あらすじ

瀬戸内少年野球団 写真

 昭和19年、春。駒子(武井咲)は数日後に出征を控えた網元の長男、中井正夫(三浦貴大)とささやかな結婚式を挙げる。駒子の願いは、婚約者ではなく妻として夫の帰りを待つこと。甲子園球児だった正夫は、駒子から生きて帰るためのお守りにするようにと言われた野球のボールを手に、戦地へと旅立っていく…。

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 駒子が務める江坂町国民学校の校庭はイモ畑へと変わっていた。子供たちは常に空腹を抱えていたが、それでもまだ笑顔でふざけ合う元気を蓄えていた。そんな中、足柄竜太(坂田湧唯)に父の戦死が伝えられる。届いた骨箱には、父が使っていたとされる歯ブラシだけがぽつんと入っていた。「お父ちゃんは名誉の戦死して、歯ブラシになってもうたんか?」。子供らしい疑問を抱く竜太。時をおかず、駒子には紙切れ一枚で正夫の戦死が伝えられる。そして、戦争が終わる——。

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 その夏、海軍提督の娘、波多野武女(本田望結)が江坂町国民学校に転校してくる。終戦を機に学校の教育方針は一変。男女が同じ教室で勉強することになり、竜太と武女は席を隣同士にする。大人びた雰囲気のある武女に竜太はドギマギしながらも、駒子の指導のもと教科書に掲載された軍事色の強い内容を墨で塗りつぶしていく。その従順な姿に、駒子は胸を痛める。正夫の弟、鉄夫(栗山航)は駒子の胸中を深く理解。正夫亡き今、両親の銀造(大杉漣)と豊乃(高橋惠子)は、そんな鉄夫の嫁に駒子を改めて迎えたいと思い始める。

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 そんな中、淡路島には進駐軍が上陸。島はたちまちアメリカ文化に感化されていく。床屋の『猫屋』はアメリカ軍人目当てのキャバレーへと商売替えを決め、竜太と同級生の三郎(山下真人)の兄、二郎(えなりかずき)は大阪で一発当てると島を出て行く。半ベソの三郎と一緒に二郎を見送る竜太。その前に、謎の三本足の男が現れる。それは、戦地で片足を失い松葉杖をついた正夫だった! 約束通り野球のボールとともに戻ってきた正夫は、大人の都合に左右されない確かなルールのある野球を子供たちにやらせてはどうかと提案。駒子は監督となり教え子たちと少年野球団を結成する!