伊礼、葛藤乗り越えCD発売 藤井隆Pとコラボ
2019/05/25
ミュージカルや舞台で活躍する俳優・伊礼彼方(37)が8年ぶりにCD作品をリリース、ライブ活動を本格的に“解禁”する。
CDのタイトルはスペイン語で「優雅な」を意味する「Elegante(エレガンテ」。自身が今まで出演したミュージカルや舞台の楽曲を収録したミュージカル・カバー作で、「エリザベート」から「最後のダンス」、現在出演中の「レ・ミゼラブル」から「Estrellas」など7曲を収録。タレントの藤井隆(47)がプロデュースを手掛け、主宰するレーベル「SLENDERIE RECORD」から発売した。異色の組み合わせだが、昨年、藤井からのオファーで椿鬼奴とデュエット曲「偽りの新銀河」(椿鬼奴アルバム「IVKI」収録)をリリース。「藤井さんは思いやりがあって魅力的な方で、3手も4手も先の事を考えている方。ちょうど自分も音楽をやりたいと思っていた時だったので、藤井さんにお願いしました」と経緯を説明する。
歌唱力に定評のある伊礼が長い間、CD作品をリリースしてこなかったことが意外だが、こと音楽については個人的な事情がある。「僕は元々音楽をやっていて、挫折した人間。舞台と出会って自分がやりたいことが見つかってからは、音楽に戻ることに葛藤やためらいがありました」と言う。
自問自答を繰り返し、やっと決心がつくきっかけとなったのは、自分を成長させてくれた舞台やミュージカルだった。「もともと僕は社会性も社交性もない人間ですが(笑)、役を演じることによって人間的に成長させてもらった。自分の悩みや苦労はちっぽけなものだと気付き、人間的にもトゲが取れて『音楽をやってみたいと』と素直な気持ちを受け入れられた」と心境の変化を明かす。だからこそ恩返しの意味を含め、収録曲はミュージカル曲を中心に選曲した。今後はCD発売を記念し、各地でミニライブも開催する。
4月から「レ・ミゼラブル」(9月まで)に出演中と多忙な身だが、「音楽活動も視野に入れて活動していきたい。いつかはブルーノートのような場所でライブもやってみたい」と意欲的だ。ちなみにレミゼへの出演は初めてで、オーディションを受けて出演が決まった。「実は自分の中では王道は避けていました。そこに挑戦したという意味では、今、自分の中でいろいろ変化があるということです」と活動の場を広げた充実感にあふれた笑顔を見せていた。