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プロフィール:
福井威夫(ふくい たけお)
1944年11月28日生まれ 出身地:東京都
1969年3月:早稲田大学理工学部 卒業
1969年4月:本田技研工業入社
1988年6月:取締役
1996年6月:常務
1999年6月:専務
2003年6月:代表取締役社長 |
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<インタビュアーの目線>
ホンダについて、私のような者が何かを語るのは、おこがましいと思う。創業者・本田宗一郎氏についてはもちろんのこと、ホンダが作る車についても、ホンダという会社についても、専門家が思い入れを持って書いた本が、いくつも出版されている。勝手な印象だが、ホンダ愛好家たちの愛情は、とりわけ深いような気がする。それはホンダのものづくりへの愛と比例しているのかも知れない。私は畏怖の念すら抱いている。
それでも敢えて自らの思いを申し上げるなら、ホンダという会社は、最もチャレンジングな夢を売ることに情熱を傾けてきたのではないか。創業者・本田宗一郎氏のチャレンジング・スピリッツは、ホンダ車の精神そのものとなり、困難な挑戦を次々と克服する姿は、人々に夢を与えた。ホンダの車を手に入れる人たちは、身近なハンドルを握る瞬間にも、その夢に自らを重ねているのだと思う。
そして挑戦の精神を受け継いだ現在のホンダは、新たな夢をかなえつつある。二足歩行ロボットのASIMO(アシモ)の誕生や、自社開発小型ジェット機の実用化だ。
その一方で、長年の愛好家からは、ホンダの車・二輪車にかける夢を心配する声も上がっている。ここ数年の新車投入には、挑戦より売れ筋を意識した傾向が見られる、というのである。
しかし、いまや四輪事業では、海外売り上げ比率が78%超えるホンダにとって、どんな夢を、どこで誰に売るかは、難しい問題だ。北米では、安定感と信頼をブランドイメージにして、日本市場の2.6倍以上を売り上げている。この現実と、愛好家が期待するホンダのブランドイメージは、いったいどこで折り合いがつくのか。6期連続増収増益の一方で、ホンダのモノ作りは今どこを目指しているのだろうか。青山の本社で福井社長に聞く。 |
<丸川>環境問題への取り組みは死活問題と思うが、ハイブリッド車は、販売台数累計でライバルに遅れをとってると思うが?
<福井>方向性がちょっと違う。ホンダは割と安く一般普及していくため、通常の車のボディに、IMAというハイブリッド車を販売している。だから、割と外から見てハイブリッド車と分かりにくい。ライバル社と差があるとすると、その点だ。どうせ買うならば、ハイブリッド車とすぐ分かる車を買いたいと思うお客様が多いのかという感じはする。
<丸川>ハイブリッド車専用のボディ開発は?
<福井>そこまで考えて無くて、ただ差別化はしていこうと。だから、これから発売する新しいシビックのハイブリッドは、従来に比べて、よりハイブリッドと分かるような差別化を意識しています。ライトは、マークをもうちょっと大きくしたりとか、いままでは、どちらかというと殆ど分からない、乗ってる人しか分からない形状だった。その辺は改良して、実際のお客様が、どれだけメリットが得られるか。最初にどうしても高い物ですから、高いお金で買って下さるので、燃費を良くして、それを早く取り戻す。あるいは乗って通常の車と違いが分かる。それらのことに、より努力したいと思ってます。
<丸川>世界的なハイブリッド車の展開は?
<福井>間違いなく普及すると思うが、ハイブリッド車の課題はコストなんですね。どうしても高くなる。これからどうやって安くしていくか、それがメーカーの課題。コストを課題として考えた場合はホンダのワンモーターシステムというものにメリットが有ると思ってます。
<丸川>燃料電池車は今の段階では、どうか?
<福井>たぶん業界の中では、いま一番進んでると思うが、ただ燃料電池車の一般普及は、まだ時間がかなりかかると思う。自動車だけのシステムに関して、有る程度量産の目処がついても、インフラですよね。水素燃料をどうやって生産して、供給するかというのが、普及するまで時間がかかると思う。
<丸川>日本では、あまりディーゼルは聞かないが?
<福井>ディーゼルの良い所が有るのですが、ちょっと排気ガスのコントロールが難しい点がある。窒素酸化物のコントロールがちょっと難しいんですね。これも各社非常に努力して、私たちも、やってるんですが、日米の日本・アメリカの環境規制に合致するようなディーゼルも近々できると思う。それができるとさらに燃費の面でもメリットがある、と言う事になる。
<丸川>社長から見た、「ホンダらしさ」とは?
<福井>新しい価値観みたいな物を一番先にやる会社。あるいは環境対応に対して真っ先に率先してやる会社。それがホンダなのかなと思う。ですから燃料電池なんかは真っ先にやらないとならないし、ハイブリッドも真っ先にやらないといけないし、実際に燃費が良くて使いやすいFITみたいな車をドンドン開発しないといけないし、と思うんですよね。
<丸川>車好きの男性には凄く思い入れがある?
<福井>そう言う面があるので、S2000とかNSXみたいなものも、次のNSXはもっともっとスポーツカーに特化した車を開発しようと思ってます。
いまみたいな期待感をもたれてるお客様がいらっしゃるわけですから、現行のNSXをさらに上回るようなホンダだからこそできるようなスポーツカーにしたい。環境にも配慮し、安全にも配慮した上で、乗って楽しいスポーツカー、そういうのを考えてます。
<丸川>特にどういう点?
<福井>あまり申し上げられないが、これだけ苦労してフォーミュラー1レースにチャレンジしてるわけですから、そういうもののエッセンスを持ってきたい。そのスポーツカーにエンジンは同じV10のエンジンを積みたい。
<丸川>中国戦略はどうか
<福井>中国でいいますと輸出専用工場もありますが、基本的には中国で生産する車は中国の内需向け。近々50数万台の体制になるが、そのうちの3万台くらいをヨーロッパに輸出しようという事で、狙いは中国のホンダの工場の生産の力をより高めて、国際競争力を高めていこうと。ヨーロッパに輸出するような実力を付ければ、間違いなく国際競争力が高まるわけですから、これが狙いで、決して中国を輸出工場として位置づけてるわけではなくて、あくまでも内需、これをやっていかないとWTOで自由化されるわけですから、輸入車が入ってきますから中国にも。
<丸川>中国以外は?
<福井>BRICsでいいますと、ブラジル、インドはもう二輪が凄い勢いなんですが、自動車の方も相当いま普及が始まって、ホンダのオペレーションも高まって、ロシアは営業サービスの現地法人はもう作りまして、販売サービスのネットワークをいま構築しているところで、中国国内で作る事はかんがえていない。ロシアですね。
<丸川>海外の市場、北米、ヨーロッパの市場、日本の市場のバランスは?
<福井>バランスというか、台数でいいますとアメリカのマーケットが大きいわけですが、将来的には中国の台数は伸びて日本並みになると思うが、いろんな事の開発にしろ生産にしろ営業にしろ、ノウハウは日本で高めてこれを我々はマザー機能と読んでますが、ですから海外のオペレーションにそれをサポートしていく。
ですから日本が率先してやらないと行けない。
<丸川>あくまでも研究開発は、日本でやって?
<福井>自動車のビジネスの場合は、マーケットがそこにあって、工場もそこにあって開発もそこでやる、短いサイクルでぐるぐるまわる。その中でノウハウができるんですね。ですから日本のマーケットが有る程度ないと工場だけあっても意味がない。研究所だけ有って意味がない。 |
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