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アメリカで、アカデミー賞をもしのぐほどの注目を集めるのが「エミー賞」です。ことしで56回を迎える歴史を有し、その受賞式の模様は全米で中継されるエミー賞は、テレビマンとしての最高の栄誉といわれるもの。日本ではまだあまりなじみがないこのエミー賞にスポットを当てました。
アメリカエンターテインメント界には、4つの大きな賞があります。映画には「アカデミー賞」、音楽には「グラミー賞」、演劇・舞台には「トニー賞」、そしてもうひとつが、全米2億人が目にする最大のエンターテインメント、テレビ放送に与えられる賞「エミー賞」です。これら4つの賞を全て受賞すると、最大の敬意をもって「ショービズ・グランドスラム」と呼ばれます。ちなみに過去、このショービズ・グランドスラムを成し遂げたのはわずかに3人。世界中に愛された女優オードリ・ヘップバーン、ミュージカルの巨匠リチャード・ロジャース、大ヒット映画「ウエストサイド物語」(WEST SIDE STORY)でアニタ役を演じたリタ・モレノです。

エミー賞の過去の受賞者には、メリル・ストリープ トミー・リー・ジョーンズ マイケル・J・フォックス ブルース・ウィリス ジョン・マルコビッチ、ハル・ベリーなど、そうそうたる顔ぶれが並んでいます。揺るぎない権威と格式、そして伝統を持つエミー賞とは、一体どんなものなのでしょうか!?

そもそも、エミー賞の「エミー」とは何なのでしょうか。実は、この「エミー」の語源は、1940年代のアメリカで、テレビ業界のエンジニアたちがブラウン管のことを「IMMY」(実際は撮像管)と呼んでいたことがまずひとつ。更に、トロフィーが女性像であったことから、いつしか「エミー」と呼ばれるようになったのです。

NATASのハリー・ルーベック会長の提唱により設立され、第1回は1949年1月25日にハリウッドで開催されました。そして、過去最もその賞を獲得している番組がなんと「アカデミー賞授賞式」。これまでに32回エミー賞を受賞しているのです。全世界に放送されるこの番組は、いわばアメリカを代表するテレビ番組であり、アカデミー賞授賞式をキッカケに最新鋭の機材が導入されることも多いのです。

日本でも人気があった「スパイ大作戦」は、放送当時は中々視聴率が伸びず打ち切り寸前でした。しかしエミー賞受賞をきっかけに注目を浴び、空前の大ヒットシリーズとなりました。このようにエミー賞は絶大な影響力を持っているのです。また、ブルース・ウィリスやトミー・リー・ジョーンズなどは、エミー賞授賞をきっかけにハリウッドから声がかかり、スターダムへとのし上がったといわれています。
そしてことし9月、第56回エミー賞授賞式がLAで開催されました。全27部門が設けられているエミー賞の中で注目を集めるのは、ドラマ・コメディー・ミニシリーズの3部門。今回ドラマ部門にノミネートを果たしたのは、5シーズン目を迎え昨年視聴率No.1をキープした「CSI 科学捜査班」、神さまと話ができる高校生の周りで起こる摩訶不思議なできごとを描いた「Joan of Arcadia」、テレビ版ゴッドファーザーとして絶大な支持を得ている「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」、日本でも驚異的な大人気を記録し、この秋4thシーズンが全米で放送開始された「24」、ホワイトハウスを舞台に繰り広げられるリアルなストーリーで人気の「ザ・ホワイトハウス」の5作品です。中でも注目は、昨年まで4年連続でこの部門を制覇している「ザ・ホワイトハウス」。5年連続の受賞となればエミー賞史上新記録となります。が、注目の結果は前評判の高かった、「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」が受賞。現代のマフィアの実情に迫ったリアリティーとバラエティーに富んだストーリー展開が高い評価を受け、念願の受賞となったのです。
続いてコメディー部門。ここにノミネートを果たしたのは、突然資産を凍結された家族のドタバタを描く「Arrested Development」、テレビ業界を舞台に人間関係のおかしさを描いた「Curb your Enthusiasm」、すでに8年目に突入し、昨年この部門を制したアメリカを代表するコメディー「Hey!レイモンド」、30代女性の心情をユーモラスに描いた日本でも人気のコメディー「SEX and the CITY」、幅広い層の人気でMUST SEE TV(見なきゃいけないテレビ)とも呼ばれる「ふたりは友達?ウィル&グレイス」の5作品。前評判では最終シリーズを放送した「SEX and the CITY」でしたが、結果は、アポロ13などを手がけたロン・ハワードプロデュースの「Arrested Development」が受賞。この作品、番組開始時には、視聴率が最下位から2番目という悲惨な旅立ちだったため、受賞発表の瞬間、会場は驚きと歓喜で空前の盛り上がりを見せたのです。
そして今回の授賞式で最も注目を集めたのが、1クールもののドラマ、ミニシリーズ部門。そのノミネート作品は、戦争・革命を背景にある家族のアメリカンドリームに向けての葛藤苦悩を描いた「American Family-journey of Dream」、エイズ時代の黙示録と呼ばれた衝撃の舞台劇を完全映像化した「エンジェルス・イン・アメリカ」、イギリス海軍を舞台に、困難に立ち向かいながらも提督にまで上り詰める男の姿を描いた「ホーンブロワー 海の勇者」、女性捜査官の奮闘を描いた「Prime Suspect 6 The last Witness(Masterpiece Theatre)」、スティーブン・ソダーバーグ監督の映画「TRAFFIC」のテレビ版で、その3つのストーリーが同時に進行するサスペンスドラマ「Traffic The Miniseries」の5作品です。そして、受賞作品は、ノミネートの段階で大きな注目を集めた「エンジェルス・イン・アメリカ」でした。実はこの作品、主演のアル・パチーノ メリル・ストリープが最優秀主演男優、女優をダブル受賞。さらに最優秀助演部門でも男女ダブル受賞。それだけでなく監督賞、脚本賞など、全部で11冠という過去に類を見ない新記録で各賞を総なめにしたのです。この作品は、すでに演劇でピューリッツァー賞、トニー賞を受賞しており、史上初の3冠を成し遂げることとなったのです。

こうしてことしも華々しく盛大に行われたエミー賞授賞式。実はこの1週間前、放送技術に関する部門――いわゆる、カメラ、照明、特殊効果、メイキャップなどの技術部門の発表も行われていました。そしてそこに、ひとりの日本人の名前があったのです。それが石川孝子さんです。彼女は、ドラマ「DEAD WOOD」において

音響効果を担当し、今回、見事受賞したのです。東京出身の石川さんは、高校卒業と同時に留学のため渡米。ボストンのバークリー音楽学院を卒業し放送業界の道へと進みました。現在は、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントの社員で、7年前からテレビの音響効果を担当していたのです。

そして、ことしからこのエミー賞に正式導入された部門があります。それが、「国際エミー賞」です。以前は別組織で運営されていた国際エミー賞を、ことしから正式に導入する形となったのです。ことし、この国際エミー賞全7部門にノミネートされたのは世界11カ国から計28番組。しかし、日本、そしてアジアからのノミネートは残念ながらありませんでした。グローバルな広がりも見せているエミー賞。
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