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歴史を彩るヴァイオリニストたち

投稿日:2016年03月06日 09:30

同じ作品が、演奏するアーティストによって違った表情を見せる。クラシック音楽の聴き方のひとつとして、こういった同曲異演の楽しみがあります。
 では、現在第一線で活躍するプロのヴァイオリニストたちは、往年の大ヴァイオリニストの演奏について、どう感じているのでしょうか。今回の「題名のない音楽会」では、徳永二男さん、三浦文彰さん、そして司会の五嶋龍さんの三人のヴァイオリニストたちが、「演奏の違い」について語ってくれました。徳永二男さんは長年NHK交響楽団のコンサートマスターを務めていらっしゃいましたので、テレビを通してご存知の方も多いと思います。また、三浦文彰さんは大河ドラマ「真田丸」のオープニングテーマで、ソロを演奏している若き俊英です。ちなみにお父さまの三浦章宏さんは現在東京フィルのコンサートマスターを務めていらっしゃいます。
 三浦文彰さんが憧れのヴァイオリニストとして挙げたのはナタン・ミルシテイン。品格と高雅さを感じさせる大家です。決して派手な人ではありませんので、若い奏者からこの名が挙がると「おお!」と思ってしまいますね。徳永二男さんが挙げたのはヤッシャ・ハイフェッツ。「技巧が高い」と呼ばれる名奏者は大勢いますが、そのなかでも別格なのがハイフェッツでしょう。龍さんはお姉さんの五嶋みどりさんの名を挙げていました。幼いころからいちばん身近なところに世界の「MIDORI」がいたわけですから、これは納得です。
 後半ではチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲をイヴリー・ギトリスとイツァーク・パールマンの演奏で聴き比べていただきました。ふたりの個性の違いを感じ取っていただけたでしょうか。濃厚で奔放なギトリスと、天衣無縫の流麗さを誇るパールマン。番組内ではほんの少しだけの演奏でしたが、もし機会があったら、全曲演奏を聴いてみてください。同じ曲でもこんなに違ったアプローチができるのかという驚きが待っているはずです。

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