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第25回出光音楽賞受賞者ガラコンサート

投稿日:2015年11月08日 09:30

 今回は第25回出光音楽賞受賞者ガラコンサートの模様が放送されました。出光音楽賞といえば、将来有望な若手音楽家を表彰する賞として、クラシック音楽界ではだれもが知る存在です。
 今回の受賞者は3名。ヴァイオリンの周防亮介さんに加えて、三味線の本條秀慈郎さん、バンドネオンの三浦一馬さんといった少し珍しい楽器の演奏家が選ばれているのが目を引きます。
 特にバンドネオン。一見、アコーディオンに似ているのですが、番組中でも解説されていたように、不思議な配列のボタンによって音を出す仕掛けになっています。ドイツ生まれの楽器で、アルゼンチンに渡ってタンゴの楽器として広く使われるようになりました。日本では90年代にアルゼンチンのバンドネオン奏者、ピアソラの音楽がブームになりましたので、そのときにこの楽器を初めて知ったという方も多いのでは?
 そのピアソラに続く、現代のバンドネオンの巨匠が、三浦一馬さんの師ネストル・マルコーニ。三浦さんは16歳のときにマルコーニの生の演奏を聴いて衝撃を受け、終演後にマルコーニを探して打上げ会場のお寿司屋さんにまで押しかけて、その場で演奏を聴いてもらったそうです。晴れ舞台で演奏する師匠のバンドネオン協奏曲、カッコよかったですよね。
 三味線の本條秀慈郎さんが演奏されていたのは大家百子作曲の「薺(なずな)舞 ―三味線とオーケストラのための」。こちらも現代の作品です。日本の伝統楽器と西洋音楽との接点から、新しい音楽世界が生み出されていました。
 唯一、伝統的なクラシックの名曲を弾いたのがヴァイオリンの周防亮介さん。チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲から第1楽章が演奏されました。若さに似合わず風格の漂うチャイコフスキーとでも言いましょうか。堂々たる名演でした。会場から「ブラボー!」の声があがったのも納得。将来が楽しみな逸材です。

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