2014年11月

11月30日放送「はやく かえってこないかな」

作 者:鈴木 永子 作
出版社:福音館書店

パパの誕生日、もみちゃんとママは、パパの好きなカボチャのケーキを作りました。おいしそうにできたのにパパはなかなか帰ってきません。待ちきれなくなったもみちゃんは、ついケーキをつついてしまいました。「もういっかい、もういっかい」そうやってつまみ食いをくりかえすうちにケーキは穴ぼこだらけになってしまいます。でも、そこに木の葉や木の実をのせると、ケーキがパパの顔になりました!
思わず微笑んでしまう温かい気持ちになれる絵本です。
朗読:
かかず ゆみ(アトミックモンキー)

11月23日放送「ヨナタンは名たんてい」

作 者:デイヴィッド・グロスマン 文
ギラド・ソフェル 絵
もたい なつう 訳
出版社:光村教育図書

イスラエルの国民的作家グロスマンのほろりと泣ける絵本。
ある日、ヨナタンの赤いスリッパが消えた。ココアを飲むとき用の緑色のマグも消えた。クマちゃんも、パパのめがねも、ママのむらさき色のマフラーも消えた。どろぼうを、つかまえなくちゃ!ヨナタンはたんていになって、どろぼうがブツをかくしそうな場所をさがしはじめた…。
絵本には珍しい“探偵もの”で、予想外のラストに優しい気持ちになる読者も多いそうです。
朗読:
松田 洋治(アクトレインクラブ)

11月16日放送「ざぼんじいさんのかきのき」

作 者:すとう あさえ 文
織茂 恭子 絵
出版社:岩崎書店

ケチで欲張りなざぼんじいさんは、あまい柿をいつもひとりじめ。お隣に引っ越してきたまあばあさんにわけてくれるのは、葉っぱや枝ばかり。でも、まあばあさんは大よろこびです。笑顔で面白いアイディアに変えて楽しんじゃいます。ざぼんじいさんの意地悪はどんどんエスカレートしていき、最後には…。
大事なものは何かをさりげなく教えてくれる1冊です。
朗読:
伊倉 一恵(青二プロダクション)

11月9日放送「いやだいやだのスピンキー」

作 者:ウィリアム・スタイグ 作
おがわ えつこ 訳
出版社:らんか社

ふとしたはずみですねてしまった男の子スピンキー。
お姉さんが謝っても、お兄さんが機嫌をとっても、ママが優しいキスをしてもまだすねているスピンキー。強情にそこまですねなくても、という思いと、でもエスカレートしてしまって、かえって謝れなくなるという思いに共感する読者が多いそうです。
心をつくしてわびる家族との和解のきっかけも失いそうになりますが、よいことを思いつきます。オチも痛快な絵本。
朗読:
松田 洋治(アクトレインクラブ)

11月2日放送「ずいとんさん」

作 者:日野 十成 再話
斎藤 隆夫 絵
出版社:福音館書店

語り継がれる昔話の再話。
ある山寺で、和尚さんから留守番を頼まれた、ずいとんという小僧さん。ご本尊の前でお経をあげていると、「ずーいとん、 ずーいとん」と庫裏(寺の台所)のほうから自分を呼ぶ声がしました。行ってみても誰もいません。戻るふりをして隠れていると、きつねが現れ、しっぽで「ずーい」と戸をこすり、頭の後で「とん」と戸をたたいていたのです。ずいとんは本堂に逃げこんだきつねの後を追いましたが、きつねの姿はどこにも見当たりません…。
朗読:
伊倉 一恵(青二プロダクション)

2014年10月