2010年02月28日 09:30
 トリノでのオペラ「ピーター・グライムス」も2組のキャストでそれぞれの初日を無事終了、両日とも大成功に終わりましたことを報告します。前にも書いたとおり、僕にとっては初めてのイタリアでのオペラプロダクションです。一つの夢、というか僕にとっての長年の目標が達成されました。特に初日は、何度も何度もカーテンコールがあり、「グランデ!ユタカ!」と客席から声がかかりました。この達成感、本当に嬉しいです。イタリア人スタッフたちと手を組み、インターナショナルな歌手陣とじっくり肩を組んだ結果です。素晴らしいオーケストラ、そして優秀な劇場付きのスタッフたち。本当にブラヴォです!この話は大きな土産話として日本に持って帰らなければなりません。しかし、これからが僕にとっての修羅場はピークを迎えるのです!なぜなら、この難解なオペラ「ピーター・グライムス」の本番を続けながら、その合間にオーケストラとの演奏会も行うのです。オーケストラと演奏会の練習を6時間やった後、オペラの本番を3時間。オペラがマチネの日は、オペラの本番の前と後に、3時間ずつオーケストラとの稽古…といった具合です。どうです!?こんなことオーケストラの組合のしっかりしている日本では絶対考えられない!いえ、イタリアも組合は凄くしっかりしているのです。けれど、ここは彼らの音楽家スピリットが勝っているとしか言えません。まあ、上手く行くと思います。夢を実現し、何かを乗り越えていくのに一番重要なのは、自分で自分のなりたい姿を、できるだけはっきりと思い描くことだと僕は思っています。スポーツの世界でも、ビジネスの世界でも、学校の先生でも、それぞれの職業でもそうなのではないでしょうか?

 

 さて今年は様々な作曲家のアニヴァーサリーイヤーですが、中でもショパンの生誕200年ということが大きな目玉ではないでしょうか。日本でも記念イヤーにちなんだ、色々なショパン企画が目白押しです。というわけで今回の放送は、ショパンと言えばこの人、スタニスラフ・ブーニンさんでした!その繊細さと男らしさは、数々のショパン弾きの中でもまさに特別な存在だと思います。実はブーニンさんには、とっても素敵な日本人の奥様がいらして、放送ではドイツ語を話されていますが、物凄く日本語も流暢なのです。放送では流れませんでしたが、実は僕にとっても個人的な「ブーニン伝説」があって、もう20年近くほど前の話でしょうか、東京のとある高級ホテルに、僕は当時相当無理して滞在していました。ホテルのボーイさんが「この部屋は、ブーニンさんが泊まられた部屋でございます!」と、とても自慢気に僕に教えてくれたのですが、驚いたことに、その後そのホテルと全く同じ部屋を、彼は日本のプライヴェートの家の中に作らせたとか…。そして今回は、ブーニンさんにとっても憧れであり、僕の盟友でもある、山下洋輔氏にもビデオレターで登場していただいて、僕はとてもありがたく、ご機嫌です!これからも益々色々なブーニン伝説が作られていくことを、心から期待しています!

視聴者からのコメント
2010年03月29日 10:15
ゆうこりん

ブーニンさんの協奏曲がいつになっても耳から離れません。実は10数年前彼のにコンサートに行ったのですが、曲目は大幅に変更、アンコールにもあまり応えてくれず、一体何があったのかしらと、後味の悪い思いをして、以来ずっとそれを引きずっていました。しかし今回の彼を見てそんな思いは吹き飛びました。本来の優しい人柄に満ち溢れ、とても嬉しくなりました。そして何よりも演奏が素晴しかった!私は今まであんなに素敵な第二楽章を聴いたことがありません。感動です。佐渡さん有難うございました。

2010年03月01日 17:20
なつめ

久々のブーニンさんの演奏、心に染み入りました。慈しむように演奏していた姿が忘れられません。良かったです。ありがとうございました!

2010年02月28日 23:07
サドラー2号

ブーニンさんがショパンコンクールで優勝されてから、もうそんなにたつのか・・・と驚きました。あいかわらずステキな笑顔でステキな演奏で・・・。日本語を話されるところも、ぜひ拝見したかったですね。

2010年02月28日 17:35
Miyabi

トリノでの「ピーター・グライムス」の初日の大成功おめでとうございます♪
佐渡さんが一歩一歩なりたい姿に近づいておられるのを見習って、私も仕事上でなりたい私を目指して頑張りたいと改めて思いました。いつも勇気を頂きありがとうございます。
ブーニンさんのショパンはもちろん素敵でしたが、思いがけない「肘打ち」には恐れ入りました。

2010年02月28日 16:44
tsuki

ドイツ語を話されててびっくりしてました。相変わらず茶目っ気たっぷりなブーニンさんと美しいショパンでとっても嬉しかったです!!!

2010年02月28日 11:48
tama

ブーニンさんが19歳のときのコンクールの時、ものすごく感動して聞いたのを記憶しています。円熟味がさらに増し、今日はテレビでありながら、鳥肌が立ち、涙が止まりませんでした。神業というか、まるで神様が降り立っていらっしゃった様です。これが生で聞いたらどれほどすばらしいことか・・・

2010年02月28日 09:55
piapia

ありがとうございます!!!!
もう、大のブーニンファンです!!
1つ1つの音!感動しまくりましたぁ!!!!!

2010年02月28日 09:48
emiemi

トリノでのオペラ「ピーター・グライムス」の初日は、インターネットでライブ放送されました。日本時間AM4時からでしたが、超早起きをして聴きました。休憩時間には佐渡さんの英語でのインタビューも流れていました。
遠いイタリアに居るかのように、興奮する観客と共に楽しめました。

ピアノを愛でるブーニンさんの指先から、ショパンの美しい音が生まれる瞬間を聞くことができました。是非一度、ライブで聴いてみたいです。

2010年02月28日 09:39
ROAD

何十年振りか、ブーニンさんに会えて幸せです。50歳を前に、2年前から手習いでピアノを始めました。早くショパンの曲が弾きたいな~、間に合うかな~。とりあえず、3月の発表会、今与えられた曲、がんばります!

2010年02月28日 09:33
川崎廣太郎

ブーニンさんの円熟味ましたショパンを堪能しました。演奏したFAZIOLIのピアノもきれいな音でショパンの優しい感情を感じました