SmaSTATION-5

日本の決勝トーナメント出場の夢は絶たれたものの、まだまだ、盛り上がりを見せるサッカーW杯。そんななか、今月もやってきたのがこのコーナー。バラエティには富みながらも、一癖ある作品が揃ったラインナップ。果たして、イナガキさんは、どの作品を高評価するのでしょうか。

「洒落てる。演出や技法も新しいし…。映画は進化していますね。俳優さんも素晴らしさかった。こういう作品は犯人が魅力的なほどいい。結末も良かった。トリックもいっぱいある。」

【作品DATA】
2006年(アメリカ映画)
監督：スパイク・リー
出演：デンゼル・ワシントン、クライヴ・オーウェン、ジョディ・フォスター、クリストファー・プラマーほか
●みゆき座ほかにてロードショー

「慎吾は僕が5位に選ぶと思ったんだろうけど、面白かった。僕らが小学生の頃に見ていた思春期ドラマのよう。民芸品のような手作り感がいい。タイ映画はこの感じで突き進んでほしい。」

【作品DATA】
2004年(タイ映画)
監督・脚本：ソムチン・スィースパープ
出演：ポンパット・ワチラバンジョン、サムリット・マイケルセーン、カーン・ジャンイーノほか
●銀座シネパトスほかにてロードショー

「原作は読んでいないけど、原作マンガを読みたくなるような映画。きっと、原作の力が素晴らしいんでしょうね。でも、映画としてはイマイチ。エキストラがダメ。隅々までちゃんとしていないと…。」

【作品DATA】
2006年(日本映画)
監督：金子修介
出演：藤原竜也、松山ケンイチ、瀬戸朝香、香椎由宇、細川茂樹ほか
●銀座シネパトスほかにてロードショー

「期待もそんなにしていなかったけど…。今回はアウディが使われているんだけど、アウディはいい。大人の車、って感じ。ストーリーは別に…。88分という上映時間は短くてよかった。」

【作品DATA】
2005年(フランス／アメリカ映画)
製作・脚本：リュック・べッソン
監督：ルイ・レテリエ
出演：ジェイソン・ステイサム、アレッサンドロ・ガスマン、アンバー・ヴァレッタ、ケイト・ノタほか
●渋谷東急ほかにてロードショー

「ところどころギャグがあったけど、僕はあまり意味がわからない。つまらないオヤジギャグを一周させて面白い、ってことでしょ。でも、空回りしている。トリックもないですね。」

【作品DATA】
2006年(日本映画)
監督：堤幸彦
出演：仲間由紀恵、阿部寛、生瀬
勝久、野際陽子、片平なぎさほか
●日劇2ほかにてロードショー

――まずは、今回の5作品の総論をお願いします。

そうだなぁ…ランキング的な意味での総論としては、『インサイド・マン』のひとり勝ちですね。映画として全然レベルが違う。そりゃあ、ジョディ・フォスターも出るだろう、って感じですね(笑)。あとはまあ、それぞれ特色があって…。『トリック～』はちょっとアレだけど、他の3本に関しては、順位の差はあまりないかな。敢えてつけさせてもらった、という感じですね。それぞれに良さはあったから。

――原作が大人気の『デスノート』のような作品は難しいですね。

原作がやっぱりいいんだろうね。何巻まで出てるの？

――11巻までだったと思います。

読んでみよう！　慎吾も原作ファンなんだよね。でも、僕のように、原作を知らない人でもそう思える、ってことは、それくらい原作に力があるっていうことだと思う。原作ものは、ただでさえハードル高いからね。原作ファンの人はどうしても厳しい目で見ちゃうわけだし。完全に納得させるっていうのはないよ(笑)。『ダヴィンチ・コード』でも何でもね(笑)。頑張ってたと思うけどね。ただ、細かいことを言わせてもらうと、エキストラの人たちの演技がやっぱり気になった。主演の藤原竜也さんはよかったし…。

――タイ映画の「アフロサッカー」はいかがでしたか？

「アフロサッカー」は…まあ、そういう作品だと割り切って見ればいいんじゃないかな。

――タイ映画が入るのは、最近のブームですね。

知らないよ、その辺は(笑)。でも、面白かったよ。タイ映画は元気だってことだしね。平和な証拠。映画の影響力とかで平和になるといいじゃないですか。みんながひとつになったりして…。価値観を作れるよね。

――「トランスポーター2」は？

まああれは、もともとそんなにハードルが高い映画でもないからね。気楽に楽しめばいいんじゃないかな。でも、それだったら『TAXI』くらいやってくれた方がいいと思う。ちょっと、子どもを助けるいい映画っぽくなっちゃってるから。

――1位の『インサイド・マン』は、いかがですか？

圧勝ですね。スパイク・リー、やっぱりいいですね。見たことない映画だった。こんなに映画を見てて、見たことない映画、って凄いですよ。この手の新しい映画、ちょこちょこ出てきているじゃないですか。脚本が良く出来てて…。『トラフィック』とか少し前だと『SAW』とか。よく考えるよね。映画にはまだまだいろんな可能性があるってことだよね。