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ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という3つの宗教の聖地――それがエルサレムです。
3つの宗教は、なぜ同じ場所を「聖地」としたのだろうか。2000年もの間、聖地・エルサレムを巡って続けられてきた争いを再検証していきます。

 聖地――それは宗教にとって、「神」と大きな関わりを持つ場所。世界には数多くの宗教があり、それぞれが聖地を持っているわけですが、実は世界に一箇所だけ、複数の宗教が『わが聖地だ』と主張している土地があります。それが「エルサレム」です。
 ここは「ユダヤ教」「キリスト教」そしてさらには「イスラム教」という3つの大きな宗教が「聖地だ」と主張している場所です。その為、この聖地をめぐって、幾度となく争いが行われてきました。

 では何故、このエルサレムに、こうまで対立する3つの宗教の聖地が重なってしまったのでしょうか。実は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教は、元をたどればいわば唯一の、そして天地創造の神を信じる宗教なのです。3つの宗教の信じる「神」が同じならば、その宗教にとっての「聖地」が重なってしまうのは、いわば当然の成り行きといえるのではないでしょうか。

 かつて、ユダヤ教のシンボルとなる神殿があった場所は、現在、土台だけがかろうじて残っています。「嘆きの壁」です。ユダヤ教徒が在りし日の栄光を偲び、一心に神に祈りを捧げるこの壁こそユダヤ教最大の聖地なのです。

 「嘆きの壁」から北西に500メートル、イエス・キリストが十字架にかけられ処刑された場所には、キリスト教最大の聖地・聖墳墓教会が建っています。現在もキリスト教徒は、かつてイエスが十字架を背負って歩いた道(悲しみの道)をたどっているのです。そしてユダヤ教聖地「嘆きの壁」の上…かつてのユダヤ教の神殿跡地にイスラム教のモスク(岩のドーム)が建っています。これは、7世紀、エルサレムを占領したイスラム教徒が、「この場所からムハンマドが天に上った」として記念に建設したもので、イスラム教第3の聖地として崇められているのです。

 イスラム教は成立当初、エルサレムに向かって礼拝していました。当時絶大な影響力をもったユダヤ教の力を借りようと考えたのです。しかしユダヤ教から反発を受けたため、ユダヤ教と区別するために礼拝する方向をムハンマドが生まれたメッカに変更したのです。

 メッカ――この地こそイスラム教第一の聖地です。預言者ムハマンドが生まれ、イスラム教徒にとって一生に一度は訪れなければならない神聖なる場所です。1991年、湾岸戦争でアメリカはイラク攻撃のため、メッカを有するサウジアラビアに軍隊を送り込みました。これについて、一部のイスラム教徒は「聖地が侵された」と考えました。一部のイスラム原理主義者は、イスラムの聖地があるサウジアラビアに、キリスト教徒のアメリカの軍隊が足を踏み入れたことに怒っているのです。2000年もの昔から繰り返さている、「聖地」を巡る戦い。人類が神を信じる限り、この戦いに終わりはないのでしょうか?

■ユダヤ教
 広い意味で、古代から現在に至るまでのユダヤ民族(イスラエル民族)の宗教の総称がユダヤ教です。天地の創造者である唯一神アドナイ「わが主」を奉じて、この神が、ユダヤ民族を自らの選民にしたと信ずる宗教です。その聖典は律法(キリスト教の旧約聖書と重複)や、タルムード(口伝=注解の集成)などを含みます。イスラエルを中心に、世界で2000万人が崇拝するこの宗教は、土曜日は火をおこしたり、文字を書いたりといった、「仕事」をしてはいけない、など厳しい戒律で知られています。今から2500年ほど前に成立したといわれ、海や山、川、世の中の全ての物を作りだしたという天地創造の神「ヤハウェ」こそ唯一の「神」だと信じています。「旧約聖書」にはこの「ヤハウェ」の教えがまとめられているのです。

■キリスト教
 世界でおよそ15億人が信仰する世界最大の宗教がキリスト教です。日曜日を休日とし、イエスが生まれたクリスマスを祝うなど日本人の生活にも大きく影響しているこの宗教は、今から遡ることおよそ2000年前に生を受けたイエスに由来するもの。実はイエスは、もともとユダヤ教徒でした。その彼がある時このような事を言い出したのです。「私は、ヤハウェの子であり、ヤハウェが今の世に遣わした救世主なのだ」と。当然、ユダヤ教徒は「神を侮辱した」として怒り、イエスを訴え、そしてイエスを十字架に磔にし殺してしまいました。彼の死後、イエスの思想、つまりキリスト教が広まったのです。コレを見ると、キリスト教はユダヤ教から別れた新興宗教だった事が分かり、キリスト教の信じる「神」とユダヤ教の神は同じ「ヤハウェ」なのです。

■イスラム教
 中東、アフリカ、アジアを中心に、現在、世界でおよそ9億人が信仰する世界第二の宗教です。1日に5回欠かさず礼拝をし、ラマダンと言われる月(今年は11月15日頃からの1カ月)には日中何も飲み食いしてはいけないなど厳しい戒律で知られているこの宗教は、ユダヤ教やキリスト教よりもずっと新しく、今から1400年ほど前に成立しました。現在のサウジアラビア・メッカという都市に住んでいたムハンマドという男が、ある日、天使から「神」のメッセージを受けます。「ムハンマドこそ神が遣わした最後の預言者である」と。その「神」からのメッセージをまとめたのが、聖典「コーラン」です。実は、ムハマンドが言っている神、つまりイスラム教にとっての神「アッラー(唯一の神)」は、実は元をただせばユダヤ教とキリスト教の信じる、「天地創造の神」と言うことが出来るのです。


638年 イスラム勢力がエルサレムを占領
1099年 キリスト教徒率いる十字軍が、当時支配していたイスラム教徒を攻撃し、エルサレムを占領その後、いくつもの戦いが繰り広げらる。
1948年 第1次中東戦争。イスラエル独立をめぐる争い。
1948年 第2次中東戦争。エジプトによるスエズ運河国有化に端を発する。
1967年 第3次中東戦争。六日間の戦争でイスラエルがヨルダン川西岸、ガザ地区、ゴラン高原、シナイ半島を占領した。この戦争でユダヤ教徒がイスラム教徒の土地を含め、およそ2000年ぶりにエルサレムを完全に占領する。
1973年 第4次中東戦争。第一次石油ショックの原因になった。
1982年 レバノン戦争。イスラエル軍がPLOゲリラを壊滅するために、南部レバノンに侵攻。第5次中東戦争とも呼ばれる。
1990年 湾岸危機。イラクがクウェートに侵攻したことでペルシャ湾岸をめぐる政治・軍事の緊張状況が引き起こされる。
1991年 湾岸戦争。イラクのサダム・フセイン政権によるクウェート占領にブッシュ・アメリカ政権が激しく反発。クウェートからの即時撤退を求める国連安全保障理事会決議採択をとりつける一方で、クウェートを武力解放するため西欧諸国およびエジプトなどアラブ内の反イラク諸国と大規模な多国籍軍を結成し、1月17日、イラク空爆を開始する。多国籍軍は2月24日、地上戦に突入し、26日クウェートを解放した。
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