スペシャル企画

ウエンツ瑛士、タップシューズと北野監督

2017/08/15

映画やドラマ、バラエティなど幅広い分野で活躍しているウエンツ瑛士さん。今回は、休日、オススメのお店、そして9月2日(土)に公開されるドキュメンタリ-映画「禅と骨」についてのインタビュ-を紹介。

★タップシュ-ズと北野武監督

-司会業をはじめ、コメンテ-タ-、俳優…かなりハードな毎日じゃないですか?-

「僕の場合は深夜までかかるということはそんなにないし、タップリ睡眠もとっていますよ。他の方々のほうがずっと睡眠時間を削って仕事しているんじゃないかな」

-お休みの日はどんな風に過ごしていますか?―

「だいたいどこかでタップを踏んでいますね。完全に休むという日はあまりないけど、何かしらレッスンしたり、動いていたほうが自分の中で休んでいることになる。何かひとつ達成したとか、できたという気持ちで楽になった時が、休んでいる感じ。あと普通にご飯を食べに行ったりもしていますよ」

タップ歴は3年。2015年に上演された主演ミュ-ジカル「スコット&ゼルダ」でのタップシ-ンも話題を集めた。レッスンを始めて1年が経った頃、それを話しのきっかけに勇気を振り絞ってほぼ初対面のビートたけしさんの楽屋を訪ね、タップシュ-ズにサインをお願いしたところ、快くしてもらえたものの、その位置がシュ-ズの裏で地面と接するところだったため、練習するうちに消えてしまったというエピソ-ドも知られている。

★ウエンツお勧め“玉子とキクラゲの炒め丼”

-アポなしロケなどで色々なお店に行かれていますが、オススメのお店を教えて頂けます?―

「いつもかなり混んでいますが、渋谷にある『麺飯食堂 なかじま』(東京都渋谷区渋谷3-18-7 ナルセビル1階)。お料理ももちろん美味しいけど、店員さんがとにかくみんな良い人。どんなに混んでいてもお客さんが帰る時、必ず顔を見て気持ち良く送り出してくれるんです。よく頼むお気に入りのメニュ-は“玉子とキクラゲの炒め丼”。ボリュ-ムもあって本当に美味しいですよ」

筆者もさっそく行ってみた。“玉子とキクラゲの炒め丼”は830円(税込)。コクのある味付けにとろけるような玉子の触感とキクラゲの歯ごたえが絶妙で美味しい。運が良ければウエンツさんに遭遇できるかも。

★映画「禅と骨」に出演

これは、「ヨコハマメリ-」(06年)の中村高寛監督が、8年の歳月をかけて実在した横浜生まれの日系アメリカ人禅僧、ヘンリ・ミトワの波乱に満ちた人生を描いたもの。ドキュメンタリ-の手法のみならず、ドラマ、アニメなど、様々なジャンルを駆け巡るこの作品のドラマパ-トで、ウエンツさんは青年時代のヘンリを演じている。

★自分の境遇と似た役に挑戦

-出演することになったきっかけは?-

「ミトワさんにソックリだからやって欲しいと言われて。よくわからなかったのですが、中村監督の情熱がすごかったので、気持ちで言われて気持ちで返したという感じですね。後のことは大人の方がよろしくお願いします…みたいな。(笑)」

-実在した人物を演じるにあたって意識したことは?-

「事前にドキュメンタリ-部分を見たいと言ったのですが、監督に見なくて良いと言われたので、ミトワさんを演じたという意識はあまりないです。普通にドラマを演じたという感じですね。自分は一部分を演じるのだから、何層もが積み重なって出来上がったミトワさんを見てしまうと演技をしてしまうのではないかと思ってくれたのかな。」

-ミトワさんは、アメリカ人でもなく、日本人でもなく、どちらの国にいても辛い境地に立たされることになるが、ウエンツさんご自身はそういうことを意識させられることは?-

「あの時代、外国人に見える風貌の人がどう思われて、どう感じて生きていたのか…。自分は幸いテレビなどで知られていますが、それでもたまに『えっ?』って見られた時の地味なイヤな感じを味わうことはありますね。多分、この仕事をしてなかったらもっとあるかなと思いますが、顔がバレているので、外国人としてはあまり扱われない。それは多分すごく得しているんですよね。今の時代プラスこの仕事ということで。逆に海外に行った時に感じさせられますね。英語で話しかけられたりして。僕は英語がダメなので…。孤独感はどの時代に生まれても一緒なのかな。」

★ウエンツ、新境地を開拓

-この作品に出演したことで何か変化は?-

「この作品をやってから、自分ってどうやって生きていきたいのだろうか…と考えるようになりました。子どもの頃から求められて有り難いことにお仕事があって、ずっとここまできて…。自分がどう生きていきたいんだろうかと、多分みんながどこかで考える瞬間を放棄して生きてきたということに気づいて考えさせられました。撮ったのは3年くらい前なんですけどね。境遇も近いし、何かをずっと追い求めていたりとか。ミトワさんは自分の意志でしか生きていないじゃないですか。やりたいことだけやって」

-確かに、父親と兄のいるアメリカに単身渡米し、第二次世界大戦中は、アメリカの強制収容所で過ごした後、エレクトロニクス技師→インテリアデザイナ-→裏千家→禅僧、そして80歳を目前に「“赤い靴”をモチ-フにした映画を作りたい!」と、実に精力的に自分がやりたいことに突き進んでいますね?-

「そうなんですよ。僕の場合、周りはそう思わないかもしれないけど、自分の中では、やりたいことというよりも、求められることをやってきたという感じがあるんです。結構みんなは『イヤイヤ、そんなことはない。十分やりたいことをやってきたでしょう』と言いますけどね。(笑)自分としては、将来こうあるためにはこれをしておいたほうが良いとか考えてやってきましたが、そういう打算的なことよりも、もっと直観を大事にしてやりたいことをやっても良いかな…と」

-母親役の余貴美子さん、佐野史郎さん、永瀬正敏さん、利重剛さんなどベテラン俳優陣との現場は?-

「中村監督は走り書きのような台本で、余さんと『こうなのかな?ああなのかな?』って言いながらやっていました。どちらかというとキャストの人と喋っている時間を大事にしてくれている感じ。みんなが信頼してそこにいるという感じだったので、自分はそこに乗っていこうと。楽屋もあったりなかったりだったので、常に大ベテランの皆さんと一緒にいられる幸せな現場でした」

-俳優として、また新たなウエンツさんがスクリ-ンで観られますね。―

「演じることの楽しさ、面白さを今さらながら気づかされました。自分自身が充実してないとどんな役もやれないんだな…と。事実と実体験と役、その3つをどれだけ結びつけられるかという作業がすごく楽しい。心に残る熱い作品です!」

何事にも一生懸命でポジティブ。真面目な性格は誰もが知るところだが、人一倍努力を重ねながらも、それを決して表に出さない。真っ直ぐな眼差しで話す姿に誠実さがにじむ。取材終了後、カメラマンとラーメン談義に花を咲かせるというフレンドリーで気さくな一面も。愛されキャラも納得の爽やかな人。(津島令子)

Hair&Makeup  Aico
スタイリスト:伊達めぐみ(UM)
衣装:TED BAKER LONDONStyling

このページをシェアする!

スペシャル企画一覧へ