溝端や勝地、若手も蜷川さんを追悼
2016/05/15
15日に東京・青山葬儀所で営まれた演出家・蜷川幸雄さんの通夜では、俳優の溝端淳平(26)、勝地涼(29)、女優の鈴木杏(29)、AAAの西島隆弘(29)ら若手メンバーも、蜷川さんへの思いを語った。
舞台「ムサシ」や「ヴェローナの二紳士」に出演した溝端は、「厳しい言葉をたくさん頂いた。役者を育てようと、根底に愛がある方」と目に涙を浮かべた。「蜷川さんはウナギが好きで、稽古や本番を見学に行った時にウナギを差し入れした。おいしそうに食べてくれたのが印象的。それ以来会うたびに、『溝端!ウナギはないのか?ウナギはないのか?』と言われた」と懐かしんだ。「もう一度蜷川さんの演出を受けたかったし、もっともっと叱ってほしかった。成長した姿を見せて恩返ししたかった」と悔やんだ。
同じく「ムサシ」に出演した勝地と鈴木は2人で取材に対応。勝地は「10代の頃に蜷川さんに出会ったので、蜷川さんとの仕事じゃない時に、『今の芝居だったら蜷川さんに怒られるんじゃないか』と思ってやってきた」という。「亡くなったとしても常に心の中に蜷川さんがいる。いろんな知識を得たくて本を読んでいたら、『勝地はバカだからそのままでいいよ。頭でっかちにならずに感じたままにやればいい』と言ってくれたのが忘れられない」と懐かしんだ。鈴木は「感謝の気持ちを伝えたんですけど、まだ実感が…」と涙。「たくさん叱られました。最後の劇は、『杏ちゃんの動きが悪い』と言われた。蜷川さんが求めているものに追いつこうと常に必死だった」と振り返り、「これからも、蜷川さんだったらなんておっしゃるかということを、ことあるごとに思い出していくと思う。これからも怒ってほしい」と語った。
「下谷万年町物語」に出演した西島は、「ご一緒させて頂いた時に、『お前は早く、音楽を辞めて俳優の世界に来い。人生の荒波に出会った時は、全力で僕が西島くんのそばにいて守るから、早く一緒に仕事をしよう』と言ってくれた」と涙ながらに告白。「言葉1つ1つが重たくて大きくて、すごく優しくて、守ってくれる。感謝しかない。存在が大きすぎて、僕にとって大切な方です」と偲んだ。