2006年12月10日放送

ザ・スクープスペシャル 
  

<特集1>沖縄返還35年目の真実 〜政府が今もひた隠す”密約”の正体〜

今年春、沖縄返還交渉を指揮した元外務省アメリカ局長がその重い口を開いた。
「沖縄返還協定の裏に日米間の密約があった!」(吉野文六氏)協定上は米国側が
「自発的に支払った」ことになっている軍用地の
原状回復費400万ドルを日本が肩代わりしていたというのである。
しかし、政府はその事実を真っ向から否定した。
「政府としては密約はないという立場だ」(安倍官房長官=当時)

今から34年前、この密約の“存在”を暴いた一人の男がいた。
毎日新聞政治部記者・西山太吉である。西山は密約を裏付ける外務省の
極秘電文を女性事務官から入手するが、国家公務員法違反で逮捕され、
やがて「国家の犯罪」は単なる「男女のスキャンダル」にすりかえられていく。
その後、21世紀に入って西山のスクープを裏付ける米側公文書が
次々と発見されるが、今も日本政府は一貫して否定の姿勢を貫いている。
一体なぜ、政府は密約の存在を認めないのか?
それは、400万ドルの密約が氷山の一角に過ぎず、
これを認めるともっと大きな密約に波及する恐れがあるからだと言われる。

米軍再編に向けて動き出した今だからこそ、
西山・吉野らの証言や米国立公文書館に眠る外交機密文書によって、
日米安保体制の背後に広がるどうしても隠しておかなければならない
巨大な「闇」の正体に迫る!


<特集2>検証!浜松幼児殺害事件〜2つの”自白テープ”〜


1991年8月、静岡県浜松市のA子さん宅で5歳になる二男が殺害された。
風呂場の浴槽に頭を浸けて溺死させるという残忍な手口であった。
奇妙なことに、この事件をめぐって2つの“自白”が存在する。

(1)母親A子さんの供述テープ。
「お風呂場の方に行って、二男の両足つかんで、湯船に漬けちゃった…」
(2)当時A子さんが交際していた男性の供述テープ
「お風呂場に行って足首を持った?」「はい」「水を飲ませたわけ?」「はい」

“自白”した男性・河合利彦さん(47)は、公判では一貫して
「自白は結婚も考えていたA子さんをかばうためだった」と無罪を主張するが
A子さんの「風呂場で二男を宙吊りにしていた」という目撃証言が
決め手となり、懲役7年の有罪判決が確定してしまう。

事件から9年…
刑期満了で刑務所を出所した河合さんは、その足で記者会見を開いて訴えた。
「犯人は別人だ! 死亡推定時刻、私は犯行現場にいなかった!」
なぜか警察が無視した検視時の遺体状況を元に死亡推定時間を鑑定すると
河合さんが不在時の犯行となり、アリバイが成立するというのである。
さらに、弁護団が開示請求した河合さんの自白テープの中に、
検察側のミスで、犯行を自白するA子さんの供述テープが紛れ込んでいた!
このA子さんの“自白”は、河合さんが“自白”する3日前のことだったが、
すでに河合さんを逮捕した後だったので、警察が「黙殺」したものと思われる。

河合さんはこれらの新証拠を元に去年5月、東京高裁に再審請求を行った。
はたして、再審という重い扉は開くのか? 河合さんは言う。
「人生の14年間を無駄にされ、ものすごい苦痛と苦悩を味わった。
請求の内容には300%の自信を持っている。
顔と名前をさらしてでも、身の潔白を証明したい…」


このページのトップへ△