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第26回出光音楽賞受賞者ガラコンサート

投稿日:2016年09月04日 09:30

将来有望な若手音楽家を表彰する出光音楽賞の受賞者ガラコンサートが今年も開催されました。第26回出光音楽賞の受賞者は、川瀬賢太郎さん(指揮)、山根一仁さん(ヴァイオリン)、薮田翔一さん(作曲)の3名。将来を嘱望される若き実力者たちがそろいました。
 指揮の川瀬賢太郎さんは1984年生まれ。現在、神奈川フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者を務めています。経験が求められる指揮者の世界で、若くして常任指揮者のような要職を務めるのは容易なことではありません。「神奈川フィルの顔」としてオーケストラを率いつつ、各地のオーケストラにも客演して、目覚ましい活躍をくりひろげています。本日のシューマンの交響曲第3番「ライン」では、横浜シンフォニエッタとともに、雄大な情景が目に浮かぶかのような見事な演奏を披露してくれました。
 ヴァイオリンの山根一仁さんは1995年生まれ。まだ本当にお若いのですが、すでにリサイタルや協奏曲などで、たびたびすばらしい演奏を聴かせてくれています。なんといってもその魅力は切れ味が鋭く、思い切りのよい表現、そして鮮やかな技巧。ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番のフィナーレには鳥肌が立ちました。山根さんはこの曲が「幼稚園の頃から大好きだった」というのですから驚きます。モーツァルトやチャイコフスキーならともかく、3歳にしてショスタコーヴィチで踊っていたとは。そして、9歳で「題名のない音楽会」に出演していた映像が残っているのにもびっくり。長髪でかわいらしい少年だったんですね。
 作曲の薮田翔一さんは昨年、ジュネーヴ国際音楽コンクール作曲部門で優勝を果たして話題を呼びました。コンクール受賞作のBillowは先鋭な作風で書かれた弦楽四重奏のための作品だったのに対して、本日の「風神雷神」はぐっとドラマティックで、大作映画に用いられてもおかしくないようなスケールの大きな作品でした。作曲にあたっては「どのような場所で、だれに向けた音楽なのかをよく考える」とおっしゃっていたのが印象的です。大きな可能性が広がっているのを感じます。

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