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ゲーム音楽史の音楽会

投稿日:2015年11月22日 09:30

 ゲームをお好きな方なら、きっと今日の演奏を聴いて勝手に指が動き出してしまったのではないでしょうか。

 今年30周年を迎えた「スーパーマリオブラザーズ」。名作ですよねえ。シエナ・ウインド・オーケストラの演奏を聴きながらファミコンのプレイ画面を見ると、懐かしさで胸がいっぱいになります。ああ、ここで大ジャンプしたよなあ……と。

 そして、忘れることのできないゲーム音楽といえば、もちろん「ファイナルファンタジー」に登場した名曲の数々。「マンボdeチョコボ」のトロンボーンのソロが熱かった!

 作曲者の植松伸夫さんのお話にあったように、当時はハードウェアの制限で同時発音数が限られていたんですね。かつて「ピコピコ音」などといわれたサウンドが、今や壮大なオーケストラのサウンドまで再現できるようになったのですから、技術の進化も並大抵ではありません。

 意外な気もしますが、五嶋龍さんはゲーム好きなんだそうです。今回の番組収録に先立ってお好きなゲームをいくつか挙げていただいたところ、海外ゲームの人気作に交じって挙げられていたのが「ゼルダの伝説」。そこで、「ゼルダの伝説」のメインテーマが演奏されることになりました。

 よもや、あの名曲を五嶋龍さんのヴァイオリンで聴けるとは! 独奏ヴァイオリンとブラスバンドの共演という点でもユニークなサウンドが生まれていました。ヴァイオリンとオーケストラの協奏曲はたくさんありますが、ヴァイオリンとブラスバンドという組合せはほとんどありません。

 パワフルで厚みのあるブラスバンドをバックに、孤軍奮闘するヴァイオリニストの姿は、「ゼルダの伝説」の主人公の姿にどこか重なります。まるでヴァイオリンの弓が、剣のように見えませんでしたか。

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吹奏楽部の音楽会

投稿日:2015年11月15日 09:30

 吹奏楽で聴くレスピーギの「ローマの祭」。迫力がありましたよね。プロが演奏すると、こんなに精妙なサウンドが生まれてくるのかという驚きがありました。

 本来、「ローマの祭」は大編成のオーケストラのために書かれた交響詩ですが、こうして吹奏楽で聴いてもまったく違和感がありません。クラシックの名曲を吹奏楽編曲で演奏する例は珍しくありませんが、これほどぴたりとハマった編曲はなかなかないのでは? 派手な演奏効果があって、しかも曲がいい。吹奏楽コンクールでの人気の高さにもうなずけます。

 レスピーギには「ローマの松」「ローマの噴水」という交響詩もあります。こちらも吹奏楽版でも知られる人気曲ですよね。「ローマの祭」と合わせて「ローマ三部作」と呼ばれています。

 レスピーギは1879年、イタリアのボローニャに生まれました。ローマの生まれじゃなかったんですね。幼少時からヴァイオリンとピアノを学び(どちらもかなり達者だったとか)、ロシアにわたって劇場でヴァイオリン奏者を務めるかたわら、管弦楽法の大家として知られるリムスキー=コルサコフに作曲を師事しました。レスピーギの華麗なオーケストレーションは師匠譲りなんでしょう。

 1913年からはローマで作曲の教授を務めるようになり、この地で「ローマ三部作」を着想しました。

 レスピーギは当時ほとんど無視されていたイタリアの古楽に深い関心を寄せていました。そして、古い音楽を素材に用いて自作を作曲することがしばしばありました。「リュートのための古風な舞曲とアリア」は、16~17世紀に書かれたリュート曲を20世紀のオーケストラ向けに編曲した作品ですし、組曲「鳥」もやはり古楽を素材に使っています。これらの作品には編曲者としてのレスピーギの手腕が発揮されています。

 そんなレスピーギが今も生きていて、自分の作品が吹奏楽用に編曲されて日本で人気を呼んでいると知ったら? きっとずいぶん愉快に感じたのではないでしょうか。

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