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――本番を終えて、いまのご感想は?
三谷 あっという間でしたね。
香取 はい(笑)。
三谷 あの三条大橋の映像、胸が詰まっちゃいましたよ。不思議な感覚になって…。
香取 そうですか。あれはでも…橋のこっち側から歩いていくときには想像もしなかった光景だったんですよ。見てるっていうのは…。「ああ、ここなんだ」ってグッときてたとき、振り返ったらあの状況になってて。
三谷 絶対みんな、見てるはずだもんね。
香取 見てましたよね。同じような状況で、人に見られて…。「あ、SMAPの香取慎吾だ!」って言って普通に通り過ぎちゃう人もいれば、「香取く〜ん!」って立ち止まる人もいる、っていうのが、リアルに「こんな感じだったんじゃないかな」って…。
三谷 「えっ、誰の首?」「近藤だ!」ってね。通り過ぎちゃう人もいれば、立ち止まる人もいただろうからね。
香取 あれは凄かったですね。
三谷 あそこって降りて普通に歩けるの?
香取 歩けます。でもすぐ目の前にス○バとかあったりしてヘンな感じでした(笑)。ところで、いかがでしたか、今日は?
三谷 凄かったですよ、テレ朝さん。NHKの人が、もの凄く大量のVTRを貸したんだ、って言ってたんで、「どんなものになるんだろう?」って思ってたんですけど、あれはちゃんと全部見てないとつなげないつなぎ方をしてたからね。ちゃんとスマステのスタッフの方は、見てらっしゃるんだな、って思って。
香取 打ち合わせのときに、どうもひとりだけ話がおかしい人がいて…。みんなが「お前さ、見てんの?」ってことになったら、「実は…見てないんです」って。ひとりいた、ってことがわかって(笑)。
三谷 (笑)でも、ひとりだけでしょ?
香取 で、今日のためにそのスタッフは48話分全部見た、って言ってました。
三谷 ありがたいことですよね。

――三谷さんから見て、この1年間で役者・香取慎吾が一番変わった部分は?
三谷 だってね、1年半前の映像も出たけど、全然顔が違うじゃないですか。やっぱり、近藤勇以前・以降みたいな違いは見えますよね。僕は、始まる前に、香取慎吾が近藤勇をやる、ってなると、世間的に近藤勇のイメージと全然違うので、いろいろ言われるだろうし、拒否反応示す新選組ファンの人もいるだろうけども、きっとこの1年間やり終えたら、「平成の近藤勇は香取慎吾以外考えられない」っていうくらいになるようにしたい、ってインタビューとかでも話したんですけど、その通りになったと思うし、これ以降近藤勇を演じる人は凄く大変だと思いますよ。

――革新的でありながら、歴史に根付いていて、なお感動を与えられる、ということを考えると、改めて凄い作品だったんだな、と思います。
三谷 僕自身は、大河ドラマってものをぶち壊したい、なんて全然思わなかったんですよね。「古い器に新しいお酒を入れたい」っていうのが始まりだったんですから。その形はそのままにして、その中でどれだけ新しいものが出来るか、っていう試みですよね。それは、キャスティングも含めて、思い通りになったな、って感じています。

――香取編集長はいかがですか?三谷さんとお仕事をされるときは、常に新しくて、高いハードルの作品に挑まれてきたわけですけど…。
香取 そうですね。でも、ホントに楽しかったですよ。
三谷 途中、「ホントに辞めようと思った」って言ってたじゃないですか。あれはどの辺ですか?
香取 あれはですね、結構早い時期ですよ(笑)。普通の連ドラは3ヵ月なんだから、3ヵ月はもつはずなのに、それより前だったと思うんですよね。池田屋の前、っていうのはわかってます。
三谷 京都に行ってからは、逆に…。
香取 それは、後々考えるとそうなのかな、っていう。ストーリーの中の勇さんの気持ちが辛すぎて、ボクが受け止められなかったというか…。
三谷 何をしていいかわかんない、っていうかね。
香取 もう先が見えないし、どうしたらいいんだ、っていうのを、毎日現場に行って思ってるという状況が、かなり自分を追い込んでしまって…。
三谷 京都に行く前って、近藤勇自身が自分の人生がわかんなくなって、何をやっても上手くいかないし…。「ダメ男の吹き溜まりだ」って言ってたじゃないですか。そういうのを3ヵ月やってたから、参っちゃったのかな?
香取 撮影自体は、池田屋のあたりからの方がきついと思うんですよね。だけど、気持ちが…「いざっ!」っていう感じがあるから、勢いに乗ってきて…。待ち時間とかも別に長いって思わなくなったりとか…。
三谷 最初に、みんなと一緒にご飯食べに行ったのはいつ頃?
香取 そのへんですね。
三谷 山本耕史が(香取編集長の)携帯の番号、盗んだのは?
香取 盗んだのはもっと後ですね(笑)。結構、最後の方に近いくらい。1回、池田屋くらいのときに、盗まれそうになって、取っ組み合いになって、彼のメガネをぶち壊したという(笑)。
三谷 そんな取っ組み合いだったんだ(笑)。
香取 はい(笑)。「ちょっと止めてくださいよ!」「ちょっと何やってるんですか!」「オイ、コラ!」みたいな感じで、ボクの手がぶつかって、メガネが落ちたところにふたりが乗っかった、って感じでしたね(笑)。
三谷 彼はエライよね。そんなことがあったにもかかわらず、もう1回盗んだんだから。
香取 その後、ボクが弁償したんです。自分が持ってるやつをあげて…。
三谷 それは嬉しかったんじゃない、向こうは(笑)。
香取 喜んでましたね。で、「せっかくだから…」って、割れたメガネを半分ずつ持ってることになったんですけど、ある日、「あのときのメガネ、オレまだ持ってるんだぜ」って言われて…。ボクは捨てたんですよね(笑)。
三谷 ロマンチストだからね、彼は。

