2012年11月4日放送

ザ・スクープスペシャル

「平成24年度文化庁芸術祭参加作品 真相〜DNA、一致せず〜」


11年に渡って「無実」を叫び続ける男がいる。
ナイジェリア国籍のジャクソンさん(仮名)36歳。2001年6月、姫路市内の郵便局に目出し帽を被って押し入り、現金約2200万円を奪った強盗事件で逮捕された。
借りていた倉庫に現金が隠されていたなどの状況証拠だけで逮捕され、犯人と結びつく科学鑑定などの直接証拠は一切なかった。ジャクソンさんは一貫して無実を訴えて最高裁まで争ったが、懲役6年の実刑判決が確定。2009年2月、刑期を終えて神戸刑務所を出所したジャクソンさんは、約8年ぶりに日本人の妻と子供の元へ帰った。

今、ジャクソンさんは妻と子供を守るため、再審請求という新たな戦いに挑もうとしている。再審無罪を勝ち取らない限り、国外退去処分となり、家族がばらばらに引き離されてしまうからだ。愛する家族のため奔走するジャクソンさん。やがて、検察が裁判に証拠提出しなかった「封印された証拠」が存在する可能性が浮上した。

○犯人が目出し帽を脱ぐ直前、なぜか砂嵐が入る防犯カメラ映像
○犯人の目出し帽のDNA鑑定結果
○目出し帽に残された毛髪の形状の鑑定結果
○犯人の血液型鑑定結果

…なぜ、犯人の確定に結びつくかもしれないこれらの直接証拠は隠されたのか?
弁護団は、これらの封印された証拠は逆にジャクソンさんの無実を証明するものであり、検察にとっては「不都合な真実」だったのではないかと確信し、開示請求している。

一方、検察が提出した真犯人ではないかとされる男の写真を画像鑑定した結果、髪型をジャクソンさんに似せて改竄した痕跡が確認された。それは、大阪地検特捜部によるフロッピーディスク改竄と同様、あってはならない不正行為なのだろうか?

さらに、ジャクソンさんとされる犯人が着用していた目出し帽を独自に入手し、足利事件を再審無罪に導いた法医学の権威、押田茂實名誉教授に付着物のDNA鑑定を依頼した。独自取材を始めて7年、再審への扉は開かれるのであろうか?
それは「第2の東電OL事件」、そして「第2の証拠改竄事件」となるのであろうか?


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