秘話満載の「美空ひばり 最後の真実」
2018/04/07
1989年6月に亡くなった歌手・美空ひばりさんの足跡を追ったノンフィクション「美空ひばり 最後の真実」(さくら舎)が7日、発売された。
著者は東映AGを皮切りに一貫して映画畑を歩んできた西川昭幸氏。1964年公開の主演映画「新蛇姫様 お島千太郎」の宣伝担当を機に親交。没後は2000年から13年まで「美空ひばりフィルムコンサート」を全国各地で上映。11年には足跡をまとめた「美空ひばり公式完全データブック」(角川書店)を編さんした。近著は、データブックをまとめていく過程で耳にした秘話がきっかけとなり4年がかりで取材した。
「戦後復興の象徴!天才少女歌手の出現」「美空ひばり塩酸事件の衝撃」「10万人が会葬!日本一の大葬儀の顛(てん)末」など全12章に、おまけの証言集がある。塩酸事件では被害直後の包帯姿をスクープ撮した記者のその後や、事件を起こした少女や家族のその後を追跡し仮名で紹介。本葬の生中継をめぐるTV各局の壮絶なバトルに巻き込まれたレコード会社幹部の苦悩、終了後に会場近くの墓地内の道路を掃除した苦労話が初めて明かされている。
西川氏は「ひばりさんについて書かれた本は多いが、私は主人公のひばりさんをとりまく人たちを通して、ひばりさんの居た時代が書きたかったんです」とコメント。