2014年07月13日 09:30

 こんにちは。“題名舞台裏ウォッチャー”キャンディーです。10週にわたりお送りしております「題名のない音楽会」50周年記念企画ですが、大きなテーマは“50年の歴史を未来へ”です。特に次世代の育成を意識した、マキシム・ヴェンゲーロフさんのヴァイオリン・レッスン、山下洋輔さんの師弟対決企画に続き、本日の放送は中村紘子さんによる若きピアニストへの公開レッスンでした。
 ピアノを弾いたことがない人でも納得できる解説はとても興味深かったですね。クラシック音楽は特に「音が命の実力主義社会」と思いがちですが、もちろんそれは大前提としてあるものの、世界のピアノ界の権威でもある中村さんから「演奏家はルックスが重要!」ってある意味型破りな発言を、ああもスパッと言い切ってもらえると、スターの条件にジャンルは関係ないのだな、と目からウロコが落ちる思いです。
 実は中村さん、韓流ドラマからアメリカ・ドラマ、そして海外のオーディション番組などチェックされており、とても流行に敏感です。やはり日頃からアンテナを広く張っていらっしゃるからこそ、広い視野で判断できるのだな、と感銘を受けました。
 中村さんの型破り的な行動はそれだけではないのです。中村さんはお料理も大の得意で、また体も積極的に鍛えていらっしゃいます。一昔前(もしくは今も?)演奏家を目指している子どもはうっかり手を怪我してはいけないという理由から包丁を持つことも禁じられたり、学校の体育の授業も見学してることさえありました。しかし日本ピアノ界のベースを築かれた中村さんがこうも自由に生活されているのですから、もしこのような消極的な行動を続けているお子さんがいらっしゃったら一考の余地があります。
 中村さんの演奏はとてもドラマチックで、目の前で物語が展開しているような鮮明な印象を受けますが、このように日々敏感に心を動かしながら生活されているゆえなのでしょう。今年デビュー55周年を迎えられた中村さんの、努力の上に成り立つ自由な発想と想像力、大いに刺激を受けました。若い世代、負けてられませんね!
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