最近、セクハラについて問われる機会が増えました。
取材相手の男性から、恐る恐る「これってセクハラになりますか?」と問われることも。
現場取材では戸惑いが広がっています。
もし自分の身に起きたら?
実際に起きたこともありますし、その時は「応じられない」と断りました。
記者にとって、取材の機会を自ら失うことは致命傷になります。
受け流せるか?受け入れるか?逡巡した上での判断です。
仕事をしていれば様々な局面に直面します。
ただ、セクシャルハラスメントほど、自尊心の逃げ場が閉ざされる行為はありません。
立場を利用した安易な気分転換、支配欲を満たすだけの趣味に、心身をすり減らす必要はない。
これまでの社会人経験から得た結論です。
場の空気を損なわないように振る舞いつつ、でも内心は深く傷つく痛みを、
せめて身近な人には分かって欲しい。
でも今は、世の中全体で考える段階に来ているのかもしれません。
他方、「女性だから得する」と言われることもありますし、
実際に、性別を理由に取材を許可された経験もあります。
ただ、セクハラを否定する以上は、性差を都合よく扱うことは出来ません。
仕事で何を大切にするか。
自分なりの職業倫理と照らし合わせながら、
何が良くて何がおかしいのかを、日々考えています。