――共演者と一緒に食事に行ったり、飲みに行ったりした、というのは、ファンの間で知られている香取慎吾像とは異なりますよね。その辺の変化に、「新選組!」というドラマの意味が隠されているような気がしますが…。
香取 そりゃあそうですよね。それは、1年間とか、期間の問題じゃなくて…。
三谷 これからも、ニュー香取慎吾で行くんですか?元に戻るんですか?
香取 いやでも、凄くいいお勉強になったというか…。
三谷 これから、どの現場に行ってもみんなと飲みに行く、ってわけじゃない?
香取 じゃないですね、全然(笑)。全然、ないですけど、状況によってはいいこともあるんだな、って感じですね。基本的にそういうこと自体シャットアウトっていうか、あり得ないものだったのが、少しは見えるようになったというか…。2割くらい開いた感じです、ドアが(笑)。
三谷 今回は、そういうことがなければ、とてもやり通せないくらい大変な現場だったということだよね。
香取 大変ですね。土方、やっぱ凄いですよね。歴史上の近藤と土方の感じです。
三谷 香取慎吾と山本耕史が、ね。
香取 山本さんは土方ですよ。無理やりボクを引き込んで、みんなの空気を掴んでくれて…。
三谷 いま、香取慎吾が死んだら一番悲しむのは山本耕史だよね。
香取 そうですね(笑)。
三谷 誰かに殺されたら、敵討ちに行きそうだよね。
香取 殺しかねないですよね、ボクを殺した相手を(笑)。

――明日はいよいよ最終回ですが、ドラマをずっと見てきた人は、きっといろんな部分で感じることがあるんじゃないかと思うのですが…。
三谷 僕は、いままで1年間見てくれた人のために、最終回を書いたつもりなんです。だから逆に、見てきた人じゃないとわからないようなシーンが結構いっぱいあって…。凄い昔の、10何話とかに出てきたセリフとかシーンがずっと伏線になって最終回に出てきたっていう風にしてるんで、見た人だけが楽しめる。最終回だけ見よう、って思ってる人は、何だがさっぱりわかんない――それでいいと思って書きました。あと、お楽しみは、最後「完」って出た後に…僕は舞台の人間だから、お芝居でいうところカーテンコールが好きなので、カーテンコールがあるんですよ。で、「完」の後にカーテンコールがあり、さらにもうひとつ、ダブルコールとしておまけがつく、っていう構成になってます。
香取 そこは凄いですよ(笑)。
三谷 最後、いいですよ。
香取 本に載ってるところですよね。
三谷 そうそう。
香取 何とも言えないですね、あれは(笑)。

――「新選組!」出演者に関しては、感動的な、興味深いエピソードがたくさんあります。例えば、山南さんの出番を終えた堺雅人さんが家で正座して放送を見てる、とか…。
三谷 自分と役がイコールになった人がいっぱい集まってたから…。そういう現場ってそんなにはないと思うんですよ。僕はあまり経験したことがないので。僕も、山南さんが「自分が死んだ後の世界を見ているようだ」って話をしてたのは心にきましたね。

――最後に、スマステを見ているファンのみなさんに、メッセージをお願いします。
三谷 僕個人としてはもちろん最終回見てほしいし、僕も多分「ビフォーアフター」じゃなく、大河を見ると思うんですけど(笑)。ただ、僕の人生はご恩返しでやってるところがたくさんありますから、これだけスマステにお世話になったからには、今後はスマステを見続けます。それは約束します。
香取 ありがとうございます。あの…こんなことになっちゃってるスマステーション、ボクは大好きなんですけど、みなさんもこれからも好きでいてほしいな、って思います。それは、こういうことになっちゃって怒らなきゃいけない人とかも、「またこんなことをやっちゃって…」くらいにして、好きな番組でいてくれたらな、と。もっともっと上の人たちへのコメントです(笑)。
三谷 やっぱ、反発もあるんですか?
香取 反発というか…もうあり得ないですからね(笑)。
三谷 いや、ありがたいことです(笑)。
(三谷幸喜さん、香取慎吾編集長・談)
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