2015年8月

8月29日放送 「ぴっぽのたび」

作 者:刀根 里衣 作
出版社:NHK出版

悲しいことばかりで、夢を見ることを忘れてしまった孤独なカエル“ぴっぽ”。
眠れない夜、羊をかぞえていると、「夢の中を旅することができる」という小さな羊に出会います。「いっしょに行ってもいい?」こうして二人の夢の旅が始まります。
季節の移り変わりとともに変化していく美しい風景で出会うポピーの花や金魚、森の木…。ぴっぽと羊は、みんなの言葉に耳をかたむけます。旅した末に見つけたものとは…?
豊かな四季のうつろいと主人公の心の軌跡が、色鮮やかに、かつ細やかに描かれています。
ボローニャ児童書ブックフェアで“国際イラストレーション賞”受賞作品を絵本化したイタリアで活躍する絵本作家・刀根 里衣の絵本。スペインに続く日本語版。
朗読:
かかず ゆみ(アトミックモンキー)

8月22日放送 「ぷかぷか」

作 者:石井 聖岳 作・絵
出版社:ゴブリン書房

とってもとっても天気のよい日です。広ーい海にうみにぷかぷか浮かんでいるのは「タコ」。
「海も空も青いなあ」とタコがいいました。「どこまでが海で、どこまでが空か、わからなくなりそうだ」海と空がまざってしまいそうです。タコはぷかぷか浮かびながら考えました。もし空を飛べたら、どうやって飛ぼう?空を飛んでみたいタコの愉快な想像の数々と、波間を漂うのんびりしたリズムが魅力の「ゆるーーい」絵本です。
朗読:
松田 洋治(アクトレインクラブ)

8月15日放送 「かわいそうなぞう」

作 者:土家 由岐雄 作
武部 本一郎 絵
出版社:金の星社

戦争中、爆弾が落とされ、上野動物園の3頭のぞうが町へ暴れ出したら困るので、餓死させてしまうという本当にあった悲しいお話。
ライオンや熊が殺され、残すはぞうのジョン、トンキー、ワンリー(花子)だけ。
毒の入った餌を与えるが、ぞうたちはえさを吐き出してしまい、食べないため殺すことができない。毒を注射しようにも、象の硬い皮膚に針が折れて注射が出来ない。そこで、えさや水を与えるのをやめ餓死するのを待つことにする。餌をもらうために必死に芸をしたりするが…。飼育員の苦しい選択が伝わり、涙を流す読者も多い。平和への願いがこもった名作です。
朗読:
藤田 淑子(青二プロダクション)

8月8日放送 「おとうさんの ちず」

作 者:ユリ・シュルヴィッツ 作
さくま ゆみこ 訳
出版社:あすなろ書房

第15回日本絵本賞翻訳絵本賞、2009年コルデコット賞銀賞受賞の絵本。
戦火を逃れ、見知らぬ地で暮らす親子。貧しく、食料も乏しい日々。
ある日、パンを買いにいったお父さんが持ち帰ったものは、一枚の大きな地図でした。お腹を空かせたお母さんとぼくは、がっかり。なぜ、地図なのだろう?
しかし、この地図を部屋の壁に貼ると…  何の希望もない日々を送っていたぼくの目の前に、想像の世界が広がった。想像の世界は、ぼくに生きる希望を与えてくれた。
ポーランド生まれの作者が画家として歩み始める原点を描いた自伝絵本。
どんな状況にあっても、大切なものを見失わずいたい。そんなメッセージがこもった心にしみる絵本です。
朗読:
松田 洋治(アクトレインクラブ)

8月1日放送 「わんぱくだんのなつまつり」

作 者:ゆきの ゆみこ・上野 与志 作
末崎 茂樹 絵
出版社:ひさかたチャイルド

人気の「わんぱくだん」シリーズ。
動物のお面をつけてお祭りの踊りに加わろうとした「わんぱくだん」の3人。
ところが、そこで踊っていたのは本物の動物たちでした。
手を引かれて踊りの輪に入った3人は、雨乞いの儀式を手伝うことになりましたが…。
夏祭りのにぎやかな光景が、色鮮やかな絵とともに楽しめる一冊です。
朗読:
伊倉 一恵(青二プロダクション)

2015年7月