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今月の目玉は、なんといっても北野武監督の「TAKESHIS'」。先日、監督と対談をした編集長は、一足お先にチェック済みで「僕は好きな映画」と言っていましたが、果たして、イナガキさんは?
ほか、今月も話題作満載でお届けします。
イナガキベスト5
親切なクムジャさん
センスが良い映画。復讐しても何も生まれない、というのがこの監督が描く復讐劇だと思う。主演のイ・ヨンエさんが素晴らしい。
【作品DATA】
2005年(韓国映画)
監督:パク・チャヌク
出演:イ・ヨンエ、チェ・ミンシク、クォン・イェヨン、オ・ダルスほか
●新宿シネマスクエアとうきゅうほかにて、ロードショー
ALWAYS 三丁目の夕日
「心温まるお話。日本人のツボをついている。広い絵に力を入れたのは伝わるが、エキストラや背景に意味が出ちゃったのは気になった。」
【作品DATA】
2005年(日本映画)
監督:山崎貴
出演:吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希、三浦友和、もたいまさこ、薬師丸ひろ子ほか
●日劇ほかにて、ロードショー
TAKESHIS'
「プスっと笑えた。頭で理解する映画ではなく、浴びる・体感するような映画。慎吾と武さんの対談を見た人には、わかりやすいと思う。」
【作品DATA】
2005年(日本映画)
監督、脚本:北野武
出演:ビートたけし、京野ことみ、岸本加世子、大杉漣、寺島進ほか
●丸の内プラゼールほかにて、ロードショー
イン・ハー・シューズ
「キャメロン・ディアスはかわいいですね。多少、おばちゃんになってますけど、いい恋愛をしてるんじゃないでしょうか。女性が勇気を持てる映画だと思う。」
【作品DATA】
2005年(アメリカ映画)
監督:カーティス・ハンソン
出演:キャメロン・ディアス、トニー・コレット、シャーリー・マクレーンほか
●シネマメディアージュほかにて、ロードショー
ブラザーズ・グリム
「日本人はこういうもので育ってきていないので馴染みがない。文化的背景の違いがあって、日本人にはハマらない。虫が嫌でした。」
【作品DATA】
2005年(アメリカ/チェコ映画)
監督:テリー・ギリアム
出演:マット・デイモン、ヒース・レジャー、モニカ・ベルッチほか
●丸の内ルーブルほかにて、ロードショー


インタビュー イナガキゴロー
――年末ということもあるのかもしれませんが、今回はいい作品がそろったようですね。

そうですね…まあでも、このくらいは欲しいよね、レベル的にいうと(笑)。バランスも良かったよね。5本ともまったく違うような作品だし。ラインナップ的にも、見てくれる人に興味を持ってもらえるんじゃないかな?

――その中でも特に注目されるひとつは「TAKESHIS’」かもしれません。先日、スマステで「香取慎吾×北野武」対談が放送されましたし…。

確かにワケがわかんない、って言っちゃえばそれまでなんだけど、いいところを見つけようとすると、それが結構出てきちゃうんですよね。何て言えばいいのかな…いままでないですよね、ああいう組み立てが。で、夢の中の話だったり、あの人物がふたり出てくるところとか…。やっていることは新しいし、ちゃんと笑えるし。武さんがおっしゃっていたように、「体で浴びる」「体感する」っていうような映画、っていうことですよね。頭で理解しようとしても、人の夢のことなんて理解できない。自分の夢だって、口で説明出来ないじゃないですか。説明出来ないからああいう映画になっているわけであって…。武さんが好きな人は、見るべき映画なんじゃないですか? 武さんの頭の中が見られるような感じ。夢日記、みたいなイメージですからね。

――「ALWAYS〜」はいかがでしたか? 昭和30年代の東京がお好きだとおっしゃっていましたが…。

やっぱり、原作がいいんでしょうね。子どもがいて、家族がいて、凄くわかりやすくて、ベタで、感動出来て、っていう。監督がした仕事としては、CGとかそういうことであって、監督の力はそういうデジタルなところにしか感じなかった、正直言って。血の通った、感動的な人間のぶつかり合いとかは、原作の持つ力と役者さんの持つ力だと思う。

――確かに、原作の漫画は分かりやすくて、ノスタルジックで面白いですね。

でしょ? 企画があって、お金があって、CG使ってやった、っていう感じがするかな。

――もうひとつ、今回は女優論というか、キャメロン・ディアスとイ・ヨンエという、ふたりの女優さんに関する話も出てきましたが…。

キャメロン・ディアスは、女優さんというかやっぱりシンボルである感じがします。そういう魅力は、年齢を重ねても衰えてないし。周りの人たちを幸せにする、みたいな魅力がありますよね。まあ、それは女優論というよりは人間論ですね。イさんに関しては、真面目にひとつひとつお芝居をされている感じがしたし、この役を面白がって演じている感じがしますね。やっぱり大役だしね。こういう役って、なかなかないですからね。ただのラブストーリーのヒロインじゃなく、復讐の鬼と化す女性を演じる、とうのは、役者冥利に尽きるんじゃないでしょうか? そういった意味では、凄く熱が入っているのが伝わったし、それをちゃんと表現できる人だな、って思いました。凄く良かったですね。

――「親切なクムジャさん」のとき、「回想していく映画が好き」とおっしゃっていましたが…。

まあパターンによると思うんですけど、何だか巧みな感じがするじゃないですか。利用の仕方なんですよね。だから…僕は「タイタニック」は回想しなくてもいいと思うんですね。みんなはヒロインがお婆ちゃんになったところ…特にアメリカ人はああいうのが大好きなんだと思うんだけど、僕は「タイタニック」に関しては現代のシーンはいらないんじゃないかと思うんですよ。入れるなら最後のワンシーンだけ。お婆ちゃんが船かどっかに佇んでいて指輪を見つめる、で以上終了でいいんじゃないかなって。途切れちゃうような、ああいう回想は好きじゃないんですよね。「JSA」なんてよく出来てるな、って思ったけど。回想劇は、そういう“よく出来てる感”がいいんですよ。まあ、パク・チャヌク監督は復讐劇がずっと続いているんで、もう同じことはやってほしくないけど、次回作も期待ですね。役者さんに愛されていますよね。一丸となっているのが伝わってきますからね。監督がちゃんとコントロールしている感じがする。それを役者が信じてやっている感じが良かった。

――香取編集長は、監督が言ったことと違うものを敢えてぶつけるのが好き、だと以前おっしゃっていました。

僕はまったくないですね(笑)。そこまで自信がないのかなぁ? 監督が思っている以上のことを発想する自信が自分にはないのかもしれない。素材としての自信はあるけれども、新しい発想は作れない。彼は作り手的な感覚があるんでしょうね。

――でも、きっとそれは良し悪しではなく、方法論ですよね。

そうですね。僕は、自分自身がそこに飛び込んで行く方が好きなんで。その方が、いい結果が出ていると思うんですよ。特に、僕は個性の強い監督と仕事してきているんで、そういう監督とぶつかってもしょうがないからね。まあ、状況次第ではあるんですよね。言わなきゃいけないときだってもちろんあるし…。慎吾は、それを楽しんでいるんだと思うし、そういうのが好きな監督さんもいる。でも、どっちの場合でも、良い作品を作りたい、という思いは同じですからね。
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