、玄界灘に面した港町を中心とした辺りは『博多』と呼ばれていました。その語源にはふたつの説があり、ひとつは、港の形が鳥の羽に似ていたため、羽の形と書いて『羽形』(はがた)、それが訛って「博多」となった説。そしてもうひとつは、港は『潟』とも呼ばれ、船がたくさん『泊』まる『潟』という意味の『泊潟』(はがた)が『博多』となったとする説です。
では『福岡』という呼び名はいつ生まれたのでしょうか。それは江戸時代、徳川家康は自らの参謀として活躍した黒田長政に博多の土地を与えました。その時、長政が黒田家の郷里、現在の岡山県にあたる『備前福岡』にちなんで『福岡』と名付けたのが始まりなのです。その後、1888年、市制町村制が交付されると、新しく発足する市の名前を『博多市』にするか、『福岡市』にするかで大議論が捲き起こりました。市議会での投票の結果、『福岡市』に決定しましたが、その代わり、当時の福岡県知事の英断によって新しく出来る国鉄の駅の名前は『博多駅』になったのだそうです。ちなみに、『九州』という呼び名は、かつて9つの国に分かれていたことがその所以です。

新しもの好きで、熱しやすく冷めやすい…県民気質

あの豊臣秀吉に『経済特別区』として税金を免除されるなど、手厚い保護を受けた福岡は、貿易を中心とした博多商人の町として繁栄していきました。『全国県民意識調査』によれば、福岡の県民気質は『目立ちたがり屋』『団結力がある』『開放的』、そして『新しもの好き』で『熱しやすく冷めやすい』とあります。これらは、日本の玄関口として常に新しいものが最初に入ってきた土地ならではの気質といえるでしょう。また、『気が短い』『諦めが早い』というのもありますが、これは九州全体に共通する特徴。いまでもよく使われる『九州男児』という言葉。そこには、『男らしい』『情熱的』といった半面、『気が短い』『不器用』『口下手』などの特徴があるといわれています。こうした九州男児に対して、九州の女性は『献身的で情深い』とか。また男尊女卑の風潮も残っているといわれており、例えば、地元の伝統的なお祭に、女性が直接参加できない地域も。
博多っ子が熱中する祭。そのひとつが『博多祇園山笠』。『やま』と呼ばれるみこしをかついで走り、その時間を競う、勇ましい男たちの祭りです。そして、もうひとつが、九州最大規模の祭り『博多どんたく』。博多どんたくは毎年、5月3日と4日の2日にわたって行われ、博多駅前から天神まで約2キロの道のりを仮装行列が練り歩くパレード。その見物客は実に200万人にものぼります。博多どんたくの『どんたく』とは、オランダ語で『休日』という意味。オランダ語で『休日』という意味の『Zontag(ゾンターク)』が訛ったものです。実はこの『どんたく』という言葉、明治時代初期、福岡で流行語になっていました。これは、鎖国していた時も唯一、貿易を続けていたオランダの言葉を使うことが当時の福岡では粋とされていたため。やがてそれは廃れ、博多どんたくという祭だけがいまに残ったのです。

企業誘致に成功した背景とは?

ここ数年、ソニー、トヨタ、東芝、松下電器などが次々と進出し、著しい経済的発展を遂げている福岡。その立役者のひとりといわれているのが麻生渡福岡県知事。バブル崩壊後の1990年代、日本経済は低迷。福岡県内の就職率も過去最低を記録するなど、景気は最悪の状況でした。11年前の1995年、福岡県知事に就任した麻生氏は真っ先にこの経済の建て直しに着手したのです。そして、麻生氏は積極的に大企業へのアプローチを始めました。麻生知事が企業誘致政策として打ち立てのが、『元気フクオカ資金』。約2年間、無担保・無保証で8000社あまりの企業に1700億円を供給するなど、企業が福岡に進出しやすい地盤作りに尽力したのです。そうした努力が実を結び、過去2年間で86社の福岡への企業招致に成功。今年度は、トヨタ、日産、ダイハツの3社合わせた自動車生産台数が100万台をついに突破し、静岡を抜いて第2位になることが確実となっています。さらに、昨年には『海外企業誘致センター』を設置し、海外のグローバル企業への誘致活動も開始しました。これらの企業誘致を成功させている背景には、アジアに近いということの他にも、理由がありました。ひとつは、内陸部の交通網の発達。福岡を中心に、九州地方は高速道路や幹線道路が実に整備されているのです。幹線道路が網の目を縫うように張り巡らされています。そのため、渋滞によって失われている時間を算出した渋滞損失時間は、大阪の3分の1、東京の4分の1。つまり、それだけ運送等において効率が良いのです。そして、ことし3月には新たな空路も誕生しました。北九州空港です。この北九州空港は早朝5時から深夜2時までの21時間運用。今月22日には運用時間はさらに延長され、九州初の24時間空港になることが決まっています。
8年前、福岡市の市長となった山崎広太郎氏。この山崎市長が特に力を入れて取り組んだのが教育です。基本方針は「学校はまちであり、まちは学校である」。福岡市にある市立博多小学校は、なんと、全面ガラス張り。教室で勉強する子供達の姿も丸見え、体育館で運動する様子も全て見えます。また、教室と教室を仕切る壁もなければ、職員室もありません。大学生の人口に占める割合も、福岡市は京都についで第2位となっています。実は、そんな福岡で、今では当たり前となっているあるものが生まれています。それは、『セーラー服』。大正10年、最初にセーラー服を制服としたのが、福岡市にあるミッションスクール、福岡女学院。当時の校長エリザベス・リー女史は、女学校では珍しく、バレーボールやバスケットボールなどのスポーツを授業に取り入れました。しかし、当時の制服は着物にハカマ。父兄から「着物が汚れる」との苦情が殺到したのです。そこでリー校長は、運動着として当時、イギリス海軍の制服だったセーラー服を採用。それがやがて普段の制服へと変遷し、そして全国へと広まっていったのです。

明太子、玉露…福岡生まれの食文化

とんこつラーメンにもつ鍋など、独自の食文化を数多く生んでいる福岡。その中でも、福岡、そして博多の代名詞となっているのが『明太子』。これを最初に売り出したのは、明太子の名店として知られる『ふくや』です。元々は、朝鮮半島で食されていた『明太(ミョンテ)』を、日本人の口に合うよう、ふくやの創業者、川原俊夫氏が10年以上の年月をかけ、改良に改良を重ねて、現在のような明太子を作り上げたのです。川原氏はその製法を自分達だけの企業秘密とはしませんでした。「博多の名物にしたい」と考え、他の業者にも積極的にその製法を伝授したのです。その結果、いまや福岡の明太子業者は実に300社近くに上り、言わずと知れた福岡の名物となったのです。

エンタメ界を支える福岡出身のビッグネーム

福岡といえば、今夜のゲスト、藤井フミヤさんを始め、多くの大物アーティストを輩出している街としても知られています。チャゲ&ASKA、松田聖子、スピッツ、浜崎あゆみ、MISIA。俳優・タレントでは、高倉健、武田鉄也、陣内孝則、黒木瞳、妻夫木聡・・・日本のエンターテイメントシーンには福岡出身者が多数存在します。、福岡天神の駅前にあるライブハウス『昭和』は、1970年のオープン以来、数多くのアーティストを輩出してきた超名門ライブハウスです。この『昭和』から巣立ったアーティストは、井上陽水、甲斐バンド、チューリップ、海援隊ら。一方、来週、SMAPのコンサートが行われる福岡ドーム。ここで最初に行われたコンサートはどんなものだったかご存知でしょうか。『ドリームライブIN福岡ドーム』と題され、その出演者は、井上陽水、武田鉄矢、財津和夫、甲斐よしひろ、そしてゲストに藤井フミヤ。更に司会は、タモリ。福岡出身のエンターテイナーが集結したスーパーライブだったのです。世界に羽ばたく福岡。香取編集長も、ますます福岡に行くのが楽しみになったのでは?

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